
はじめに
このブログ記事は、筆者がソムリエ/ワインエキスパート二次試験(ワインテイスティング)を勉強した経験をもとに、そのポイントをまとめたものです。
テイスティングは個人個人の感じ方や嗜好(好み)による違いもあるため、必ずこうですという正解もない世界だと思います。そのため、本ブログの記載内容はあくまでも個人の経験に基づく見解(試験対策上のポイント)となりますことをあらかじめご承知の上、ご参考ください。
二次試験用テイスティングの基本
試験では外観→香り→味わいと1回通してテイスティングしてから、マークシートの記入を行うようにしています
向き合ったワインの大枠を把握してから記入することで一貫性のある解答をすることができ、また時間の節約(特に香りの評価を先に記入した後に味わいを評価すると、香りの評価を振り返って修正したくなることが多い)にもなると考えます
用語解説
✅CHECKボックス内の選択肢は2025年度のJ.S.A.呼称資格試験のテイスティング用語選択シートを参考にしています(選択用語は毎年少しずつ変わっているため、試験本番で初登場する用語もあります)
✅選択肢の右横のガイドは以下の基準でガイドしています(あくまでも経験則です)
●第1 よく選ばれる選択肢(第一候補として選択する。また、迷ったらこの中から選択する)
●第2 時々選ばれる選択肢(第二候補として、ある程度手がかりがあれば選択する)
●レア ほとんど選ばれない選択肢(強い確証があるときのみ選択する)
●NG まず選ばれることのない選択肢(試験では選択しない)
✅鉛筆マークのボックスには、具体例や注意点などを示しています
テイスティング用語選択のポイント
外観
清澄度(1つ選択)
1.澄んだ 第1
2.やや濁った レア
3.濁った NG
ワインの透明度を確認します。清澄度はワインの健全度を表し、健全なワインほど澄んだ外観となります
●澄んだ:基本、外観に違和感なければ選択する
無清澄、無濾過のワイン(ナチュール系のワインなど)は濁っている場合がありますが、二次試験には出題されないと考えます
輝き(1つ選択)
1.輝きのある 第1
2.ややくすんだ レア
3.モヤがかかった NG
ワインの「照り」「つや」を確認します。輝きは酸度と関係があり、酸度の高いワインほど輝きのあるワインとなります
●輝きのある:基本、外観に違和感なければ選択する
●ややくすんだ:熟成が感じられるワインなど
試験会場はホテルの宴会場のことが多く、照明も蛍光灯などの明るさより暗いことがありますので、そういった場所(電球色のリビングや、バーなど)でも練習しておくと良いでしょう
色調(2つ選択)
1.シルバーがかった 第2
2.グリーンがかった 第1
3.レモンイエロー 第1
4.イエロー 第1
5.黄金色がかった 第2
6.黄金色 第2
7.トパーズ NG
8.オレンジ(グリ)を帯びた 第2
9.アンバー NG
色調はワインの若さ(熟成度)と関係し、若いワインほどグリーンの要素が強くなります
色調は、ワインの熟成度に伴い以下のように変化していきます
グリーンがかったレモンイエロー・淡いイエロー(若い健全な状態)→黄金色がかった濃いイエロー・麦わら/ストロー色・黄金色(若さが少し落ち着いている状態、樽熟した状態)→→トパーズ・アンバー(酸化熟成が進んだ状態)
これらを念頭に、まず実際の色(1)を選び、次にその色に含まれるニュアンス(2)を選びます
次項の【濃淡】とも連動するため、同時に評価することが多いです
1)実際の色(メインの色調):
●レモンイエロー:若く健全なワイン、ニュートラル~セミニュートラル品種(甲州、ミュスカデ、アリゴテ、リースリング、ソーヴィニヨン、シュナンブランなど)
●イエロー:若さの落ち着いたワイン、やや樽のニュアンスのあるワイン、品種特性など(シャルドネ、セミヨン、シュナンブラン、ヴィオニエ、ソーヴィニヨン、ピノグリ、ゲヴェルツトラミネールなど)
●黄金色:落ち着いたワイン、樽のニュアンスのしっかりあるワイン、品種特性など(シャルドネ、ソーヴィニヨン、ピノグリ、ヴィオニエなど)
2)色調に含まれるニュアンス(~がかった):
●グリーンがかった:若いワイン。試験に出題される多くのワインが該当
●シルバーがかった:若いワインでグリーンがかっているが、メインの色調が淡く、グリーンの色調が見えにくい場合
●黄金色がかった:メインの色調が濃いイエローや黄金色の時
●オレンジ(グリ)を帯びた:甲州やピノグリなどグリ系の品種の場合にエッジがオレンジを帯びることがある
そのため基本は
●『グリーンがかった』×『レモンイエロー』/『イエロー』(通常の場合)となり、
色調がとても淡い場合は、
●『シルバーがかった』×『レモンイエロー』になります
樽の効いたシャルドネなどは、
●『黄金色がかった』×『イエロー』/『黄金色』となります
甲州やピノグリなどグリ系の品種の場合は、ややオレンジを帯びることがあるため、
●『オレンジを帯びた』×『レモンイエロー』/『イエロー』となります
『トパーズ』は明るめのアンバー色のこと(オレンジ色に近い)です。『アンバー』とともに、出題されることはないと考えています(価格や数量の問題で出題数分のワインを確保するのが難しいと思われます)
濃淡(1つ選択)
1.無色に近い 第2
2.淡い 第1
3.やや濃い 第2
4.濃い レア
5.非常に濃い NG
ブドウの成熟度合い、抽出度合い、ワインの濃縮感を推測できます
濃淡はワイン産地の気候と関係があることがあります。冷涼な産地のワインは淡い色調、温暖な産地のワインは濃い色調となることが多いです。ただし、品種特性や醸造法などの違いで濃淡に違いが出ることもありますので、注意が必要です(スキンコンタクト、SO2の量、シャルドネやグリ系品種など)
基本は『淡い』とし、それぞれ以下のように判断しています
●無色に近い:透明感のある日本酒の様な感じ。品種特性として、甲州、ミュスカデ、トロンテス、ソーヴィニヨン(NZ、チリ)、リースリング(豪)など
●淡い:しっかりと透け感もあるが、色調もはっきり識別できる。旧世界や冷涼産地(酸が高め、日照量が控えめ)のワイン、樽のニュアンスのないワイン
●やや濃い、●濃い:透け感より色調の方が優位な状態。新世界や温暖産地(ブドウの熟度高い)のワインや樽熟したワインや品種特性として、シャルドネ、グリ系品種など
濃淡は、前項で評価した【色調】の濃淡と考えて評価しましょう。すなわち、レモンイエロー=淡い、イエロー=濃いではなく、レモンイエローの濃淡(淡い~濃い)、イエローの濃淡(淡い~濃い)で評価しています
粘性(1つ選択)
1.さらっとした 第1
2.適度な 第1
3.やや強い 第2
4.ねっとりとした レア
グラスの壁面をつたう滴の状態を判断します。粘性はアルコール度の高さや、甘辛度ど関係があります
軽くスワリングをした後に、壁面をつたう滴がサラッとしているか、トロっとしているかを見るようにします。アルコール度が低いほど、辛口ほど粘性は低く、アルコールが高いほど、甘口ほど粘性は高くなるので、味わいの項目のアタック、ボリュームと整合するように確認しています
●さらっとした:ドライでアルコール度の低い(8%以下)のもの(甲州など)
●適度な:基本、白ワインの多くが該当
●やや強い:甘みやアルコールのボリューム感も感じるもの(樽の効いたシャルドネ@NWなど)
スワリングでの粘性確認は、当日のグラスの状態(洗い方や新しいか古いかなど)にも影響を受けることがあるので、味わいの項の【甘み】、【アルコール】とも整合するように調整しても良いでしょう
外観の印象(2つ選択)
1.若々しい 第1
2.軽快な 第1
3.成熟度が高い 第1
4.濃縮感がある 第2
5.やや発展した レア
6.熟成のニュアンスが見える レア
7.熟成した レア
8.酸化が進んだ NG
9.気泡が見える 第2
10.発泡性 NG
ブドウの成熟度や凝縮感、ワインの熟成度合いなどを推測します
通常2つの選択肢を選ぶことになります。その際に(1)ワインの熟成度、(2)ワインの凝縮感やブドウの成熟度を評価するようにします
1)ワインの熟成度:ヴィンテージの若さ
●若々しい:生産から2~3年以内のグリーンがかったレモンイエローのワインで、出題されるワインの多くが該当します
●やや発展した:色調がイエロー~黄金のワインで、グリーンがかったニュアンスが消えているような場合
2)ワインの凝縮感、ブドウの成熟度:色調、濃淡、粘性と整合
●軽快な:濃淡が無色~淡いワインで、基本選択
●成熟度が高い:色調がイエローで濃淡がやや濃い~濃いワインで、ブドウの成熟度が感じられる
●濃縮感がある:樽熟成したシャルドネや温暖なアロマティック品種の場合
●気泡が見える:シュールリー、早飲みタイプ、スクリューキャップ等のワインで気泡が見えやすく、実際に見えたら選択しても良い(ヴィーニョ・ヴェルデのアルバリーニョも気泡が出やすい)
基本は『若々しい』→『軽快な』とし、ワインの熟成度や果実の凝縮感をより感じたら、それに応じて選択肢を選ぶようにしています
【熟成度】と【成熟度】は、ワインに対しては【熟成度】、ブドウに対しては【成熟度】と用語を区別して理解しましょう。そのため、組み合わせとして『若々しい』→『成熟度が高い』はあり得ます
『酸化が進んだ』や『発泡性』は試験には出題されないと思っています。全国の試験会場で同一状態で供出するのが難しいのと、試験の意図からしてあえてそのようなワインを選ぶとは思えないためです。また、ほとんど出題されないレア用語も多いため、選択肢は多いですが、ポイントを絞って解答しましょう
香り
第一印象(2つ選択)
1.閉じている レア
2.控えめ 第1
3.開いている 第1
4.フレッシュな 第1
5.ミネラリー 第2
6.豊かな 第2
7.熟度の高い 第2
8.華やかな 第1
9.濃縮感がある 第2
10.セイボリーな 第2
11.複雑な 第2
12.力強い レア
香りをとった時の第一印象を評価します
通常2つの選択肢を選ぶことになります。その際、次の2つに分けて考えるようにします
1)香りの程度:
まずはスワリングをしないで香りをとり(※)、その時の印象で香りの程度を『控えめ』か『開いている』かで評価します
※最初からスワリングをしてしまうと、閉じているワインや控えめなワインも華やかに感じてしまうことがあるため
●控えめ:ニュートラルな品種と感じたら選択。(2)香りの強さ/質からもう1つ選択する
●開いている:開いていると感じたら、(2)香りの強さ/質から2つ選択する(※※)
※※開いている場合、その内容(香りの強さや質)で選べる要素が多いため、あえて『開いている』を選択せずに、その内容(2)から2つ選ぶ方が正解になりやすいです。(2)からどうしても1つしか選べないときは、残りの1つに『開いている』を選択するようにします。一方で控えめな場合は、その内容で選べる要素が少ないため、『控えめ』を選択して、残り1つをその内容(2)から選ぶようにします
2)香りの強さ/質:
スワリングをして、香りの強さや質を評価します
だいたい以下を目安として判断しています
●フレッシュな:軽めのワイン、ニュートラル~軽いアロマティック品種のワインで第一選択
●華やかな:アロマティック品種のワインで第一選択
●ミネラリー:鉱物的なミネラル感
●セイボリーな:塩味(ヨード香、出汁感などを含む)やスパイス感
●豊かな:香りのボリュームが豊かでグラスからあふれ出るような時(NZソーヴィニヨンなど)
●熟度の高い:ブドウの熟度が高く温暖な地域を連想させる時(カリフォルニアやオーストラリアのシャルドネ)
●濃縮感がある:香りの密度が高くドライフルーツやジャムなどの濃縮感を感じた時(遅積みや貴腐など)
●複雑な:樽香がしっかり感じ、第1~第3アロマを感じれる場合
香りの程度で『閉じている』も、通常のテイスティングであれば全然あり得ますが、試験としてはわざわざ閉じているワインを出題する意味も弱く、仮に正答となっても、同時に『控えめ』も正答となるパターンが多いため、閉じていると感じても『控えめ』を選択するようにしています
特徴:果実・花・植物(3~6つ選択 ※出題アイテムによって異なる)
1.柑橘類 2.青リンゴ 3.リンゴ 4.洋梨 5.花梨 6.白桃
7.アプリコット 8.パイナップル 9.マスカット 10.パッションフルーツ
11.バナナ 12.マンゴー 13.ライチ
14.スイカズラ 15.アカシア 16.白バラ 17.キンモクセイ
18.柑橘類の花 19.菩提樹
20.ミント 21.アニス 22.ヴェルヴェーヌ 23.ハーブ 24.タイム
25.ヘーゼル・ナッツ 26.フレッシュ・アーモンド
香りの特徴を果実、花、植物に例えて評価します
選択肢がたくさんあり、ワインによって選択数も変わるため注意が必要です
次の4つのカテゴリーに分けて整理して考えるようにしています
果物(1.柑橘類 2.青リンゴ 3.リンゴ 4.洋梨 5.花梨 6.白桃 7.アプリコット 8.パイナップル 9.マスカット 10.パッションフルーツ 11.バナナ 12.マンゴー 13.ライチ)
果物は(正答の割合が高くなるため)必ず2つ以上選び、上記の通り冷涼産地→温暖産地の順に並べて、基本バラバラに選ぶのではなく、連続して選ぶようにします
最も該当する果物を選んで、その前後(あるいはどちらか1つ)を選ぶと2~3選択できます
代表品種の果物のイメージは、だいたい以下の通りです(ワインによって異なります)
・シャルドネ(リンゴ、洋ナシ、花梨、白桃)
・リースリング(柑橘類、青リンゴ、リンゴ、洋梨)
・ソーヴィニヨンブラン(柑橘類、青リンゴ、リンゴ、洋梨、パイナップル、パッションフルーツ、バナナ)
・甲州(柑橘類、青リンゴ、リンゴ、洋梨)
・ミュスカデ(マスカット)
・ヴィオニエ(白桃、アプリコット、ライチ)
・ゲヴェルツトラミネール(洋梨、花梨、白桃、アプリコット、ライチ)
・トロンテス(マスカット、ライチ、バナナ)
ただし、品種特徴的に感じる香りを感じた場合は、連続していなくても選択するようにする
例)ソーヴィニヨンブランのパイナップル、パッションフルーツ
花・植物(14.スイカズラ 15.アカシア 16.白バラ 17.キンモクセイ 18.柑橘類の花 19.菩提樹)
植物は少なくとも1つ選ぶようにします。余裕があれば2つ選んでもよい
ニュートラル/アロマティックか、冷涼産地/温暖産地かで分けて考えるとわかりやすいです
✅ニュートラル品種~アロマティック品種や冷涼産地:柑橘類の花、菩提樹、スイカズラ、アカシア
✅よりエレガントなアロマティック品種や温暖産地:白バラ、キンモクセイ
ニュートラル品種~アロマティック品種では、基本『スイカズラ』におき、果実の香りで柑橘類を感じたら『柑橘類の花』、香りのボリューム感が弱ければ『菩提樹』、より甘いニュアンスを感じたら『アカシア』を選択します
●柑橘類の花:白い小さな花が多く、爽やかな花の香り。果実の香りで柑橘類を感じる場合
●菩提樹:クリーム色の小さい花でリースリング、ミュスカデなどに特徴的な香り
●スイカズラ:白い花で、かすかな花の香り。白ワインの花の香りで基本となる選択肢
●アカシア:黄色い小さい花で、甘い花の香り
エレガントなアロマティック系の品種の場合は、以下の様な目安で考えるようにします
●白バラ:エレガントなアロマティック品種(特にゲヴェルツトラミネール、ヴィオニエ、トロンテスなど)
●キンモクセイ:温暖産地の、華やかなワイン(ヴィオニエ、シュナンブラン、ソーヴィニヨンなど)
ナッツ(25.ヘーゼル・ナッツ 26.フレッシュ・アーモンド)
ナッツ類は上記2つになりますが、全く異なる特徴があるので注意が必要です
●ヘーゼルナッツ:樽香を感じる熟成したワインやMLFしたワイン
●フレッシュ・アーモンド:若い青草の様なワインでニュートラルな品種のワインやシュール・リーしているワインで選択されます(シャルドネ、甲州、ミュスカデなど)
もし、フレッシュ・アーモンドではなく、『アーモンド』が選択肢にあったら、こちらは樽香を感じるワインに選択しましょう。ヘーゼルナッツとの違いは樽香の強さです。しっかり感じたらアーモンドを、ほのかに感じたらヘーゼルナッツを選択するようにしています
その他芳香(20.ミント 21.アニス 22.ヴェルヴェーヌ 23.ハーブ 24.タイム)
その他芳香については、これらのアロマを感じた場合に選ぶようにします
それぞれの芳香の特徴、該当する主なブドウ品種は以下のようにまとめていますが、出題されるワインによるため、素直にその香りがとれたら選択するようにします(逆に該当品種だと思っても、その香りがとれなければ選択しない)
●バナナ:シュールリーを感じた場合。甲州、ミュスカデなど
●ミント:清涼感のあるスーッとした感じ。ソーヴィニヨンブラン@NWなど
●アニス:少し甘みのあるスパイス(八角)の香り。ミュスカデ、トロンテス、ゲヴェルツトラミネール、ソーヴィニヨンブランなど
●ヴェルヴェーヌ:清涼感のあるグリーンの香りで、ハーブより洗練された感じ。ソーヴィニヨンブランなど
●ハーブ:はっきりとした青っぽさ、みずみずしい草木、すっきりした清涼感。ソーヴィニヨンブランなど
●タイム:乾燥した、少しほろ苦い、薬草のような独特の風味。ソーヴィニヨンブランなど
特徴:香辛料・芳香・化学物質(2~4つ選択 ※出題アイテムによって異なる)
1.石灰 2.火打石 3.貝殻 4.鉱物 5.海の香り
6.パン・ドゥ・ミ 7.トースト 8.ジンジャーブレッド 9.煙・燻製
10.ヴァニラ 11.シナモン 12.白胡椒 13.コリアンダーシード 14.丁子
15.香木 16.蜂蜜 17.花の蜜 18.乳製品 19.硫黄 20.麝香
21.ぺトロール(ケロセン) 22.ワックス 23.蜜蝋 24.フェノール
香りの特徴を香辛料・芳香・化学物質に例えて評価します
ここも選択肢がたくさんあり、ワインによって選択数も変わるため注意が必要です
次の4つのカテゴリーに分けて整理しています
鉱物類(1.石灰 2.火打石 3.貝殻 4.鉱物)
鉱物類は白ワインで選択されることが多く、できれば1つ選択するようにします(エレガントなアロマティック品種では無理に選ばなくてもよい)
それぞれの選択判断はミネラル感の内容で以下のように区別します
●石灰:乾いた白っぽい質感、硬質でピュアな酸味、削ったチョークの香りで、オールドワールドのミネラル感のあるワインをイメージ(シャルドネ@シャブリ、ソーヴィニヨン@ロワール、リースリングなど)
●火打石:煙、硝煙(鉄砲の煙)、マッチを擦った後のような微かな硫黄感で還元的な要素で感じる。石灰+スモーキー=火打石(リースリング、ソーヴィニヨン@ロワールなど)
●貝殻:海のニュアンスを含んだ、塩気や潮風を連想させるミネラル感で牡蠣の殻のニュアンス。石灰よりも軽いミネラル感。シュールリーを特徴としたワインに感じられることが多い(甲州、ミュスカデ、シャルドネ@ブルゴーニュなど)
●鉱物:重厚な石のニュアンスで、石灰の白っぽいイメージよりもう少しグレーの石や岩っぽい感じ。ミネラル感を明らかに感じで、石灰か鉱物か迷った場合は、石灰の方を選ぶ(リースリングなど)
火打石は華やかなアロマティック品種の場合は選択しない。セミアロマティックな品種・ワインであれば正答になることもあります
食べ物系(6.パン・ドゥ・ミ 7.トースト 8.ジンジャーブレッド 10.ヴァニラ 16.蜂蜜 17.花の蜜 18.乳製品)
食べ物系は「醸造工程(第2アロマ)」や「樽熟成・ボトル熟成(第3アロマ)」によってもたらされることが多い香りです
●パン・ドゥ・ミ:食パンの白い部分の香りで、イースト香。特にシュール・リーされていると感じたら選択します(甲州、ミュスカデ、シャルドネなど)
●トースト:香ばしくドライな焼き菓子の香りで、樽香からくる香り。または、滓との接触でも感じるため、シュール・リーではパン・ドゥ・ミとセットで選択されることが多い(甲州、ミュスカデ、樽熟シャルドネなど)
●ジンジャーブレッド:生姜やシナモン、クローブなどのスパイスと、蜂蜜を混ぜて焼き上げた、甘く複雑でエキゾチックな焼き菓子の香り。どちらかというと高級なワイン(樽の効いた熟成されたワイン)で感じるため、試験では出題されない可能性が高いと思います
●ヴァニラ:甘く華やかな香りで、オーク樽(新樽)で感じる香り。アメリカンオークだとより顕著に感じることができます(シャルドネ@カリフォルニアなど)
●蜂蜜:濃厚でコクのある甘みと、わずかな野性味(動物的なコク)を伴う香り。貴腐ワインなど(リースリング、セミヨンなど)
●花の蜜:アカシアやスイカズラなどの白い花から吸うような、みずみずしく、サラリとした上品な甘い香り。試験では蜜の香りを感じたら、『蜂蜜』より『花の蜜』を選択する方が無難(リースリング、シュナンブラン、トロンテスなど)
●乳製品:バター、生クリーム、ヨーグルト、カルピスのような、まろやかでコクのある乳酸系の香り。MLFから感じる香り(樽を効かせたシャルドネなど)
香辛料・芳香類(11.シナモン 12.白胡椒 13.コリアンダーシード 14.丁子 )
香辛料・芳香類は、その香りが感じ取れたら選択します
品種特有の香りが多いため、オープンテイスティングでしっかりと香りの特徴を理解しておくと良い
香りの特徴と該当品種は、大体以下のように把握しています
●シナモン:甘香ばしい香りで、木樽のトーストや過熟したブドウから得られることがあり(樽熟したシャルドネ)
●白胡椒:ツンと鼻に抜ける清涼感や少しウッディな感じ(シャルドネ、リースリング、グリューナーヴェルトリーナー、ゲヴェルツトラミネール、アルバリーニョなど)
●コリアンダーシード:柑橘の皮の様なエキゾチックな香り(リースリング、ソーヴィニヨン、ゲヴェルツトラミネールなど)
●丁子(クローブ):甘苦く複雑でウッディな感じ(甲州で特徴的な香り、ソーヴィニヨン)
芳香類(5.海の香り 9.煙・燻製 15.香木 19.硫黄 20.麝香 21.ぺトロール 22.ワックス 23.蜜蝋 24.フェノール)
化学物質は積極的に選択する必要はなく、その香りが取れたら選びます
●海の香り:これまで『ヨード』でしたが、『海の香り』となりました。潮風や海藻、牡蠣の殻をむいたときのような、磯の香。必ずしも海沿いの産地で感じるというわけではなく、内陸の産地のワインでも感じることがあり。また、鉱物類の『貝殻』とセットになることも多い(シャルドネ@ブルゴーニュ、アルバリーニョなど)
●煙・燻製:香ばしく少しドライなスモーキーさ(ソーヴィニヨン@ロワール、樽を使ったシャルドネ)
●香木:白檀(びゃくだん)のような、お香を思わせる香り(リースリング、ソーヴィニヨン、ヴィオニエなど)
●硫黄:マッチを擦った時に感じる香りで、フレッシュな(還元的な)白ワインに感じることあり(シャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨンなど)
●麝香(じゃこう):香水によく使われるムスクで、官能的で動物的な、甘く妖艶な香り。マスカット系のブドウで感じる(ソーヴィニヨン、ミュスカなど)
●ぺトロール:灯油やゴムのアヒルのおもちゃやテニスボール缶で感じる、独特のオイルっぽい鉱物香。リースリングの特徴香としてよく知られるが、ぺトロール=リースリングとしない方が良い。その他の品種でも感じることあり(リースリング、シュナンブラン、ピノグリなど)
●ワックス:固形石鹸や家具のツヤ出しワックスのようなオイル感(リースリング、セミヨン、シュナンブランなど)
●蜜蝋(みつろう):蜂蜜を絞った後のハニカム(巣)のような特有のまったりとしたコクを感じる香り。貴腐ワインなど(セミヨン、シュナンブランなど)
●フェノール:アフターに感じる苦味を伴った硬質な香り(甲州など)
香りの印象(2つ選択)
1.若々しい 第1
2.嫌気的な 第2
3.熟成感が現れている 第2
4.酸化熟成の段階にある NG
5.酸化している NG
6.第1アロマが強い 第1
7.第2アロマが強い 第2
8.ニュートラル 第1
9.木樽からのニュアンス 第2
10.発展的な レア
11.複雑性のある レア
香りの全体的な印象を、主体となっているアロマ(第1、第2、第3)、品種の個性、熟成の有無、熟成容器(木樽)、熟成の段階などについて分析する
次の3つのポイントから強く感じたものを2つ選択します((1)と(2)から1つずつ選択が基本)
1)ワインの熟成度合い:『若々しい』、『熟成感が現れている』
●若々しい:特段、熟成感を感じなければ選択
●熟成感が現れている:熟成感がある程度強ければ選択
2)ワインの香り:『ニュートラル』、『第1アロマが強い』、『第2アロマが強い』、『木樽からのニュアンス』
ワインの香りを4つから最も適当なものを1つ選択する。ニュートラルかアロマティックかを判断して『ニュートラル』または『第1アロマが強い』から選択するのが基本です
●ニュートラル:ニュートラル品種で樽なしの場合
●第1アロマが強い:アロマティック品種の場合
●第2アロマが強い:MLFを強く感じるワインの場合、ヨーグルトみたいな酸を強く感じる場合
●木樽からのニュアンス:樽香を感じる場合
3)ワインの香りの状態:『嫌気的な』『発展的な』『複雑性のある』
上記2項目から選べない場合や明らかな特徴を感じた場合に選択する
●嫌気的な:香りの項目で、火打石、硫黄、煙・燻製など嫌気的な要素を多く感じた場合
●発展的な:熟成がしっかり進んできているワイン。熟成感が現れているより発展的な熟成段階
●複雑性のある:香りの項目で、非常に多くの種類の香りを感じた場合
次の基本的事項は頭に入れておきましょう
・第1アロマはすべてのワインで感じる
・樽の効いたワインはニュートラル品種が多い
味わい
アタック(1つ選択)
1.軽い 第2
2.やや軽い 第1
3.やや強い 第2
4.強い レア
5.インパクトのある NG
口に含んだ時の第一印象を表します
アタックはアルコールのボリューム感(アルコール度数)に比例するため、以下を目安として選択するようにします
●軽い:11.0~11.9%
●やや軽い:12.0~12.9%
●やや強い:13.0~13.9%
●強い:14.0%以上
白ワインで『インパクトのある』は出題されないと思います
『軽い』や『強い』も正答となることがありますが、明らかに軽い/強いと感じた場合以外は、テクニカルに『やや軽い』、『やや強い』から選ぶとよいでしょう
複数(幅で)正答になるパターンも多いため
甘み(1つ選択)
1.ドライ 第1
2.ソフトな 第1
3.まろやか 第2
4.豊かな レア
5.残糖がある レア
ワインの甘辛度を判断します
甘みはアルコールのボリューム感(アルコール度数)も含んだ甘みとなります
基本、次の3つの中から選びます
●ドライ:残糖をほとんど感じない、すっきりとした辛口(シャルドネ、ソーヴィニヨンなど)
●ソフトな:糖分がわずかに残っているか、または酸味が穏やかで口当たりが優しいワイン(ミュスカデ、甲州など)
●まろやか:高いアルコール度数やブドウの熟成感によって、ワイン全体がトロリと丸みを帯びている状態(樽の効いたシャルドネ)
非常にリッチなワインの場合は『豊かな』、砂糖の甘みを感じる場合は『残糖がある』になりますが、試験としては出題されないと思います
酸味(1つ選択)
1.爽やかな 第1
2.軽やかな 第1
3.直線的 第2
4.堅固な レア
5.なめらかな 第2
6.はつらつとした 第1
7.力強い NG
ワインの個性を表す重要な要素で、ブドウ品種、産地気候条件などと関連があります
酸味は『爽やかな』を中心において、相対的に酸が低ければ『軽やかな』、酸が強ければ『はつらつとした』または『直線的』から選ぶようにします
これら酸度の強さは以下の順で強くなると考えています
軽やかな(低)<爽やかな(中)<はつらつとした(強・短い)<直線的(強・長い)
●爽やかな:酸味の基本となり、酸味を程よく感じるシャルドネをイメージしています
酸味は幅正答が多いため、上記4つで迷ったら『爽やかな』を選択するようにしています
●軽やかな:基本の爽やかなより軽い酸味の場合(甲州など)
●はつらつとした:基本の爽やかなより強い酸味の場合で、酸は強いが持続性はなく、はじけるような溌溂とした感じ(ソーヴィニヨン)
●直線的な:基本の爽やかなより強い酸味の場合で、酸が強く持続性もあり、直線的に長く続く感じ(リースリング)
その他、
●なめらかな:MLFを強く感じ、酸味の角がとれているワイン(【香りの印象】のパートでMLFからくる第2アロマを強く感じたら、本項目も整合するようにします)や、エレガントなアロマティック品種(ヴィオニエ、トロンテスなど)で選択します。
おそらく試験当日に最初にテイスティングするのは白ワインになると思います。朝一番のテイスティングは酸味が強く感じられるため、練習の時から朝のテイスティングを取り入れて、慣れておくとよいでしょう
苦味(1つ選択)
1.控えめ 第1
2.穏やかな 第1
3.コク(深み)を与える 第2
4.旨味をともなった 第2
5.強い(突出した) レア
ブドウ品種、アミノ酸類、フェノール類に由来する苦味を判断します。旨味や塩味を伴って感じることもあります
苦味は基本、苦味の有無で以下の2つにチェックするのが基本となります
●穏やかな:苦味のを感じる場合(どちらか迷う場合は、こちらをチェック)
●控えめ:苦味をほとんど感じない場合
苦味の質が以下に該当する場合は、それぞれ適当な方をチェックします
●旨味をともなった:シュール・リーしているワイン(スピッティング後に口中に出汁っぽいテイストを感じるとき)
●コクを与える:木樽熟成したワイン(木樽由来の渋みや苦味)
『強い(突出した)』も強い苦味を感じる場合(甲州など)で正答になる場合がありますが、その場合でも他の選択肢も複数正答になるため、あえて選択しなくてもよいと思っています
バランス(1つ選択)
1.スリムな 第1
2.スムーズな 第2
3.コンパクトな 第2
4.ドライな 第1
5.まろやかな 第2
6.ねっとりした レア
7.ジューシーな 第2
8.豊潤な 第2
9.厚みのある 第2
10.抑制された 第2
ワイン全体のバランス(酸味とアルコール/甘味のバランス)を判断します
まず評価するワインバランスをざっくり次の3つのどのタイプになるかを考えます
その後、最も該当する選択肢を選びます
試験に出題される白ワインの多くは(1)軽快なワインが多い印象です
1)軽快なワイン(酸が通っていて、アルコールは中程度以下)
●ドライな:果実の香りが柑橘類、青リンゴ系で、甘みをほとんど感じない場合(辛口リースリング)
●スリムな:酸味、果実味、ボリューム感など全体的に線が細い感じ(旧世界のシャルドネやソーヴィニヨンなど)
●コンパクトな:酸味、果実味、ボリューム感など全体的なスケールが小さくまとまっていると感じる場合(甲州など)
●抑制された:果実味やアルコール感がうまく抑制された、酸味やミネラルによって品良くコントロールされた上品な状態で上質な白ワインと感じる場合(ネガティブな印象ではなく、エレガントな表現です)
『スリムな』と『コンパクトな』は同じように感じますが、『スリムな』は細い感じ(人でいうと痩せている人)で、『コンパクトな』は小さい感じ(人でいうと小柄な人)です
2)スルスル系ワイン(引っ掛かりがなく(1)のワインより果実味が強く、全体的に甘み・酸味・アルコールのバランスが取れているワイン)
●スムーズな:酸味や苦味の突出がなく、非常にバランスが良い優等生的なワイン(新世界のソーヴィニヨンなど)
●まろやかな:酸味の角が取れており、アルコールやかすかな甘みに全体が包まれている状態(熟成感のあるシャルドネ、ピノグリなど)
3)ボリューム&リッチ系ワイン(果実からくる甘味やアルコールのボリューム感、樽熟感のあるワイン)
●ジューシーな:用語の通り、もぎたての完熟果実の果汁が口いっぱいに広がるようなワイン(新世界の温暖地域のワイン)
●豊潤な:豊かな果実味、アルコール、そして樽熟成の複雑味が調和した高級なワイン
●厚みのある:アルコール度数が高く、果実の凝縮度が強く、しっかりとしたボディをもつワイン
●ねっとりとした:熟度の高いブドウ(貴腐ブドウなど)に由来するグリセリン分が非常に多く、粘性が高く蜜のような質感を持ったワイン
アルコール(1つ選択)
1.10.9%以下 レア
2.11.0~11.9% 第2
3.12.0~12.9% 第1
4.13.0~13.9% 第2
5.14.0%以上 レア
アルコールのボリューム感を評価します
アルコール度数は常日頃からワインを飲むたびに確認するようにしています
そうすることで、正解の精度を高めることができます
アルコールの評価は具体的な数値評価となったため、分かりやすくなりました
試験に出題される白ワインは、『12.0~12.9%』に該当するものが多い印象です
他の評価項目でアルコール度数と関連の高い項目はアルコール度数と整合した回答となっているか確認しましょう
粘性、アタック、甘味、バランスの項目など
余韻(1つ選択)
1.短い 第2
2.やや短い 第1
3.やや長い 第1
4.長い 第2
飲み込んだ後(口から吐き出した後)の余韻の長さを評価します
基本は『やや短い』と『やや長い』から選択するようにします
どちらも正答になるパターンが多い印象ですが、以下目安です
●やや短い:バランスの項で『コンパクトな』を選択した場合やアルコール度が低い場合
●やや長い:『やや短い』に該当しない場合
余韻の確認のため、最後に一口飲んでも良いと思います
基本的に酸の強い方が余韻として持続すると思っています
明らかに短い(または長い)場合は『短い』(または『長い』)を選択しても良いと思いますが、正答に幅があるため、連続性のある選択肢の場合、端より1つ内側の選択肢を選ぶ方が良いと考えます
評価など
評価(1つ選択)
1.シンプル、フレッシュ感を楽しむ 第1
2.成熟度が高く、豊かな 第2
3.濃縮し、力強い レア
4.エレガントで、ミネラリー 第2
5.滑らかで、バランスが良い 第2
6.ポテンシャルがある レア
課題ワインを一言で表現します
基本以下の4つから選びますが、味わいの【バランス】の項目ともある程度連動して考えると選択しやすいと思います
1)味わいの【バランス】が、『スリム』『ドライ』『スムーズ』『コンパクト』系
●シンプル、フレッシュ感を楽しむ:早飲みタイプのワインや、ブドウ本来のみずみずしさを前面に出したワインで、多くのワインが該当します。迷ったらこちらを選択
●エレガントで、ミネラリー:冷涼産地でしっかりした酸とミネラル感のあるワイン(リースリング、シャルドネ@ブルゴーニュ、ソーヴィニヨン@ロワールなど)
2)味わいの【バランス】が、『まろやか』『ジューシー』『豊潤』『厚みのある』系
●成熟度が高く、豊かな:温暖産地の完熟ブドウや、樽熟成(マロラクティック発酵)を施した、ボリュームのあるワイン(樽の効いたシャルドネ・ヴィオニエ@カリフォルニア・オーストラリア)
●滑らかで、バランスが良い:酸味、果実味、アルコール、テクスチャー(質感)のすべての要素が突出せず、丸くきれいに調和しているワイン
試験に出題される白ワインは『濃縮し、力強い』と『ポテンシャルがある』はほとんど選ばれることはない印象です
適正温度(1つ選択)
1.8度未満 第1
2.8-10度 第1
3.11-14度 第2
4.15-18度 NG
5.19度以上 NG
ワインの最も適切な供出温度を評価します
1つ前の【評価】の項目の選択と連動すると考えやすいです
●8度未満:前項目で『シンプル、フレッシュ感を楽しむ』を選んだ場合
●8-10度:前項目で『エレガントで、ミネラリー』『滑らかで、バランスが良い』を選んだ場合
●11-14度:前項目で『成熟度が高く、豊かな』を選んで、樽の効いたシャルドネやアロマティック品種(ヴィオニエなど)のワインの場合(迷う場合は8-10度を選択する)
この項目は次のグラスとも連動しますので併せて整合するようにします
グラス(2つ選択)
1.小ぶり 第1
2.中庸 第2
3.大ぶり NG
4.バルーン型 第1
5.チューリップ型 第1
ワインの最も適切な供出グラスを評価します
これまではグラスの大きさだけでしたが、2025年度よりグラスの形も選択するようになりました
試験に出題される白ワインの場合、『大ぶり』は出題されないと考えると、
組み合わせは2(小ぶり、中庸)×2(バルーン、チューリップ)の4通りとなります
●小ぶり×バルーン型:香りがはっきりしたミネラル感のあるワイン(シャルドネなど)
●小ぶり×チューリップ型:シンプルでフレッシュ感を楽しむ早飲みタイプのワイン(白ワインの多く)
●中庸×バルーン型:樽熟成した高級シャルドネなどの熟成したワイン、華やかなアロマティック品種のワイン(ゲヴェルツトラミネール、ヴィオニエなど)
●中庸×チューリップ型:高品質なボルドーの白、グラン・クリュ級のリースリング、アルザスのゲヴュルツトラミネールなど
ポイントとしては前項の【適正温度】で
・『8度以下』、『8-10度』を選択した場合は、『小ぶり』
・『11-14度』を選択した場合や樽香のしっかりしたワインは、『中庸』を選ぶようにしています
収穫年(1つ選択)
1.2020 2.2021 3.2022 4.2023 5.2024
ワインのヴィンテージを評価します
収穫年は、大体受講年の1~2年前の正答が多いようです
熟成感のあるワインと感じた場合は、3~5年前を目安に選択しましょう
生産地(1つ選択)
1.アメリカ 2.アルゼンチン 3.イタリア 4.オーストラリア 5.スペイン
6.チリ 7.ドイツ 8.日本 9.ニュージーランド 10.フランス
ワインの生産地を評価します
この項目は、次のブドウ品種と連動して毎年入れ替わります
上記ボックスの10か国は2025年評価シートの選択肢ですが、その他に
オーストリア(グリューナーフェルトリーナー)、南アフリカ(シュナンブラン)、ポルトガル(アルバリーニョ)などもフォローしておくようにします
生産地はブドウ品種と連動するパターンが多いので、確認するようにしましょう
主なブドウ品種(1つ選択)
1.アリゴテ 2.ゲヴェルツトラミネール 3.甲州 4.シャルドネ
5.グリューナーフェルトリーナー 6.ソーヴィニヨンブラン 7.ピノグリ
8.トロンテス 9.ミュスカデ 10.リースリング
ワインのブドウ品種を評価します
主なブドウ品種は、毎年入れ替わります
上記ボックスの10品種は2025年評価シートの選択肢ですが、その他出題の可能性のある品種として
ヴィオニエ、シュナンブラン、アルバリーニョなどもフォローしておくようにします
また、出題ワインは必ず単一品種というわけではなく、ブレンドワインも出題されますので、そういうワインも練習しておくようにしましょう(ただし、メイン品種が85%以上のものがよい)
冒頭にも記載しましたが、ブドウ品種の予想から入るのは危険な(大外しをする可能性がある)ので、評価シートの順番にワインを評価し、最後にチェックしたすべての評価が最も整合するブドウ品種を選ぶようにすると良いと思います。ただし、ブドウ品種に強い確証がある場合は、そのブドウ品種で選択されることの選択肢を微調整しても良いかもしれません
付録)ブドウ品種ごとの特徴
最後に代表的なブドウ品種ごとの特徴をまとめました
これらはあくまでも参考であって、出題されるワインによって該当しないこともあるので、試験当日はブドウ品種から入るのではなく、ワインに向き合って感じた通りに評価するようにします
シャルドネ
✅果実はリンゴ~白桃(新世界はアプリコット、パイナップルもあり)
✅樽の入っていることが多い(パンドゥミ、トースト、ヴァニラ、煙・燻製、乳製品など)
✅旧世界はミネラル感あり(火打石、石灰)
✅花はスイカズラ、アカシアのパターン多い
✅新世界はバター感強い
ソーヴィニヨン・ブラン
✅果実は柑橘類~洋ナシ(特徴香としてパッションフルーツ)
✅冷涼産地:コリアンダーシード、ミント、アニス、ヴェルヴェーヌ
✅温暖産地:パッションフルーツ、麝香
✅余韻にほろ苦い感じが残る
✅石灰、火打石
リースリング
✅果実は柑橘類~洋ナシ
✅ぺトロール香が特徴だが、感じないパターンもあり(セミヨンでもぺトロール感じる)
✅オフドライ(やや甘)の場合はドイツが多い
✅菩提樹、スイカズラ
✅香木、コリアンダーシード、花の蜜
✅旧世界:貝殻、石灰 新世界:貝殻
✅アタックは強めで、余韻が長い
甲州
✅柑橘類~洋ナシ
✅色調は透明~オレンジ
✅アルコール度低め
✅シュールリーしていることが多い(フレッシュアーモンド、パンドゥミ、トースト)
✅丁子が特徴香(ミュスカデとの区別)
✅貝殻、スイカズラが多い
✅第2アロマが強い
✅味わいのバランスはコンパクト
その他アロマティック品種
✅ライチ香はゲヴェルツとトロンテスに感じるが、トロンテスはマスカット感強い
✅アフターに苦味が残るとゲヴェルツ、ヨーグルト感が残るとヴィオニエ
さいごに
練習のポイント
✅テイスティングの練習の時間帯は、本番と同じ時間帯でも経験するようにしましょう。一日の体調変化で味覚・嗅覚は感度が異なります
✅可能ならINAO認定テイスティンググラスを2脚ほど購入し、本番と同じ条件で外観・香りなどをとるようにしましょう。色調の見え方や、香りの強弱などグラスによってだいぶ異なります
✅普段の練習からマークシートに記入して、マークシートに慣れておきましょう。本番は回答をマークシートに記載する方式です。コメントシートに直接チェックをするやり方に慣れてしまうと、本番焦ります。普段から、各項目で指定されたチェック数を時間内に間違いなくチェックできるようにしましょう
✅メタ読みや山はりはせず、目の前のワインに向き合って適切なテイスティングコメントが残せるように練習しましょう。ただし、当日頭が真っ白になった場合や、時間が無くなってしまった場合に備えて、コメントの基本形を押さえておくのも対策としては必要かと思います
✅その他のお酒を最初からあきらめる方がいらっしゃいますが、頻出アイテムの色調、アルコール度数、味わいのポイントだけでも整理しておくと正答できる可能性がありますので頑張りましょう
本番のポイント
✅普段(練習時)と同じように過ごして本番を迎えましょう。その日だけ朝ご飯を抜いたり、いつもやることをやらない状態(あるいは特別なことをやる状態)で本番を迎えると味覚・嗅覚の感じ方が異なってしまうので注意しましょう。よく本番直前に持参した白ワインでうがいする人がいますが、本番だけやるのは避けましょう(やるなら普段からルーティーンとしてやりましょう)
✅本番はホテルの宴会場が会場になっていることが多いため、天井が高く若干薄暗く感じることがあります。普段、蛍光灯の下で練習をしていると、外観のとらえ方が異なりますので注意しましょう
✅テイスティング用語シートは毎年ヴァージョンアップされます。見たことのない用語が記載されていたり、鉄板用語がなかったりすることもあるので、必ず開始と同時に用語全体をざっと確認するようにしましょう。新しい用語があっても、旧用語と意味が似通っている場合は同じものとして考え、全く異なる用語であれば無理して選択しなくても大丈夫なので、他の部分でしっかり加点できるように焦らず取り組みましょう
✅各アイテムごとにマークシート記入数が異なることがあります(香りのアイテム)。必ず解答マークシート用紙に記載されている各項目の回答数を確認し、その数だけチェックするようにしましょう。最後にチェック漏れや過チェックがないか、すべて見返す時間も3分ほど残しておくと良いでしょう
✅本番は、白ワイン→赤ワイン→その他のお酒の順でテイスティング・解答し、最後にマークシートの記載漏れなどをチェックしてそのまま終了しましょう。全部終わった後に時間が余っても、再度白ワインから確認のためテイスティングするのは止めた方が良いです。香り・味わいは最初と全然異なります
これまで取り組んできたことを信じて、体調に気を付けて本番を迎えてください!


本ブログに記載のあるテイスティング用語は、2025年度J.S.A.呼称試験の用語選択シートを元に記載しております