ソムリエ/ワインエキスパート試験対策について、教本の出題ポイントをまとめています
昨年度からの変更点や、頻出箇所などポイントを抑えて解説します
最後に確認問題を掲載してありますので、理解度の確認に使用してください!
各項目の出題ポイント、ヒントはボックスで示しました
必ず押さえておくべき用語は青字、人名は赤字、ブドウ品種は緑字で表示しています
その他黒字の部分もできるだけ広く覚えるようにしましょう!
また、重要な箇所は黄色のアンダーラインで示しています

昨年からの主な変更点
日本
- 各種統計量の更新(ブドウ栽培面積・収穫量・受け入れ数量、ワイン生産量、ワイナリー数、ワイナリー名など)【全体】
- 品種の項の「アメリカ系品種(Vitis Labrusca種)アメリカ系交雑/交配品種」の説明文改訂【P.90】
日本は各種データが最新の統計量に更新されているため、昨年度の各種順位と異なる項目がいくつかあります。最新のデータで各種順位を押さえましょう!
南アフリカ
- 各種統計量の更新(ブドウ栽培面積、ワイン生産量など)【全体】
- プロフィールの説明文一部追記(ステレンボッシュ在住の~バイブルとなっている。)、(現在、W.O.認証ワインの~添付する要件を満たしている。)、(2020年には全世界で4,600万L以上の~生活・労働環境の改善に大きく寄与している。)、(OVPは、2002年から~シュナン・ブランである。)【P.761~762】
- 2022年のヴィンテージ情報更新【P.762】
- 気候風土に一部追記(現在「Consevation Champion」に改名され、~手付かずのまま保全されている。)【P.763】
- ワイン産地と特徴の説明文一部追記(2022年には、ヨハネスブルグの~小地区として登録された。)【P.765】
- ダーリン地区の説明文一部改訂(標高が高く~最後)【P.767】
- スワートランド地区の説明文一部追記(2022年、新たにPorseleinberg~現在小地区は7つ。)【P.767】
- 最後の[南アフリカワイン原産地呼称認定産地]のリストにLanseriaが追加(一番最後)【P.772】
南アフリカは小地区として新たに登録された産地があります
その他、ヴィンテージ情報など更新されていますので、押さえましょう!
日本
日本概要
✅国内ブドウの13.3%がワイン醸造に使用されている
✅「日本ワイン」の生産量(約2,200万本)→国内製造ワインの18.1%にあたる
✅生産量上位6都道府県(①山梨、②長野、③北海道、④山形、⑤岩手、⑥新潟)→上位3道県で日本ワインの全生産量の7割を占める
✅ワイン生産地:北限(北海道・名寄)、南限(沖縄県・恩納村)、緯度差約18度
✅日本ワインを製造中のワイナリー数:278軒
✅ワイン用ブドウ生産量の内訳(契約栽培:41.6%、購入:38.8%、自社農園:17.4%、受託醸造:1.6%)
✅ドメーヌ型ワイナリー数:99軒
✅現在稼働しているワイナリーの86%は小規模ワイナリー(年間生産量が100kl未満)
✅日本のブドウだけでワインを造っているワイナリーの中で最も生産量が多いのは、北海道ワイン(株)
歴史
✅明治初期:本格的なワイン造りがはじまる
✅1874年:山田宥教と詫間憲久が甲府で本格的なワイン造りをはじめる
✅1877年:祝村(今の勝沼)に初めての民間ワイナリー「大日本山梨葡萄酒会社」が立ち上げ
✅1893年:新潟県で岩の原葡萄園が川上善兵衛によって設立
✅1927年:川上善兵衛がマスカット・ベーリーAやブラック・クイーンを開発
✅1973年:ワイン消費量が前年比162%に→「ワイン元年」
✅1975年:ワイン消費量が甘味果実酒を上回る
✅近年、都市型ワイナリー(アーバンワイナリー)の増加が注目
気候風土
✅基本、内陸性気候か海洋性気候
✅北海道(後志地方:海洋性気候、空知地方:内陸性気候):梅雨がなく降水量が少ないが、生育期間が短い
✅山形県(庄内地方:海洋性気候、その他:内陸性気候):秋雨がなく、生育期間が長くとれる
✅長野県(すべて内陸性気候):降水量少ない、東御市の平均気温はディジョンとほぼ同じ
✅山梨県(盆地の内陸性気候):降水量は長野よりやや多く、日照量は長野と同じ
✅宮崎県:降水量も日照量も多い
✅新潟県(新潟ワインコーストは海洋性気候)
日本ワインは出題頻度が高いので、生産量やワイナリー数まで押さえておきましょう!
気候は海洋性気候の地域を覚えれば、あとは内陸性気候です
ワイン法
✅「果実酒等の製造品質表示基準」(いわゆる、ワインのラベルの表示ルール)
2015年制定→2018年施行 ※管轄は国税庁
✅国産ワイン
・「日本ワイン」:国産ブドウのみを原料として、日本国内で製造された果実酒
・「国内製造ワイン」:日本ワインを含む日本国内で製造された果実酒及び甘味果実酒
✅ラベル表示:85%ルール
【表ラベル】日本ワインの場合のみ、「日本ワイン」という表記、地名、ブドウ品種名、ブドウ収穫年を記すことが可能
【裏ラベル】
①日本ワイン(日本ワインの場合、表示義務あり)
②品目(果実酒など)
③原材料名
④製造者
⑤内容量
⑥アルコール分
✅地理的表示(G.I.)制度
・焼酎(壱岐、球磨、琉球、薩摩)
・清酒(白山、山形、灘五郷、はりま、三重、利根沼田、萩、山梨、佐賀、長野、日本酒)
・ぶどう酒(2013:山梨、2018:北海道、2021:山形、長野、大阪)
・その他の酒類(和歌山梅酒)
✅国産ワインの表示に関する自主規制
・貴腐ワイン(ほとんどが貴腐化された国産ブドウのみを使用)
・氷果ワイン、アイスワイン(ほとんどが氷結ないし凍結した国産ブドウのみを使用)
・クリオエキストラクシオン(人為的に凍結した国産ブドウを圧搾)
・シュールリー(国産ブドウを原料としたワインで発酵終了後瓶詰時点まで滓と接触させ、仕込み後の翌年3月1日~11月30日までの間に容器に詰めたもの)
・限定醸造(総瓶詰本数を告知)
・シャトー、ドメーヌ(使用したすべてのブドウが自園および契約栽培)
・エステート(使用したすべてのブドウが自園および契約栽培、かつ製造場が当該ブドウの栽培地域内)
ラベル表示は仕組みが理解できれば難しくないので、教本の表示例を参考にしっかり頭に入れておきましょう!
G.I.制度では、近年追加となっているG.I.や、ぶどう酒G.I.は指定年も含め覚えましょう!
また、国産ワインの表示に関する自主規制は近年追加事項なので要チェックです
ブドウ品種
✅O.I.V.のリスト掲載→EUに輸出した際に品種名をボトルに記載可能
・2010年:甲州
・2013年:マスカット・ベーリーA
・2020年:山幸
✅甲州
・甲州ブドウの来歴
①雨宮勘解由説
②大善寺説
・2013年 後藤奈美氏の甲州ブドウDNAの解析によりヴィティス・ヴィニフェラのDNAに中国系の野生品種Vitis Davidiiが約3割含まれていることが判明
・日本ワインの中で最多の生産量(全体の15.3%)
・日本の甲州ワインの95.6%が山梨産→山梨県全体の52.3%が甲州
・果皮が厚く、耐病性はある。樹勢は比較的強い。糖度が低いため補糖してワインが造られる
・基本的には柵仕立てで、大半がX字剪定
・デカンタ・ワールド・ワイン・アワード2014で日本ワインとして初の金賞及び地域最高賞を受賞
✅原料用ブドウ品種の主要産地
【白ブドウ】
1位:甲州(①山梨、②島根、③山形)
2位:ナイアガラ(①北海道、②長野、③山形)
3位:シャルドネ(①長野、②山形、③兵庫)
【黒ブドウ】
1位:マスカット・ベーリーA(①山梨、②山形、③長野)
2位:コンコード(①長野)
3位:メルロ(①長野、②山形、③山梨)
✅ワイン原料用国産生ブドウの受入数量
・白/全体1位:甲州(15.3%)
・黒1位:マスカット・ベーリーA(13.6%)
✅主要ブドウ産地における品種別数量【P.105】
1位:山梨(白/全体1位:甲州、黒1位:マスカット・ベーリーA)
2位:長野(白1位:ナイアガラ、黒/全体1位:コンコード)
3位:北海道(白/全体1位:ナイアガラ、黒1位:キャンベル・アーリー)
4位:山形(白1位:デラウェア、黒/全体1位:マスカット・ベーリーA)
5位:岩手(白1位:リースリング・リオン、黒/全体1位:キャンベル・アーリー)
各産地の品種別順位と品種から見た生産地順位は頻出なので、必ず押さえましょう!
✅その他覚えるべき品種
・善光寺(白):竜眼ともいわれる
・キャンベル・アーリー(黒):1897年に川上善兵衛が日本に導入
・デラウェア(白):アメリカのオハイオ州のデラウェア原産(デラウェア州ではない)。白用品種4位
・ベーリー・アリカントA(黒):川上善兵衛が開発。ベーリー×アリカント・ブスケ
・ブラック・クイーン(黒):川上善兵衛が開発。ベーリー×ゴールデン・クイーン
・甲斐ノワール(黒):ブラック・クイーン×カベルネ・ソーヴィニヨン
・マスカット・ベーリーA(黒):川上善兵衛が開発。ベーリー×マスカット・ハンブルグ
・レッド・ミルレンニューム(白):川上善兵衛が開発。白ブドウ
・小公子(黒):ヤマブドウのような極めて小さい粒でバラ房
・山幸(黒):2020年O.I.V.リスト掲載。北海道で開発。ヤマブドウ×清見
・ヤマ・ソーヴィニヨン(黒):ヤマブドウ×カベルネ・ソーヴィニヨン
・甲斐ブラン(白):甲州×ピノ・ブラン
・リースリング・リオン(白):サントリーが開発。甲州三尺×リースリング
・信濃リースリング(白):マンズワインが開発。シャルドネ×リースリング
川上善兵衛氏が開発した品種は頻出です!
✅棚仕立て
・X字型剪定(長梢に剪定、管理に熟練を要し、時間がかかる、樹勢をコントロールしやすい)
・一文字型短梢剪定(短梢に剪定、作業効率が高い、密植も可、採用する栽培家が増加)
・H字型短梢剪定(短梢に剪定、H字型に枝を配置、作業効率が高い)
・改良スマート仕立て(長野県塩尻市で導入が進みつつある)
✅栽培方法の変化
・棚仕立てが主流だが、垣根仕立てが増加傾向(全体の約30%)
・棚仕立て生産量上位品種(①コンコード[黒1位]、②甲州[白1位]、③マスカット・ベーリーA)
・垣根仕立て生産量上位品種(①シャルドネ[白1位]、②メルロ[黒1位]、③ケルナー)
北海道
✅ワイナリー数:46軒
✅日本ワインの年間生産量は第3位
✅欧・中東系品種のワインが多い
✅2010年:ドメーヌ・タカヒコ設立(これ以降、毎年ワイナリーが設立)
✅2011年:余市町がワイン特区に認定
✅2018年:北海道がG.I.指定
✅2020年:池田町ぶどう・ぶどう酒研究所が開発した山幸がO.I.V.に登録
✅平均気温は日本のワイン用ブドウ栽培地で最も低い(ランス、ラインガウとほぼ同じ)
✅空知地方
✅後志地方
・栽培面積、収穫量ともに北海道1位
北海道は地図問も出題されますので、空知と後志の地図上の位置をしっかり押さえましょう!
岩手県
✅ワイナリー数:11軒
✅ヤマブドウとリースリング・リオンを活かしたワイン造り
・リースリング・リオンは日本全体の95%を栽培
山形県
✅ワイナリー数:19軒
✅2016年:上山市「かみのやまワイン特区」、南陽市「ぶどうの里なんようワイン特区」が指定
✅東北最古のワイナリー:酒井ワイナリー(南陽市赤湯町)
✅1916−20年:フィロキセラ被害→デラウェアに切り替わる契機(栽培面積全国1位)
✅赤用品種1位:マスカット・ベーリーA(県生産数量の25.0%を占める)
✅白用品種1位:デラウェア
✅主な産地
・上山市(タケダワイナリー:日本随一のマスカット・ベーリーA古木単独のワイン)
・朝日町(マスカット・ベーリーAの収穫時期が日本で最も遅い)
・南陽市
・高畠市
・庄内地方西荒屋地区(甲州ブドウの栽培地としては最北の地)
山形は2つの特区、東北最古の酒井ワイナリー、朝日町、庄内地区西荒屋地区などがよく問われます!
東北その他
秋田県
✅ワイナリー数:4軒
✅小公子などの野生ブドウとの交配種のワイン造りに注力中
青森県
✅ワイナリー数:10軒
✅日本最大のピノ・ノワールの畑を擁するワイナリーが設立
新潟県
✅ワイナリー数:10軒
✅県初のワイナリー「岩の原葡萄園」
✅角田浜と越前浜に5軒のワイナリーが集積し「新潟ワインコースト」と称している
✅沿岸部一帯は海洋性気候
✅主な産地
・胎内市
・新潟市南区
・南魚沼市
・上越市(岩の原葡萄園)
・新潟ワインコースト(アルバリーニョの栽培が増加中)
北陸その他
富山県
✅ワイナリー数:3軒
✅鮮魚の中卸問屋が氷見でドメーヌ型ワイナリーをスタート→2017年、シャルドネが日本ワインコンクールで金賞を受賞
石川県
✅ワイナリー数:4軒
関東
✅7都県すべてにワイナリーあり
✅栃木県が生産量最大
✅東京都のワイナリー数6軒
✅埼玉県のワイナリー数4軒
✅千葉県のワイナリー数6軒
長野県
✅ワイナリー数:62軒(2020年度)
✅1989年、1990年:リュブリアーナ国際ワインコンクールで桔梗ヶ原産のメルロを使ったメルシャンのワインが大金賞を連続受賞→メルロの産地として注目
✅2008年:東御市が長野県初のワイン特区に認定
✅2013年:信州ワインバレー構想を発表
✅2016年:長野県庁に「日本酒ワイン振興室」が設置
✅日本ワインの生産量は山梨県に次いで第2位(日本全体の24.7%)
✅欧・中東系品種の中でメルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランの生産数量は長野県がトップ
✅コンコードとナイアガラの生産量が多く、2品種で長野県の48%を占める
✅赤用品種の占める割合(59.7%)が高いことが特徴
✅主なワイン産地(以下4つのエリアに区分け)
①桔梗ヶ原ワインバレー
・松本盆地南端の塩尻市全域
・2014年塩尻市がワイン特区に認定
・塩尻ワイン大学を開講
②千曲川ワインバレー
・上田盆地と佐久盆地(佐久市、小諸市、東御市、上田市)、長野盆地(長野市、須坂市、高山村、小布施町、中野市、飯綱町)
・東御市の気温はブルゴーニュ・ディジョンやアルザス・コールマールとほぼ同じ
・県内で最もワイナリー設立が活発(県内のおよそ半数のワイナリーがこの地域にある)
③日本アルプスワインバレー
・松本盆地(塩尻市を除く:大町市、松本市)
④天竜川ワインバレー
・伊那盆地(松川町、宮田村)
・シードル生産が活発化
信州ワインバレーの4つのワインバレーの地図上の位置と、重要性産地がどのワインバレーに属しているかを押さえましょう!
山梨県
✅ワイナリー数:92軒(日本最多)
✅2008年:北杜市が日本初のワイン特区に指定
✅2009年:「Koshu of Japan」発足(甲州ワインの認知度をPR)
✅2013年:山梨がG.I.指定
✅日本ワインの生産量は日本最大(日本全体の26.3%)
✅甲州(52.3%)とマスカット・ベーリーA(26.4%)が主要品種(いずれも日本1位)→2品種で県の生産数量の78.7%
✅デラウェアが多いのも特徴(7.3%)
✅白用品種の生産が多い(65%)
✅主なワイン産地(以下4つに分類)
①甲府盆地東部(甲州市、山梨市、吹笛市)
・日本のワイン造り発祥の地
・大手3社のワイナリー:サッポロビール、マンズワイン、メルシャン
・ワイナリーの7割以上がここにある
・鳥居平@勝沼
②甲府盆地中央部
③甲府盆地北西部(北杜市明野町、韮崎市穂坂・上ノ山、甲斐市)
・サントリーの登美の丘ワイナリー@甲斐市
④甲府盆地西部
山梨県は幅広く問われますので、重要ポイントを押さえて覚えるようにしましょう!
また、地図問にも対応できるように重要産地の位置を把握しましょう!
東海
愛知県
✅ワイナリー数:8軒
✅イタリアで修行を積んだ夫婦のドメーヌ型ワイナリー
静岡県
✅ワイナリー数:8軒
✅中伊豆の観光施設の一環として設立されたワイナリー
三重県
✅ワイナリー数:2軒
✅商工会議所による「ワインづくりプロジェクト」がスタート
岐阜県
✅ワイナリー数:2軒
✅修道院が営むワイナリー
大阪府
✅ワイナリー数:8軒
✅長いワイン造りの歴史をもつ(安土桃山時代からブドウ酒らしき酒が造られていた)
✅本格的なワイン造りは大正時代に始まった
✅ブドウ品種はデラウェアが最多(大阪で生産される日本ワインの40%弱)
✅2013年:大阪ワイナリー協会設立
近畿その他
✅2019年:北陸から九州の65ワイナリーにより西日本ワイナリー協会が設立
京都府
✅ワイナリー数:4軒
兵庫県
✅ワイナリー数:3軒
✅第3セクターのワイナリー
中国・四国
島根県
✅ワイナリー数:5軒
✅甲州の生産量が多い(全国2位)
✅乳業会社が母体のワイナリーあり、小公子のワインによって小公子の知名度が上がった
岡山県
✅ワイナリー数:10軒
✅大手ワインメーカーがあるため年間生産量が多い
✅新見市哲多にドメーヌ型ワイナリー(テラロッサ土壌)
広島県
✅ワイナリー数:7軒
四国
✅徳島県、香川県にそれぞれ1軒、愛媛県、高知県にそれぞれ2軒のワイナリーがある
九州・沖縄
✅ワイナリー数:21軒(宮崎県と大分県が最多:各6軒)
✅九州初のワイナリーは1972年福岡県で設立
大分県
✅ワイナリー数:6軒
✅1965年:安心院町にブドウ園開園
宮城県
✅ワイナリー数:6軒
✅都農町を中心にキャンベル・アーリーなどの栽培が広がる
熊本県
✅ワイナリー数:4軒
✅1999年山鹿市(旧菊鹿市)にワイナリー設立
沖縄県
✅醸造所数:1軒(パイナップルからつくる果実酒。日本ワインを造るワイナリーはない)
✅沖縄に自生する野生ブドウ(リュウキュウガネブ)からワイン造りが模索されている
大分県の安心院町と宮城県の都農町は有名なので覚えましょう
成人一人あたりの都道府県別果実酒と清酒の消費量
✅果実酒(1位:東京、2位:山梨、3位:和歌山)
✅清酒(1位:新潟、2位:秋田、3位:山形)
果実酒は昨年度と順位(3位)が入れ替わっています!
日本おまけ:教本にでてくるワイナリーはどこか?
教本に各地方で注目されるワイナリーの記述がありますが、ワイナリー名が記載されていない部分がいくつかあります。それは実際どこのワイナリーなのか、一部分かる範囲でまとめました。
勉強の合間にどうぞ!
試験には出ませんので、読み飛ばしていただいても結構です!!
北海道
■10Rワイナリー
「岩見沢市に委託醸造を主たる目的としたワイナリーがアメリカ人のブルース・ガットラヴによって設立」
■ド・モンティーユ&北海道(ブルゴーニュのドメーヌ)
■グランポレール北海道北斗ヴィンヤード(国内大手:サッポロビール)
「19年、ブルゴーニュのドメーヌと国内大手のワインメーカーが相次いでヴィンヤードを開園」
■キャメルファームワイナリー(KALDI)
「全国展開をする珈琲の販売会社が著名イタリア人コンサルタントの協力を得て、最新の15万本規模のワイナリーを設立」
東北その他
■サンマモルワイナリー
「下北半島の南側、日本最大のピノ・ノワールの畑を擁するワイナリーが設立され、注目を浴び始めている」
北陸その他
■SAYSファーム
「江戸時代から続く鮮魚の仲間問屋が氷見の活性化を目指して2011年にスタート」
■能登ワイン
■ハイディーワイナリー
■Vin de la bocchi farm & winery/ヴァンドラボッチ ファーム&ワイナリー
■金沢ワイナリー
「石川県のワイナリーは4軒とも2000年以降設立された」
東海
■アズッカ・エ・アズッコ
「愛知県にはイタリアで修行を積んだ夫妻が100%自社畑産のブドウのみのワイン造りをモットーとするドメーヌ型のワイナリーがある」
■多治見修道院
「岐阜には修道院が営むワイナリーがある」
近畿その他
■京都丹波ワイン
「1軒は京都市街から30km以上離れた京丹波町に位置しており、1950年代から続く」
中国・四国
■ドメーヌtetta
「2016年には内陸部の新見市哲多に100%自社畑産のブドウのみでワインを造るドメーヌ型のワイナリーも設立」
■ラ・グランド・コリーヌ・ジャポン
「17年には、フランスのローヌ地方でワインを造ってきた生産者が帰国してワイナリーを設立している」
■奥出雲葡萄園
「雲南市には乳業会社が母体のワイナリーがあり、このワイナリーの小公子のワインによって、この品種の全国的な知名度が上がった」
九州・沖縄
■Nago Pineapple Winery
「沖縄にはワイナリーが1軒あり主にパイナップルから果実酒が造られている」
南アフリカ
南アフリカ概要
✅環境と人に配慮したワイン造りを行うN.W.のリーディングカントリー
✅世界最大のフェアトレードワイン生産国(世界のフェアトレードワインの売上の80%以上)
✅2010年ヴィンテージから世界で初めてサステイナビリティを保証するシールを採用
→W.O.認証ワインの94.3%がこの要件を満たしている
✅生産量の約半数が輸出
✅1918年:「南アフリカワイン醸造者協同組合連合」(KWV)設立
✅1980年:ワイン評価ガイド「プラッターズ・ワインガイド」発刊
✅Tim Atkinによる南アフリカのワイン生産者の格付け
✅1990年:「南アフリカワイン&スピリッツ輸出協会」(SAWSEA)設立
✅1998年:「環境と調和したワイン生産」(IPW)を制定
✅2002年:「ワイン産業倫理貿易協会」(WIETA)を設立
✅2004年:「生物多様性とワインのイニシアティブ」(BWI)を提唱
✅2018年:高樹齢の畑を保護する活動を行う「オールド・ヴァイン・プロジェクト;OVP」が、樹齢35年以上の認定ブドウ畑から造られるワインに、世界で初めて植樹年を記したシールの運用開始
→2021年現在、樹齢35年以上のブドウ畑の面積は4,004ha、最多品種はシュナン・ブラン
✅2022年ヴィンテージ情報
・冷涼なシーズンとなり、ブドウ収穫量は前年比5.5%減(ただし直近5年間の平均よりは多い)
・ブドウの成熟がゆっくりと進行したことで、結果として良質なワインが期待できる
✅歴史
・1655年:オランダ東インド会社のJan van Riebeeckがブドウ栽培を開始
・1659年:ヤン・ファン・リーベックが初めてワインを造る
・1726年:コンスタンシア産の甘口ワインがナポレオンを始めとする英・仏の王族に人気
・1886年:フィロキセラ発生
・1918年:KWV(南アフリカブドウ栽培者協同組合)発足
・1925年:ステレンボッシュ大学のAbraham Perold博士によりピノタージュが誕生
・1971年:ワインツーリズムの先駆けとなる「ステレンボッシュ・ワインルート」が整備
・1994年:アパルトヘイト廃止→ワインの輸出が広がる
・「DOPSOTP」や「Pebbles Project」などアルコール依存症などの社会問題への取り組み
・2020年:南アフリカワイン&スピリッツ輸出協会(SAWSEA)がWOSAに改名
✅気候風土
・ワイン産地は南緯27度~34度に位置
・地中海性気候
・西ケープ州はベンゲラ海流(寒流)の影響で冷涼
・春から夏にかけてCape Doctorと呼ばれる強く乾燥した風が吹く
・2004年に設立されたBWI「生物多様性とワインのイニシアティブ」は現在「Consevation Champion」に改名
南アフリカは、いろんな団体、ガイドライン、提唱があるため、それぞれの名称(略称)と、どういう目的や影響があるのかを整理して覚えましょう!
主なブドウ品種
✅品種別栽培面積
・白/全体1位:シュナン・ブラン(かつてスティーンと呼ばれていた)→栽培面積世界一
・黒1位:カベルネ・ソーヴィニヨン
✅スティーンは1963年CJオルファー教授によってシュナン・ブランと同一品種であることが認定
✅黒ブドウ3位:ピノタージュ(ピノ・ノワールxサンソー、南アフリカ独自のブドウ)
✅ブレンド
・Bordeaux Blend(最も多く、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ主体)
・Rhone Blend(近年人気、シラー主体にムールヴェードルやグルナッシュをブレンド)
・Cape Blend(赤ではピノタージュ主体、白ではシュナン・ブラン主体にブレンド)
✅Hands-off ワイン:人的介入の少ないワインが注目
✅キャップ・クラシック(Méthode Cap Classique;MCC)
・瓶内二次発酵スパークリングワイン
・南アフリカ初のMCCはSimonsigが1971年に生産
・1992年に14の生産者団体によりキャップ・クラシック生産者協会(CCPA)が設立→現在MCC総生産量の90%を占める92の生産者と11のコミュニティ・メンバーが加盟
・CCPAの会長はMCC専門ブランドGraham Beckのセラーマスター、Pieter Ferreira
・2021年ヴィンテージより瓶熟成期間の規定が最低12ヶ月に改訂
シュナン・ブランとピノタージュは南アフリカを代表する品種なので、しっかり押さえましょう!
ワイン法と品質分類
✅1973年:W.O.制定(南アフリカのワイン法)※アメリカより早い
✅1993年:「州域」(Geographical Unit ;GU)の単位規定を制定→6つの州が制定
✅ラベル表示は85%ルール
・W.O.産地名表示は100%
ワイン産地と特徴
✅ワイン生産は6つの州のうち、西ケープ州が9割を占める
✅北ケープ州(国内面積最大)
・サザーランド・カルー地区(南アフリカで最も標高が高く、大陸性の気候を持つ)が注目
✅ワイン産地別栽培面積
1位:ステレンボッシュ
2位:バール
3位:ブリードクルーフ
食文化と料理
✅Cape Malay 料理(アジアのスパイスやアフリカの食材でヨーロッパ料理をアレンジ)
→Bobotie (スパイスの効いた南アフリカ版ミートローフ)
沿岸地域
✅総栽培面積の半分を占める、南アフリカワイン産業の中心地
✅西ケープ州の州都ケープ・タウンと最大栽培地区であるステレンボッシュを擁する
✅コンスタンシアの甘口デザートワイン「Vin de Constance」が1986年に復活し人気
ステレンボッシュ地区
✅ブドウ栽培面積1位
✅ステレンボッシュ大学(ブドウ栽培と醸造学の学位が取れる南アフリカで唯一の大学)
✅1971年:南アフリカで初のワインルートが設立
✅8つの小地区が公式登録
・Simonsberg-Stellenboasch小地区(パール地区との境界線となるシモンスバーグ山の山麓に広がり、ボルドータイプの赤ワインで有名)
・Banghoek小地区(シャルドネやシュナン・ブランの白ワイン)
・Jonkershoek Valley小地区(標高1494mのツインピークスに隔たれている)
・Vlottenburg小地区(2020年に新規登録)
パール地区
✅ブドウ栽培面積2位
✅南アフリカで2番目に古いワインルートあり
フランシュフック/フランシュフック・ヴァレー
✅「French Corner」を意味する地名
✅26の生産者が「フランシュック・キャップ・クラシック・ルート」を形成
ダーリン地区
✅ソーヴィニヨン・ブランの先駆者的存在
スワートランド地区
✅西ケープ州で総面積としては最大
✅2022年、新たにPorseleinbergとPiket-Bo-Bergが加わり、小地区が7つに
✅スワートランドのテロワールを反映した高品質なワインを目指す18の生産者が「スワートランド インデペンデント プロデューサーズ」(SIP)を結成
トゥルバッハ地区
✅三方を山々に囲まれた馬蹄形の土地による、自然のもたらす冷却効果「コールドトラップ」
ウェリントン地区
✅南アフリカのワイン産業で使われる苗木の85%以上を供給
ケープタウン地区
✅2017年新たに追加された地区
✅4つの小地区
✅コンスタンシア小地区は南アフリカで最も歴史あるワイン産地の1つ
ブレード・リヴァー・ヴァレー地域
✅ブドウ栽培面積は南アフリカの1/3を占める
✅白が多く、シュナン・ブランとコロンバールの主要産地
ロバートソン地区
✅シャルドネに定評
✅キャップ・クラシックの評価も高い
ウスター地区
✅KWVのブランデー蒸溜所があり、ブランデーの一大産地
ケープ・サウス・コースト地域
✅西ケープ州最南
✅オーヴァーバーグ地区の小地区エランズクルーフ/カーイマンズハットは高標高の山々に囲まれた冷涼な地域→上質なピノ・ノワールが生産
エルギン地区
✅リンゴや洋梨の果樹園が農地の8割を占める→「Appletiser®」の故郷
✅世界で初めて生物多様性を謳ったワインルート「Green Mountain Eco Route」の一部
ウォーカー・ベイ地区
✅ホエールウォッチングで有名
✅1975年設立のHamilton Russellが、南アフリカにおけるピノ・ノワールの先駆者
ケープ・アガラス地区
✅アフリカ最南端
クレイン・カルー地域
✅Calitzdorp地区はブランデーの産地としても有名
Olifants River/オリファンツ・リヴァー地域
✅Piekenierskoof小地区は有機栽培が盛ん
どの地区がどの地域に位置しているかを中心に押さえましょう!
重要地区は地図上の位置も押さえておきましょう!

日本、南アフリカ 予想問題
理解度の確認のため、10問全問正解するまで帰れま10にチャレンジしてみましょう!
10問全問正解するまで何度もチャレンジしてみてください。問題には教本の該当ページを記載してありますので、間違った問題や解答に迷った問題は、都度教本に戻って復習してみてください。
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