ソムリエ/ワインエキスパート試験対策について、教本の出題ポイントをまとめています
昨年度からの変更点や、頻出箇所などポイントを抑えて解説します
最後に確認問題を掲載してありますので、理解度の確認に使用してください!
昨年からの主な変更点
オーストラリア
- プロフィールの説明文一部改訂(ブドウ破砕量10,000t以上の~全生産量の1%未満である。)【P.303】
- 2022年ヴィンテージレポート更新【P.303】
- 主なブドウ品種の説明文一部追記(2020年に確認されているだけで~需要が高まっている。)【P.308】
- ワイン用ブドウの収穫量と前年比、平均価格の表に栽培面積のデータが追加【P.308】
- ワイン法と品質分類の説明文一部追記改訂(Wine Australiaは、「ワインオーストラリア法2013」に~Wine Australiaの代表組織である。)【P.311】
- モーニントン・ペニンシュラの説明文一部追記(2021年10月の暴風雨の~見舞われたことが主要因である。)【P.323】
オーストラリアはワインオーストラリアの説明文が追加となっていますのでチェックしましょう
ニュージーランド
- プロフィールの説明文追記改訂(ニュージーランドは南太平洋に~完全性を維持することに役立っている。)【P.536】
- プロフィールの「遅れてきた者の利点、生かしたワイン産地」の記述一部追記改訂(主要産地は大きく分けられ~ワイナリー数はわずか204社だった。)【P.536】
- プロフィールの「屋台骨を支えるマールボロとソーヴィニヨン・ブラン」の記述一部追記(また、2021年に~増加している。)【P.537】
- プロフィールの「国際的ワインシンポジウムの成功と発展」の記述一部改訂(2001年から4年に1回~再開が待ち望まれる。)【P.537】
- ヴィンテージレポート更新【P.537】
- プロフィールの「スクリューキャップの普及」の記述一部追記(2001年、ニュージーランドで~が発足。)【P.540】
- プロフィールに「直面する課題と将来に向けて」の項が追加【P.540】
- 気候風土の説明文一部追記(一般化して語るのが~大きな要因となっている。)【P.541】
- ワイン法と品質分類の説明文一部追記(ブドウ畑の有機栽培転換も進んでおり~両方を生産しているワイナリーも含まれている。)【P.533】
- ワイン法と品質分類の「サステイナビリティー6つの重要分野」の説明文全面改訂【P.542】
- ノースランドの説明文一部追記改訂(南北に細長い~生産量は全体の1%未満。)【P.542-543】
- オークランドの説明文一部追記改訂(最大都市オークランドを~生産量は全体の1%未満。)【P.543】
- ギズボーンの説明文一部追記改訂(ニュージーランドで最初に朝日が見える~2,180時間。)(オークランドの生産者も~生産量は全体の約4%。)【P.543】
- ホークスベイの説明文一部追記(夏の暑さは~年間平均降雨量は1,051mm。)(2022年の栽培面積は~生産量は全体の約8%。)(蛇行する大河が~下層堆積物がみられる。)【P.543-544】
- ワイララパの説明文一部追記改訂(「ワイララパ」はマオリ語で~トップ生産者が集中している。)【P.544-545】
- マールボロの説明文一部追記改訂(南島の北東端~生産量は全体の81%。)【P.546】
- ネルソンの説明文一部追記改訂(日照時間が長く~ワインになる傾向がある。)【P.547-548】
- カンタベリーの説明文一部追記改訂(カンタベリーG.I.は~生産量は全体の2%。)【P.548】
- ワイタキ・ヴァレー・ノース・オタゴの説明文一部追記(ワイタキ川はサザン・アルプスから~65%を供給している。)(霜は春秋どちらも~生産量は全体の1%未満。)【P.548-549】
- セントラル・オタゴの説明文一部追記改訂(厳しい気候条件ながら~産地として発展してきた。)(クイーンズタウンの平均日照時間は~生産量は全体の3%。)【P.549】
- セントラル・オタゴの8つのサブリージョンの説明文全面改訂【P.549-550】
ニュージーランドはプロフィールや、各産地の説明文が大きく改訂されています。
各産地ごとにポイントをまとめて覚えていきましょう!
オーストラリア
オーストラリア概要
プロフィール
✅東端のニュー・サウス・ウェールズから西端の西オーストラリアまで約3,000km
✅世界第5位のワイン輸出国
・上位輸出国:①USA(21%)、②UK(20%)
・これまで最大の輸出国であった中国からのワイン関税強化により、オーストラリアワインの輸出は減少へ
✅近年一番の問題が使用可能な水の恵みが限られている点
✅ワイナリー数は2014年以降、減少を続けている
✅ブドウ破砕量10,000t以上の大規模ワイナリ-数は全体の4%だが全生産量の83%を占める
✅「Sustainable Winegrowing Australia」:オーストラリアワイン研究所(AWRI)が運営する環境保全に関するプログラム。2020年9月に新しい認証マークの運用がスタート
✅2022年ヴィンテージレポート
・ワイン用ブドウ破砕量は過去最大を記録した2021年と比べ13.5%減
・オーストラリアの大部分で平均より降水量が増え、春の最高気温が平均より低くなった
オーストラリアワインの各国への輸出量の変動は最近のトピックでもあるので押さえておきましょう!
歴史
✅18世紀後半~第二次世界大戦まで
・1788年:Arthur Phillipが最初にブドウを持ち込む(南アフリカの喜望峰とブラジルからシドニーにもたらされる)
・1825年:James busbyがニュー・サウス・ウェールズ州ハンター・ヴァレーにブドウ園を開設→「オーストラリアのワイン用ブドウ栽培の父」と形容される
・1840年代:バロッサ・ヴァレーにバイエルン出身のJohan Gramp(Jacobs Creek設立)、英国出身のSamuel Smith(Yalumba設立)が入植し、オーストラリアを代表するワイン産地の礎を築く
・1877年:ヴィクトリア州ジロング近郊でフィロキセラ発見(南オーストラリア州はいまだにフィロキセラの被害なし)
✅戦後~
・1951年:ペンフォールズ社のMax Schubertが、Grange Hermitage BINIを試験生産(複数畑シラーズ)
・1958年:ヘンチキ社4代目Cyril HenschkeがHill of Graceを生産(単一畑シラーズ)
✅1970年代~
・1990年代:シラーズがオーストラリアを代表する品種として国内外でとらえられるようになる
・2000年以降、大手ワイン生産者の再編が進む
【大手トップ3】Treasury Wine Estates、Accolade Wines, Casella Family Brands(代表ワイン:イエローテイル)
✅スクリュー栓拡大の「引き金」
・2000年ヴィンテージからクレア・ヴァレーのワイン生産者13社が白ワインにスクリュー栓(STELVIN®)を採用
✅ナチュラル・ワイン・ムーヴメント
・気候変動の影響を受け、地中海原産品種や晩熟品種(Alternative品種)の生産が盛んに
オーストラリアの歴史は頻出箇所なので、人名と業績をしっかり押さえましょう
また、ワイン概論の包装工程とからめて、STELVINについても背景や経緯を押さえておきましょう!
気候風土
✅ワイン産地は大陸の東南部に集中
✅おおむね地中海性気候(マーガレット・リヴァーは穏やかな海洋性気候)
・Terra rossa土壌(鉄分を含んだ赤い表土と、白い石灰岩質土壌)@クナワラやライムストーン・コート
・Jurassic dolerite(ジュラ紀の粗粒玄武岩)@タスマニア
✅食文化とワイン・サービス
・BYO(Bring Your Own):レストランへのワイン持ち込み
主なブドウ品種
✅ブドウ品種別栽培面積
・白1位:シャルドネ
・黒/全体1位:シラーズ
✅主要品種の赤白それぞれトップ10品種の合計で収穫量全体の95%を占める
✅主要品種の中でグルナッシュの人気が高まっている(1t当たりの価格がピノ・ノワールを上回り、全品種でトップとなる)
主なブドウ品種は新しいデータが追記されているのでチェックしましょう!
ワイン法と品質分類
✅1993年G.I.制度導入(114のG.I.がある)→G.I.を決定する権限は地理的呼称委員会(G.I.C.)がもつ
✅ラベル表示は基本85%ルール(G.I.、ヴィンテージ、ブドウ品種の表示)
✅酸化防止剤、保存料のラベル表示が義務付け(オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関FSANZの食品基準)
・220(亜硫酸)、200(ソルビン酸)、300(アスコルビン酸/ビタミンC)
✅Wine Australia
・オーストラリア政府の法定機関
・オーストラリア産ワインとワインビジネスの収益性と回復力、持続可能性を促進する活動を実施
・AGW(オーストラリアン・グレープ&ワイン)はワイン用ブドウとワイン生産者の全国組織でワイン・オーストラリアの代表組織
ワイン・オーストラリアは今期追加箇所です
ワイン産地と特徴
✅州別ワイン用ブドウ生産量
・1位 南オーストラリア州(51.3%)
・2位 ニュー・サウス・ウェールズ州(28.5%)
・3位 ヴィクトリア州(16.8%)
・4位 西オーストラリア州(2.6%)
西オーストラリア州
✅ワイン生産量は国全体の3%程度だが、高価格帯ワインが多く品質はトップクラス
✅ブドウ栽培が始まったのはスワン・ヴァレー周域
✅マーガレット・リヴァーとグレート・サザンが主要生産地となっている科学的理由
・Harold Olmo博士→グレート・サザン
・John Gladstones博士→マーガレット・リヴァー
スワン・ディストリクト
✅西オーストラリア最古のワイン産地
✅スワン・ヴァレー(G.I.サブリージョン)はHoughton社の本拠地
✅Fremantle Doctorと呼ばれる海風により、暑さが和らげられている
マーガレット・リヴァー
✅インド洋に突き出た半島
✅カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネで知られるファインワイン産地
✅地中海性気候
✅ジョン・グラッドストーンズ博士が産地を6つに区分け(北部から、ヤリンガップ、カーブンナップ、ウィリヤブラップ、トリートン、ウォルクリフ、カリデール)
・ウィリヤブラップ地区(優良なカベルネ・ソーヴィニヨンの造り手が集中)
グレート・サザン
✅リースリング、シラーズ、ピノ・ノワール、シャルドネ、瓶内二次発酵スパークリングなどの個性的なファインワイン産地
✅5つのサブリージョンを持つ(アルバニー、デンマーク、フランクランド・リヴァー、マウント・バーカー、ポロングラップ)
マーガレット・リヴァーとグレート・サザンが主要産地となった科学的理由は教本を読んでストーリーを頭に入れておきましょう!
また、上記以外の産地は西オーストラリア州に位置していることを押さえましょう
南オーストラリア州
✅オーストラリアワインの生産量の大半を担う
✅フィロキセラフリー
✅世界で最も古いシラーズのブドウ樹が現存
✅AWRI(オーストラリア・ワイン・リサーチ・インスティチュート)の研究で、シラーズに含まれる胡椒の香りの原因物質を「ロタンドン」と特定
✅Mount Lofty Ranges(アデレード周域6産地の弓なり部分)
・バロッサ・ヴァレー(深い土壌のワイン)
・イーデン・ヴァレー(山のワイン)
・アデレード・ヒルズ(山のワイン)
・クレア・ヴァレー(山のワイン)
・マクラーレン・ヴェール(深い土壌のワイン)
・ワングホーン・クリーク
バロッサ・ヴァレー
✅シラーズの首都
✅黒ブドウが85%を占める
✅バロッサ・レンジ(イーデン・ヴァレーとの間)
✅Langmeil Wineryが所有する1843年植栽のシラーズがオーストラリア最古のブドウ
✅イーデン・ヴァレーと合わせたG.I.「バロッサ」
イーデン・ヴァレー
✅シラーズとリースリングの重要な産地(リースリングはクレア・ヴァレーと双璧をなす)
✅バロッサ・ヴァレーと合わせてG.I.「バロッサ」を名乗れる
アデレード・ヒルズ
✅産地の中にあるマウント・ロフティーが最高標高地点
✅2019年の大規模森林火災によって、アデレード・ヒルズで最古のピノ・ノワールを含むブドウ畑にも延焼の被害が及んだ
✅高級スティルワインや瓶内二次発酵スパークリングワインのファインワイン産地
クレア・ヴァレー
✅シラーズとリースリングの重要産地(リースリング、シラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨンで栽培面積全体の8割を占める)
✅大陸性気候
✅マウント・ロフティ・レンジズの上にのっている産地
✅クレア・ヴァレー最初のワイナリーは1851年から生産を続けるSevenhill Cellars
✅Clare Valley Rocks(産地内10ヶ所に地質解説の標識を立てリースリングの味わいの特徴を説明)
マクラーレン・ヴェイル
✅John Reynellが1838年Reynellaに「シャトー・レイネラ」を興したのが産地の始まり
ラングホーン・クリーク
✅Lake Doctor(南氷洋からアレキサンドリナ湖を横切って吹く冷涼な南風)
→夏の気温を下げ、冬の霜害を防ぐ
ライムストーン・コースト
✅巨大なG.I.(クナワラ、パッドサウェー、ラットンブリー、ローブ、マウント・ベンソン、マウント・ガンビアが含まれる)
✅テラロッサ土壌
クナワラ
✅オーストラリアを代表するカベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸地
✅テラロッサ土壌
✅スコットランド人John Riddochが最初のブドウを植えた
✅海洋性気候
カンガルー・アイランド
✅オーストラリアで3番目に大きい島
✅2020年1月の大規模森林火災によって、ブドウ畑の3分の1が焼失
リヴァーランド
✅オーストラリア・ワイン産業の「機関室」と形容される
✅南オーストラリア州の60%、オーストラリア全体の30%のブドウを産出
✅大陸性気候
南オーストラリアは重要産地が多く、よく出題されるため、地図上の位置も含め各産地の特色をしっかり押さえましょう!
また、近年発生した森林火災の記述は、その災害状況など要チェックです!!
ヴィクトリア州
ヤラ・ヴァレー
✅1838年にヴィクトリア州で最初のワイン用ブドウが植えられた地
✅1986年にモエ・エ・シャンドン社が「シャンドン・オーストラリア」を設立
✅オーストラリアを代表するクラフトジン「Four Pillars」の蒸留所も位置する
モーニントン・ペニンシュラ
✅タスマニアと並びピノ・ノワールの重要産地(栽培面積の約半数を占める)
✅国際イベント「Mornington Peninsula International Pinot Noir Celebration」
✅ピノ・ノワール品評会「Australian Pinot Noir Challenge」
✅海洋性気候
✅2022年のブドウ破砕量は前年比47%減(2021年10月の暴風雨の影響)
ジロング
✅ピノ・ノワールとシャルドネの重要産地
✅1877年フィロキセラが最初に発見された地
ゴールバーン・ヴァレー
✅1860年に設立されたTahbilkはオーストラリアで最も長い歴史を持つワイナリーの1つ
→マルサンヌは世界最古の樹齢と、単一畑として最大の栽培面積を誇る
ヒースコート
✅1850年代にゴールドラッシュで繁栄したエリア
✅地元でカンブリアンと呼ばれる深く赤い石灰粘土質土壌が分布し、灌漑の必要なし→上質なシラーズ
ラザグレン
✅マスカットとミュスカデルから造られる酒精強化ワインの産地として有名
マレー・ダーリング
✅生産量の多いブランドワイン用のブドウ産地
ヴィクトリア州はモーニントン・ペニンシュラの国際イベント、ラザグレンの酒精強化ワイン、ゴールバーン・ヴァレーのTahbilkはよく問われますので覚えましょう!
ニュー・サウス・ウェールズ州
✅オーストラリアのワイン産業の起源
✅オーストラリア大分水嶺(グレート・ディヴァイディング・レンジ)の斜面を利用した「カウラ」「マジー」「オレンジ」
ハンター
✅シラーズとセミヨンが代表品種
✅最初のブドウの木が1825年に植えられた
✅「ハンター・セミヨン」→Tyrrell’s社の「VAT1 Semillon」
✅ヴェルデーリョはマデイラスタイルの酒精強化ワインの原料として使用されてきた→Broke Fordwichには国内最古のヴェルデーリョが現存
カウラ
✅標高300~380m
マジー
✅標高450~600m
✅「丘のある巣」という意味
オレンジ
✅標高600~1150m
✅カウラ→マジー→オレンジの順で標高が高くなる
リヴァリーナ
✅量産用ワイン向けの重要なブドウ産地(州栽培の55%、全国の15%に相当)
✅カセラ社の本拠地で「yellow tail」の原料供給地
✅「De Bortoli Noble One」セミヨンの貴腐ワインが国際的に有名
ニュー・イングランド・オーストラリア
✅オーストラリアで最も高標高のワイン産地
ハンターは歴史的にも重要な産地なのでしっかり押さえましょう!
リヴァリーナもイエロー・テイルで知られるカセラ社の本拠地として有名です
タスマニア州
✅ピノ・ノワールとシャルドネの極めて重要な生産拠点
✅ピノ・ノワール(48.1%)、シャルドネ(25.5%)
✅ブドウ栽培は2つの性格を持つ
①瓶内二次発酵スパークリングワインの原料供給地
②地元ワイナリーによるワイン生産
✅重要産地
・Tamar Valley(ワイン生産量の5割を占める最大のワイン産地)
✅気候:海洋性気候
✅土壌:ジュラシック・ドレライト
タスマニア州はブドウ品種、産地、気候、土壌と幅広く問われます
クイーンズランド州
✅日常消費用ワインから高級ワインのブドウ栽培
✅2020年収穫量は深刻な干ばつの影響で前年比80%減(191t)
酒精強化ワイン
✅主な産地
・バロッサ・ヴァレー(南オーストラリア州)
・ラザグレン(ヴィクトリア州)
✅2010年からジェネリックワインの国内販売名称変更
・シェリー→「Apera」(ドライ、ミディアムドライ、スイート、クリーム)
・ポート→「Fortified」(トゥニー、ヴィンテージ)
・リキュール・トカイ→「Topaque」(Rutherglen、Classic、Grand、Rare)
ジェネリックワインの国内販売名称変更は出題されやすいので押さえましょう!
ニュージーランド
ニュージーランド概要
プロフィール
✅全18地域がG.I.登録
✅南北約1,600km(ワン産地は南北1,100km、南緯35〜45度に分布)
✅1980年代ソーヴィニヨン・ブラン登場
✅1990年代ピノ・ノワール登場
✅ブドウ栽培面積はボルドー全体の3割程度(世界のワイン生産量の1%)だが、ソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールの評価により、プレミアムワイン生産国としてステイタスを確立
✅ワイン生産量全体の8割が輸出(輸出量の85%以上をソーヴィニヨン・ブランが占める)
✅輸出先トップ3は米国、英国、豪州(輸出量の約8割を占める)
✅2001年から4年に1回、ウェリントンで「Pinot Noir NZ」が開催→ピノ・ノワールの短期発展に寄与
✅近年のヴィンテージ情報
【2019年】史上3番目に暑い夏を記録、全体的に凝縮度の高い上質なワインとなった
【2020年】パンデミックによる混乱の中、主要産地は天候に恵まれ収穫高は前年比10.6%増
【2021年】収穫高は前年比19%減。特に遅霜の被害が大きかったワイタキ・ヴァレーでは例年の2割のみの収穫高
【2022年】ほぼすべての産地とすべての主要品種で豊作
【2023年】ラニーニャ現象の影響が顕著。北島では記録的な豪雨をもたらしたサイクロン「ガブリエル」のヴィンテージとして記憶に残るものとなる
歴史
✅1819年:Samuel Marsdenが北島ベイ・オブ・アイランズのKeri Keriに初めてブドウを植えた
✅1836年:James Busbyが北島ノースランドのWaitangiのブドウ畑から最初にワインを造る
✅1898年〜1899年:フィロキセラ発見@ノースランドのWhakapirau
✅20世紀前半:クロアチア(ダルマチア)からの移民がオークランド周辺でワイン産業の基盤を整えた
✅1982〜1990年:Richard Smart博士の指導で「キャノピー・マネジメント」が導入
✅1988年以降:ピノ・ノワールの苗木「Dijon Clones」が登場→現在「10/5」「UCD5」「DRCエイベル」「Dijon Clones」がピノ・ノワール生産の基礎を成すようになっている
✅2001年:スクリューキャップワイン栓イニシアティブが発足→現在スクリューキャップの使用95%以上
✅2004年~:オークランド大学がボルドー大学と共同研究開始。ボルドー大学の富永敬俊博士の指導の下、ソーヴィニヨン・ブランのアロマ前駆体物質(3MH)の計測方法を学び品質向上に寄与
気候風土
✅多様な気候条件の中、唯一セントラル・オタゴのみ半大陸性気候
✅海から130km以上離れた産地はなく、ブドウ畑が海に近いことがニュージーランドワインの特徴
食文化
✅Green Mussels (大粒のムール貝。マールボロの特産物)
✅ワインの輸入は豪州産が断トツの1位
主なブドウ品種
✅ブドウ品種別栽培面積
・白/全体1位:ソーヴィニヨン・ブラン
・黒1位:ピノ・ノワール(全体2位)
ニュージーランドの歴史はオーストラリアとごっちゃになりがちなので、気をつけましょう!
よく問われます!!
ワイン法と品質分類
✅ニュージーランド食品衛生安全局(NZFSA)がワインの生産の基準とラベル表記を管理
✅2007年ヴィンテージからラベル表示は85%ルールが適用
✅輸出振興・マーケティング活動は「New Zealand Winegrowers」が担っている
✅1995年、世界に先駆け業界初となる全国的なサステイナブルプログラム「Sustainable Wine Growing New Zealand(SWNZ)」を確立→全ブドウ栽培地の96%認証済み
✅ブドウ畑の有機栽培転換が進む→全ワイナリーの10%以上が有機認証を取得済み
✅6つのサステイナビリティ重点項目(気候変動、廃棄物、水資源、土壌、植生保護、人財)
サステイナビリティの記述が増えていますので要チェックです
ワイン産地と特徴
✅ワイン産地別栽培面積とブドウ生産量
1位:マールボロ
2位:ホークス・ベイ
3位:セントラル・オタゴ
産地別栽培面積は上位3位くらいまでは覚えておきましょう!
北島
ノースランドG.I.
✅1819年にベイ・オブ・アイランズのケリケリにニュージランドで初めてワイン用ブドウが植えられた
✅ワイタンギでニュージーランドで初めてワインが造られる
オークランドG.I.
✅最大都市オークランドを中心に広域カバーするG.I.
✅以下3つのサブリージョンがG.I.登録
✅Kumeu G.I.
・クロアチア(ダルマチア地方)移民によってニュージーランドワイン産業の礎が築かれた地域
・ニュージーランド初のマスター・オブ・ワインMichael Brajkovichが醸造責任者の「Kumeu River」が存在
✅Matakana G.I.
・麻井宇介の著作「ワインづくりの思想」執筆に重要な着想を与えたメルロのワイン生産者「Providance」で有名
✅Waiheke Island G.I.
・ボルドー系品種による少量生産の高級ワインが産出
ギズボーンG.I.
✅ニュージーランド最東端のワイン産地
✅キャプテン・クックが初めて上陸した場所
✅1960年代にミュラー・トゥルガウが積極的に栽培された産地(現在はシャルドネ主体)
ホークス・ベイG.I.
✅マールボロに次いで2番目の大きい産地
✅1851年、マリスト会宣教師がホークス・ベイで初めてブドウを植樹し、歴史あるMission Estate Wineryが設立された
✅Gimblett Gravels District
✅Bridge Pa Triangle
・川沿いに三角形の形状に広がる地域で、ホークス・ベイで最もブドウ畑が集中している地区
✅Central Hawke’s Bay G.I.
・ホークス・ベイの南半分が「セントラル・ホークス・ベイ」としてG.I.に登録
ワイララパG.I.
✅首都ウェリントンの北東
✅ワイララパはマオリ語で「輝く水」を意味
✅以下3つのサブ・リージョンを持つ
✅Martinborough G.I.
・最初にニュージーランドのピノ・ノワールの存在を世界に知らしめた「Martinborough Terrace」地区→アタ・ランギをはじめとする有名生産者が集中する
✅Gladstone G.I.
✅Masterton
✅Ōhau(新しい非公式サブリージョン)
・2009年に初めて収穫が行われた
北島はホークス・ベイとマーティンボローG.I.を中心に押さえましょう!
南島
マールボロG.I.
✅ニュージーランド全体のブドウ栽培面積のほぼ7割を占める(このうち、約8割がソーヴィニヨン・ブラン)
✅3つのサブ・リージョンから構成(いずれもG.I.ではない)
・Wairau Valley
・Southern Valley
・Awatere Valley
✅2018年に「Appellation Marlborough Wine(AMW)」が商標登録
・100%マールボロのサステイナブル認証を取得したブドウ畑で栽培されたブドウを使用し、国内で瓶詰めされたワインを認証
✅Gisen Winesは2020年、マールボロ産ソーヴィニヨン・ブランとして初となるアルコールを除去した「Gisen 0% Marlborough Sauvignon Blanc」を発表
ネルソンG.I.
✅マールボロより西側
✅ビールに用いられる「ネルソン・ホップ」の重要な産地
カンタベリーG.I.
✅3つのG.I.が重なっている
・カンタベリーG.I.(全体)
・ノース・カンタベリーG.I.(北半分)
・ワイパラ・ヴァレーG.I.(ノース・カンタベリーのサブリージョン)
ワイタキ・ヴァレー・ノース・オタゴG.I.
✅オタゴの北端、ワイタキ川南岸に沿う新興産地
✅ワイタキはマオリ語で「weeping water(泣く水)」を意味
✅ニュージーランドの水力発電の65%を供給
セントラル・オタゴG.I.
✅南緯45度に位置する世界最南端のワイン産地の1つ
✅ニュージーランドで唯一、半大陸性気候
✅ピノ・ノワールの栽培が最大(約8割)
✅任意のマーケティング団体「COPNL=Central Otago Pinot Noir Limited」
✅8つのサブ・リージョン(いずれもG.I.ではない)
①ギブストン・ヴァレー
・南極からの冷たい南風Southerlyの影響で、オタゴの中で最も標高が高く冷涼
②バノックバーン
③クロムウェル、④ローバーン、⑤ピサ・レンジ
⑥ベンディゴ
⑦ワナカ
・世界で最も絵になる産地の1つ
⑧アレクサンドラ(最南)
南島はマールボロとセントラル・オタゴを中心に押さえ、各G.I.の重要箇所はチェックしておきましょう!
オーストラリア、ニュージーランド 予想問題
理解度の確認のため、10問全問正解するまで帰れま10にチャレンジしてみましょう!
10問全問正解するまで何度もチャレンジしてみてください。問題には教本の該当ページを記載してありますので、間違った問題や解答に迷った問題は、都度教本に戻って復習してみてください。