【ソムリエ/ワインエキスパート試験】二次試験:白ワインテイスティング

はじめに

このブログ記事は、筆者がソムリエ/ワインエキスパート二次試験(ワインテイスティング)を勉強した経験をもとに、そのポイントをまとめたものです。

テイスティングは個人個人の感じ方や嗜好(好み)による違いもあるため、必ずこうですという正解もない世界だと思います。そのため、本ブログの記載内容はあくまでも個人の経験に基づく見解(試験対策上のポイント)となりますことをあらかじめご承知の上、ご参考ください。

二次試験用テイスティングの基本

試験では外観→香り→味わいと1回通して行ってから、マークシートの記入を行うようにしています

向き合ったワインの大枠を把握してから記入することで一貫性のある解答をすることができ、また時間の節約(特に香りの評価を先に記入した後に味わいを評価すると、香りの評価を振り返って修正したくなることが多い)にもなると考えます

用語解説

✅小項目のカッコ内の数字は選択数を示しています(香りの特徴の項目は、課題ワイン毎に選択数が変わりますので、ご注意ください)

✅CHECKボックス内の選択肢は2023年度のJ.S.A.呼称資格試験のテイスティング用語選択用紙を参考にしています(選択用語は毎年少しずつ変わっているため、試験本番で初登場する用語もあります)

✅選択肢の右横のガイドは以下の基準でガイドしています(あくまでも経験則です)

第1 よく選ばれる選択肢(第一候補として選択する。また、迷ったらこの中から選択する)
第2 時々選ばれる選択肢(第二候補として、ある程度手がかりがあれば選択する)
レア ほとんど選ばれない選択肢(強い確証があるときのみ選択する)
NG まず選ばれることのない選択肢(試験では選択しない)

✅鉛筆マークのボックスには、具体例や注意点などを示しています

テイスティング用語選択のポイント

外観

清澄度(1)

1.澄んだ 第1

2.やや濁った レア

3.濁った NG

ワインの透明度を確認します。清澄度はワインの健全度を表し、健全なワインほど澄んだ外観となります

基本、外観に違和感なければ『澄んだ』を選択する

無清澄、無濾過のワイン(ナチュール系のワインなど)は濁っている場合がありますが、二次試験には出題されないと考えます

輝き(1)

1.輝きのある 第1

2.落ち着いた 第2

3.モヤがかかった NG

ワインの「照り」「つや」を確認します。輝きは酸度と関係があり、酸度の高いワインほど輝きのあるワインとなります

通常は『輝きのある』を選択するようにしていましたが、熟成が感じられるワインなどは『落ち着いた』を選択することもあります

試験会場はホテルの宴会場のことが多く、照明も蛍光灯などの明るさより暗いことがありますので、そういった場所(電球色のリビングや、バーなど)でも練習しておくと良いでしょう

色調(2)

1.グリーンがかった 第1

2.レモンイエロー 第1

3.イエロー 第1

4.黄金色がかった 第2

5.黄金色 第2

6.トパーズ NG

7.アンバー(琥珀色) NG

色調はワインの若さ(熟成度)と関係し、若いワインほどグリーンの要素が強くなります

色調は次の2つ選択肢を選ぶようにしています。まず色調の程度を選び、次に実際の色を選びます

1)色調の程度:『グリーンがかった』、『黄金色がかった』

2)実際の色:『レモンイエロー』、『イエロー』、『黄金色』

基本は『グリーンがかった』→『レモンイエロー』/『イエロー』のパターンとなりますが、
樽の効いたシャルドネなどは、『黄金色がかった』→『イエロー』/『黄金色』となります

『トパーズ』は明るめのアンバー色のこと(オレンジ色に近い)です。『アンバー』とともに、出題されることはないと考えています(価格や数量の問題で出題数分のワインを確保するのが難しいと思われます)

濃淡(1)

1.無色に近い 第1

2.淡い 第1

3.やや濃い 第1

4.濃い 第2

5.非常に濃い NG

ブドウの成熟度合い、抽出度合い、ワインの濃縮感を推測できます

濃淡はワイン産地の気候と関係があることがあります。冷涼な産地のワインは淡い色調、温暖な産地のワインは濃い色調となることが多いです。ただし、醸造法などの違いで濃淡に違いが出ることもありますので、注意が必要です

基本は『淡い』とし、それぞれ以下のように判断しています

無色に近い』:甲州ミュスカデトロンテスソーヴィニヨン(NZ、チリ)、リースリング(豪)などに多く見られます
淡い』:旧世界や冷涼産地のワインに多く見られます
やや濃い』~『濃い』:新世界や温暖産地のワインに多く見られます

基本は『淡い』で考えるようにしています

『非常に濃い』はほとんど出題されないと考えてます。もし、非常に濃い色調と感じても、試験的には『濃い』を選択しておいてよいと思います(正解には幅があることが多々あるためテクニカルに『濃い』を選択した方が無難)

粘性(1)

1.さらっとした 第1

2.やや軽い 第1

3.やや強い 第1

4.強い 第2

グラスの壁面をつたう滴の状態を判断します。粘性はアルコール度の高さや、甘辛度ど関係があります

軽くスワリングをした後に、壁面をつたう滴がサラッとしているか、トロっとしているかを見るようにします。アルコール度が低いほど、辛口ほど粘性は低く、アルコールが高いほど、甘口ほど粘性は高くなるので、味わいの項目のアタック、ボリュームと整合するように確認しています

ただし、当日のグラスの状態(洗い方や新しいか古いかなど)にも影響を受けることがあるので、基本は『やや軽い』とし、味わいの項の【甘み】、【アルコール】とも整合するようにします

『さらっとした』、『やや軽い』は、冷涼産地のリースリング、ソーヴィニヨンブラン、甲州など、『やや強い』、『強い』はボリューム感のあるシャルドネなどで選択されます

外観の印象(2)

1.若々しい 第1

2.軽快な 第1

3.成熟度が高い 第1

4.濃縮感がある 第1

5.やや熟成した 第1

6.熟成した 第1

7.酸化熟成のニュアンス レア

8.酸化が進んだ NG

9.完全に酸化している NG

ブドウの成熟度や凝縮感、ワインの熟成度合いなどを推測します

通常2つの選択肢を選ぶことになります。その際に1つはワインの熟成度合いを評価し、1つはワインの凝縮感やブドウの成熟度を評価するようにします

ワインの熟成度:『若々しい』『やや熟成した』『熟成した

ワインの凝縮感、ブドウの成熟度:『軽快な』『成熟度が高い』『濃縮感がある

基本は『若々しい』、『軽快な』とし、熟成度や凝縮感をより感じたら、それに応じて選択肢を選ぶようにしています

『酸化』を含んだ選択肢は試験には出題されないと思っています

『熟成度』と『成熟度』は、ワインに対しては『熟成度』、ブドウに対しては『成熟度』と用語を区別して理解しましょう

香り

第一印象(2)

1.閉じている レア

2.控えめ 第1

3.開いている 第1

4.チャーミングな 第1

5.強い 第2

6.華やかな 第1

7.凝縮感がある 第2

8.深みのある レア

9.複雑な レア

香りをとった時の第一印象を評価します

通常2つの選択肢を選ぶことになります。その際、次の2つに分けて1つずつ選択するようにします

1)香りの程度:『控えめ』『開いている

2)香りの強さ/質:『チャーミングな』『強い』『華やかな』『凝縮感がある

まずはスワリングをしないで香りをとり(※)、その時の印象で香りの程度を『控えめ』か『開いている』かで評価します
※最初からスワリングをしてしまうと、閉じているワインや控えめなワインも華やかに感じてしまうことがあるため

次にスワリングをして、香りを良くとり、香りの強さや質を評価します
だいたい以下を目安として判断しています
チャーミングな』:軽めのワイン、ニュートラル~軽いアロマティック品種のワイン
華やかな』:アロマティック品種のワイン
強い』『凝縮感がある』:樽の効いたシャルドネ、非常に華やかなアロマティック品種のワイン

香りの程度で『閉じている』も、通常のテイスティングであれば全然あり得ますが、試験としてはわざわざ閉じているワインを出題する意味も弱く、仮に正答となっても、同時に『控えめ』も正答となるパターンが多いため、閉じていると感じても『控えめ』を選択するようにしています

特徴:果実・花・植物(3~6)

1.柑橘類 2.青リンゴ 3.リンゴ 4.洋ナシ 5.花梨 6.白桃

7.アプリコット 8.パイナップル 9.メロン 10.パッションフルーツ

11.バナナ 12.マンゴー 13.ライチ

14.くるみ 15.アーモンド 16.ヘーゼルナッツ 17.マスカット

18.すいかずら 19.アカシア 20.白バラ 21.キンモクセイ 22.菩提樹

23.ミント 24.アニス 25.ヴェルヴェーヌ

香りの特徴を果実、花、植物に例えて評価します

選択肢がたくさんあり、ワインによって選択数も変わるため注意が必要です
次の4つのカテゴリーに分けて整理して考えるようにしています

果物(1.柑橘類 2.青リンゴ 3.リンゴ 4.洋ナシ 5.花梨 6.白桃 7.アプリコット 8.パイナップル 10.パッションフルーツ 12.マンゴー)

果物は必ず2つ以上選び、上記の通り冷涼産地→温暖産地の順に並べて、基本バラバラに選ぶのではなく、連続して選ぶようにします
最も該当する果物を選んで、その前後(あるいはどちらか1つ)を選ぶと2~3選択できます

代表品種の果物のイメージは、だいたい以下の通りです(ワインによって異なります)
シャルドネ(リンゴ、洋ナシ、花梨、白桃)
リースリング(柑橘類、青リンゴ、リンゴ、洋ナシ)
ソーヴィニヨンブラン(柑橘類、青リンゴ、リンゴ、洋ナシ、パッションフルーツ)
甲州(柑橘類、青リンゴ、リンゴ、洋ナシ)
ヴィオニエ(白桃、アプリコット)
ゲヴェルツトラミネール(洋ナシ、花梨、白桃、アプリコット)

ただし、品種特徴的に感じる香りを感じた場合は、連続していなくても選択するようにする
例)ソーヴィニヨンブランのパッションフルーツ

ナッツ(14.くるみ 15.アーモンド 16.ヘーゼルナッツ)

ナッツ類は樽香を感じたら選ぶようにします

基本はアーモンドヘーゼルナッツで考えます
この2つの違いは樽香の強さで判断します( アーモンドヘーゼルナッツ 
アーモンドの方が正答割合が高い傾向にあるので、迷ったらアーモンドにします
くるみも同じカテゴリーですが、ほとんど正答となったことがありませんので、選んでいません

植物(18.すいかずら 19.アカシア 20.白バラ 21.キンモクセイ 22.菩提樹)

植物は少なくとも1つ選ぶようにします。余裕があれば2つ選んでもよい
ニュートラル/アロマティックか冷涼産地/温暖産地で以下のように分けて考えるとわかりやすいです

・ニュートラル品種や冷涼産地:菩提樹すいかずらアカシア
・アロマティック品種や温暖産地:白バラキンモクセイ

菩提樹はクリーム色の小さい花でリースリングミュスカデなどに特徴的な香り
すいかずらは白い花で、かすかな花の香り
アカシアは黄色い小さい花で、甘い花の香り
ニュートラルな品種では、基本『すいかずら』におき、香りのボリューム感が弱ければ『菩提樹』、より甘いニュアンスを感じたら『アカシア』を選択します

アロマティック系の品種の場合は、以下の様な目安で考えるようにします
白バラはアロマティックな品種で、特にゲヴェルツトラミネールヴィオニエトロンテスなど
キンモクセイは温暖産地の、より華やかなワイン。ヴィオニエシュナンブランなど

その他芳香(9.メロン 11.バナナ 13.ライチ 17.マスカット 23.ミント 24.アニス 25.ヴェルヴェーヌ)

その他芳香については、これらのアロマを感じた場合に選ぶようにします(基本第2
それぞれの芳香の特徴、該当する主なブドウ品種は以下のようにまとめていますが、出題されるワインによるため、素直にその香りがとれたら選択するようにします(逆に該当品種だと思っても、その香りがとれなければ選択しない)

メロンゲヴェルツトラミネールアルバリーニョソーヴィニヨンブランなど
バナナ:シュールリーを感じた場。甲州ミュスカデなど
ライチトロンテスゲヴェルツトラミネールなど
マスカットミュスカデトロンテス
ミントソーヴィニヨンブラン
アニスミュスカデトロンテスソーヴィニヨンブラン
ヴェルヴェーヌ:清涼感のあるグリーンの香り。ソーヴィニヨンブランなど

特徴:香辛料・芳香・化学物質(2~4)

1.タバコ 2.パン・ドゥ・ミ 3.トースト 4.カラメル

5.貝殻 6.石灰 7.火打石 8.ヴァニラ 9.白胡椒 10.コリアンダー

11.丁子 12.シナモン 13.ハチミツ 14.バター 15.香木

16.硫黄 17.樹脂 18.ヨード 19.麝香(じゃこう) 20.花の蜜

香りの特徴を香辛料・芳香・化学物質に例えて評価します

ここも選択肢がたくさんあり、ワインによって選択数も変わるため注意が必要です
次の4つのカテゴリーに分けて整理しています

鉱物類(5.貝殻 6.石灰 7.火打石)

鉱物類はミネラル感を感じたら選択します華やかな品種では無理に選ばなくてもよい
それぞれの選択判断はミネラル感の強さで区別します( 火打石石灰貝殻 
石灰』を基本として、オールドワールドのミネラル感のあるワインをイメージシャルドネリースリングなど)
貝殻は石灰より弱く感じるミネラル感(甲州など)
火打石は石灰のミネラル感+スモーキーさ(リースリングなど)
※火打石は華やかなアロマティック品種の場合は選択しない

選択肢に余裕があれば、石灰と貝殻をセットで選んでおくのもテクニカルとしてありです(幅正答になるパターンが多いため)

香辛料・芳香類(9.白胡椒 10.コリアンダー 11.丁子 12.シナモン 15.香木 17.樹脂 19.麝香 20.花の蜜)

香辛料・芳香類は、その香りが感じ取れたら選択します
品種特有の香りが多いため、オープンテイスティングでしっかりと香りの特徴を理解しておくと良い
香りの特徴と該当品種は、大体以下のように把握しています

白胡椒シャルドネリースリンググリューナーヴェルトリーナーアルバリーニョなど
コリアンダーリースリングソーヴィニヨンゲヴェルツトラミネールなど
丁子(クローブ):甲州で特徴的な香り
シナモン:白ワインではほとんどなし
香木リースリングソーヴィニヨンヴィオニエなど
樹脂:樽香がある場合
麝香ソーヴィニヨン
花の蜜リースリングシュナンブラントロンテスなど

化学物質(1.タバコ 16.硫黄 18.ヨード)

化学物質は積極的に選択する必要はなく、その香りが取れたら選びます

タバコは白ワインでほぼ選ばれることはないでしょう
硫黄:マッチを擦った時に感じる香りで、フレッシュな白ワインに感じることがある。まれにシャルドネリースリングソーヴィニヨンで正答になることあり
ヨード:磯の香(海苔っぽい)で、ソーヴィニヨン甲州で正答になることあり

食べ物系(2.パン・ドゥ・ミ 3.トースト 4.カラメル 8.ヴァニラ 13.ハチミツ 14.バター)

食べ物系はシュール・リーや樽香などから感じ取れることが多い

パン・ドゥ・ミ:シュール・リーされていると感じたら選択します。甲州ミュスカデなど
トーストヴァニラカラメル:樽香を感じたらを選択する
その際にアメリカンオークであればヴァニラを選ぶようにします。カラメルはあまり正答となっていることがないので、トーストヴァニラを選ぶことでよい
ハチミツリースリングシュナンブランなど
バター:カリフォルニアのシャルドネなど

香りの印象(2)

1.若々しい 第1

2.嫌気的な 第2

3.熟成感が現れている 第2

4.酸化熟成の段階にある NG

5.酸化している NG

6.第1アロマが強い 第1

7.第2アロマが強い 第2

8.ニュートラル 第1

9.木樽からのニュアンス 第2

10.発展的な 第2

11.複雑性のある 第2

香りの全体的な印象を、主体となっているアロマ(第1、第2、第3)、品種の個性、熟成の有無、熟成容器(木樽)、熟成の段階などについて分析する

次の3つのポイントから強く感じたものを2つ選択します(1と2から1つずつ選択が基本)

1)ワインの熟成度合い:『若々しい』、『熟成感が現れている
若々しい』を基本として、熟成感が強ければ『熟成感が現れている』を選択

2)ワインの香り:『ニュートラル』、『第1アロマが強い』、『第2アロマが強い』、『木樽からのニュアンス
ワインの香りを4つから最も適当なものを1つ選択する
ニュートラル(ニュートラル品種で樽なしの場合)
第1アロマが強い(アロマティック品種の場合)
第2アロマが強い(MLFを強く感じるワインの場合、ヨーグルトみたいな酸を強く感じる)
木樽からのニュアンス(ニュートラル品種で樽香を感じる場合)

3)ワインの香りの状態:『嫌気的な』『発展的な』『複雑性のある
上記2項目から選べない場合に選択する

次の基本的事項は頭に入れておきましょう
・第1アロマはすべてのワインで感じる
・ほとんどの白ワインはMLFされている
・樽の効いたワインはニュートラル品種

味わい

アタック(1)

1.軽い 第2

2.やや軽い 第1

3.やや強い 第1

4.強い 第2

5.インパクトのある NG

口に含んだ時の第一印象を表します

アタックはアルコールのボリューム感(アルコール度数)に比例するため、以下を目安として『やや軽い』、『やや強い』から選択しています
やや軽い:12.5vol.%以下
やや強い:13.0vol.%以上

『インパクトのある』は出題されないと思います

『軽い』や『強い』も正答となることがありますが、その場合多くは『やや軽い』、『やや強い』も幅で(併せて)正答になるパターンが多いため、テクニカルに『やや軽い』、『やや強い』から選ぶとよいでしょう

甘味(1)

1.ドライ 第1

2.ソフトな 第1

3.まろやか 第2

4.豊かな レア

5.残糖がある レア

ワインの甘辛度を判断します
甘味はアルコールのボリューム感(アルコール度数)も含んだ甘みとなります

基本、次の3つの中から選びます

ドライ:すっきり辛口
ソフトな:辛口だが果実味感じる
まろやか:やや甘みを感じる(ただし、砂糖の甘みではなく果実の甘み)

砂糖の甘みを感じる場合は『残糖がある』になりますが、試験としては出題されないと思います

酸味(1)

1.爽やかな 第1

2.やさしい 第1

3.しっかりとした 第2

4.キメ細かい 第2

5.力強い レア

6.ストレートな レア

ワインの個性を表す重要な要素で、ブドウ品種、産地気候条件などと関連があります

酸味は『やさしい』、『爽やかな』、『しっかりとした』から判断するようにしています
これら酸度の強さは以下の順で強くなると考えています

弱い 『やさしい』<『爽やかな』<『しっかりとした』 強い

白ワインの基本は『爽やかな』となり、酸味を程よく感じるシャルドネをイメージしています
酸味は幅正答が多いため、迷ったら『爽やかな』を選択するようにしています

基本より軽い酸味の場合、『やさしい』となり、甲州などがよく該当します

基本より強い酸味の場合、『しっかりとした』となり、ソーヴィニヨンリースリングなどが良く該当します

キメ細かい』はMLFを強く感じたら選択します。【香りの印象】のパートでMLFからくる第2アロマを強く感じたら、本項目も整合するようにします

『力強い』と『ストレートな』は、さらに強い酸となりますが、ほとんど出題されたことはありません

おそらく試験当日に最初にテイスティングするのは白ワインになると思います。朝一番のテイスティングは酸味が強く感じられるため、練習の時から朝のテイスティングを取り入れて、慣れておくとよいでしょう

苦味(1)

1.控えめ 第1

2.穏やかな 第1

3.コク(深み)を与える 第2

4.旨味をともなった 第2

5.強い(突出した) NG

ブドウ品種、アミノ酸類、フェノール類に由来する苦味を判断します。旨味や塩味を伴って感じることもあります

苦味は『穏やかな』が基本となります

苦味をほとんど感じない場合は『控えめ』を選択するとよいでしょう

旨味をともなった』はシュール・リーしているワインで選択しましょう(スピッティング後に口中に出汁っぽいテイストを感じるとき)

コクを与える』は、熟成したワインと感じたら選択しましょう

バランス(1)

1.スリムな 第2

2.スムースな 第2

3.溌溂とした 第2

4.ドライな 第1

5.まろやかな 第1

6.ねっとりした レア

7.コンパクトな 第2

8.フラットな レア

9.豊潤な 第2

10.厚みのある 第2

11.ふくよかな 第2

ワイン全体のバランス(酸味とアルコール/甘味のバランス)を判断します

まず評価するワインを次の2つのどちらに該当するか判断します

1)スリムなワイン(酸が通っていて、アルコールは中程度以下)

ドライな』を基本として以下のワードから選択します

コンパクトなスリムなスムースなドライな溌溂とした

ドライな』がシャルドネとすると、それよりやや線の細いと感じる場合は『スリムな』/『スムースな』、アルコール度の低めな場合は『コンパクトな』(甲州など)、酸がしっかりとのっている場合は『溌溂とした』(ソーヴィニヨンリースリングなど)が該当するイメージです

2)ふくよかなワイン(果実からくる甘味やアルコールのボリューム感のあるワイン:樽の効いたシャルドネや、ヴィオニエゲヴェルツなどアロマティック品種のワインなど)

まろやかな』を基本として以下のワードを選択します

まろやかなふくよかな豊潤な厚みのある

これも程度の問題なので、迷ったら、『まろやかな』を選択するようにします

『ねっとりとした』、『フラットな』はあまり正答となっていないため気にしないようにします

アルコール(1)

1.軽い 第2

2.やや軽め 第1

3.中程度 第1

4.やや強め 第1

5.強い レア

6.熱さを感じる NG

アルコールのボリューム感を評価します

アルコール度数は常日頃からワインを飲むたびに確認するようにしています
そうすることで、正解の精度を高めることができます

アルコール度数と評価は次のように行っています

やや軽め:12.5vol%未満
中程度:12.5~13vol%
やや強め:13.5vol%以上

また、他の評価項目でアルコール度数と関連の高い項目はアルコール度数と整合した回答となっているか確認しましょう
粘性、アタック、甘味、バランスの項目など

余韻(1)

1.短い 第2

2.やや短い 第1

3.やや長い 第1

4.長い 第2

飲み込んだ後(口から吐き出した後)の余韻の長さを評価します

基本は『やや短い』と『やや長い』から選択するようにします

余韻の確認のため、最後に一口飲んでも良いと思います
基本的に酸の強い方が余韻として持続すると思っています

明らかに短い(または長い)場合は#1(または#4)を選択しても良いと思いますが、正答に幅があるため、連続性のある選択肢の場合、端より1つ内側の選択肢を選ぶ方が良いと考えます

評価など

評価(1)

1.シンプル、フレッシュ感を楽しむ 第1

2.成熟度が高く、豊かな 第2

3.濃縮し、力強い レア

4.エレガントで、ミネラリー 第1

5.ポテンシャルがある レア

課題ワインを一言で表現します

基本は『シンプル』、フレッシュ感を楽しむ』とします

しっかりした酸とミネラル感を感じたら、『エレガントで、ミネラリー
温暖産地のワインなど、ブドウの凝縮感を強く感じたら『成熟度が高く、豊かな』を
選ぶようにします

試験の白ワインでは『濃縮し、力強い』と『ポテンシャルがある』はほとんど選ばれることはないでしょう

適正温度(1)

1.8度未満 NG

2.8-10度 第1

3.11-14度 第1

4.15-18度 NG

5.19度以上 NG

ワインの最も適切な供出温度を評価します

基本、『8-10度』を選択し、樽の効いたシャルドネやアロマティック品種(ヴィオニエなど)のワインなどは『11-14度』を選択します

この項目は次のグラスとも連動しますので併せて考えるようにします

グラス(1)

1.小ぶり 第1

2.中庸 第1

3.大ぶり NG

ワインの最も適切な供出グラスを評価します

適正温度で『11-14度』を選択した場合は、『中庸』を選ぶようにしています

適正温度で『8-10度』を選択した場合は、『小ぶり』か『中庸』の2択になります

その場合、香りの取りやすさ(香りの第一印象を参考)で判断するとよいでしょう
小ぶり:香りが取りずらい(明らかに控えめな)ワイン(甲州ミュスカデアリゴテなど)
中庸:香りが普通な(やや控えめ~開いている)ワイン(リースリングソーヴィニヨンなど)

収穫年(1)

受講年2年~6年前くらいの選択肢の5択

ワインのヴィンテージを評価します

収穫年は正直よくわかりませんが、大体受講年の2~3年前の正答が多いようです

生産地(1)

1.フランス 2.アメリカ 3.オーストラリア 4.ニュージーランド

5.スペイン 6.南アフリカ 7.アルゼンチン 8.ドイツ 9.日本

ワインの生産地を評価します

この項目は、次のブドウ品種と連動して毎年入れ替わります

チェックボックスの9か国は2023年評価シートの選択肢ですが、その他に
イタリア、オーストリア、ポルトガル、チリなどもフォローしておくようにします

生産地はブドウ品種と連動するパターンが多いので、確認するようにしましょう

主なブドウ品種(1)

1.シャルドネ 2.セミヨン 3.リースリング 4.ソーヴィニヨン・ブラン

5.アリゴテ 6.ミュスカデ 7.トロンテス 8.アルバリーニョ 9.甲州

ワインのブドウ品種を評価します

主なブドウ品種は、毎年入れ替わります

チェックボックスの9品種は2023年評価シートの選択肢ですが、その他出題の可能性のある品種として
ヴィオニエアルバリーニョゲヴェルツトラミネールシュナンブランピノ・グリなどもフォローしておくようにします

また、出題ワインは必ず単一品種というわけではなく、ブレンドワインも出題されますので、そういうワインも練習しておくようにしましょう(ただし、メイン品種が85%以上のものがよい)

冒頭にも記載しましたが、ブドウ品種の予想から入るのは危険な(大外しをする可能性がある)ので、評価シートの順番にワインを評価し、最後にブドウ品種を選ぶようにすると良いと思います。ただし、ブドウ品種に強い確証がある場合は、そのブドウ品種で選択されることの選択肢を微調整しても良いかもしれません

ブドウ品種ごとの特徴

最後に代表的なブドウ品種ごとの特徴をまとめました
これらはあくまでも参考であって、出題されるワインによって該当しないこともあるので、試験当日はブドウ品種から入るのではなく、ワインに向き合って感じた通りに評価するようにします

シャルドネ

✅果実はリンゴ~白桃(新世界はアプリコット、パイナップルもあり)
✅樽の入っていることが多い(アメリカはヴァニラ香)
✅旧世界はミネラル感あり(火打石、石灰)
✅花はスイカズラ、アカシアのパターン多い
✅新世界はバター感強い

ソーヴィニヨン・ブラン

✅果実は柑橘類~洋ナシ(特徴香としてパッションフルーツ)
✅冷涼産地:コリアンダー、ミント、アニス、ヴェルヴェーヌ
✅温暖産地:パッションフルーツ、麝香
✅余韻にほろ苦い感じが残る
✅石灰、火打石

リースリング

✅果実は柑橘類~洋ナシ
✅ぺトロール香が特徴だが、感じないパターンもあり(セミヨンでもぺトロール感じる)
✅オフドライ(やや甘)の場合はドイツが多い
✅菩提樹、スイカズラ
✅香木、コリアンダー、花の蜜
✅旧世界:貝殻、石灰 新世界:貝殻
✅アタックは強めで、余韻が長い

甲州

✅柑橘類~洋ナシ
✅色調は透明~オレンジ
✅アルコール度低め
✅丁子が特徴香
✅貝殻、スイカズラが多い
✅第2アロマが強い

その他アロマティック品種

✅ライチ香はゲヴェルツトロンテスに感じるが、トロンテスはマスカット感強い
✅アフターに苦味が残るとゲヴェルツ、ヨーグルト感が残るとヴィオニエ
✅通常樽香はない

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