ソムリエ/ワインエキスパート試験対策について、教本の出題ポイントをまとめています
昨年度からの変更点や、頻出箇所などポイントを抑えて解説します
最後に確認問題を掲載してありますので、理解度の確認に使用してください!
昨年からの主な変更点
ジョージア
- P.D.O.数が29に更新(前年は25)【全体】
- 歴史の説明文一部追記(2008年にはジョージア軍と~実効支配が及んでいない。)【P.403】
- 主なブドウ品種の一覧と該当する説明文に、アスレトゥリ・シャヴィとウサヘロウリが追加【P.405-406】
- カヘティにセガアニP.D.O.が追加【P.408】
- カルトリにアレストゥリ・シャラP.D.O.とオカミP.D.O.が追加【P.412】
- ラチャとレチュフミにオクレシス・ウサヘロウリP.D.O.が追加【P.413】
ジョージアは4つのP.D.O.が追加となっています!
ルクセンブルク
- ワイン法と品質分類の説明文一部追記(なお、2022年のオーガニック認証畑は~転換中が107.6ha。)【P.800】
ルクセンブルクは大きな変更点はありませんが、オーガニック認証畑の記載が一文追記されています
スロヴェニア
・大きな変更なし
クロアチア
・大きな変更なし
ルーマニア
・大きな変更なし
ブルガリア
・大きな変更なし
モルドバ
・大きな変更なし
ジョージア
ジョージア概要
✅紀元前6000年頃 コーカサス山脈から黒海にかけての地域でワイン造り始まる
→ヴィティス・スルベストリ種を祖先に持つヴィティス・ヴィニフェラ種がこの地域から始まる
✅クヴェヴリと呼ばれる壺でワインを醸造→2021年に製品の原産地呼称(A.O.G.)と地理的表示保護制度(G.I.)に登録
✅2013年クヴェヴリによる伝統的なワイン造り、2016年ジョージア文字がユネスコ世界無形文化遺産
✅525種の土着品種
✅8000年に及ぶワイン造りの歴史
✅337年にキリスト教を国教として認めた世界でも最初の国の一つ
✅自宅でワインを造る習慣があり、免許がなくても販売が自由にできる
✅ジョージアワインの輸出(1位ロシア、2位ポーランド、3位ウクライナ、4位中国)、日本は17位
✅気候
・東部:乾燥した大陸性気候
・西部:湿潤な亜熱帯気候(黒海の東端に位置)
✅地方料理と食材
・Matsoni(自家製の発酵乳製品)
・Ebro(澄ましバター。パンの原料としても使われる)
✅おもてなし文化(Supra)
・宴を取り仕切るのはTamada
・乾杯の発声はGaumarjos
プロフィールや歴史は重要なキーワードを中心に押さえましょう
ジョージアワインの輸出順位も変動がありますので要チェックです
また、地方料理と、おもてなし文化はよく出題されるので用語の意味を確認しましょう
主なブドウ品種
✅ブドウ栽培面積
東部のカヘティ(76.7%)、西部のイメレティ(14.6%)
✅ブドウ品種
【白ブドウ】1位/全体1位:ルカツィテリ(栽培面積の34.5%を占める)
【黒ブドウ】1位:サペラヴィ(栽培面積の30%を占める)
✅4つの重要品種
①ルカツィテリ(白):カヘティ地方の主要品種、西部の温暖で湿度が高い気候に適さない
②サペラヴィ(黒):全土で広く栽培、品種名は「色を付ける」という意味
③ムツヴァネ・カフリ(白):カヘティ地方で栽培、クヴェヴリ製法に使用
④ツォリコウリ(白):イメレティ地方で栽培、晩熟で酸が高めで生き生きしている
重要品種以外のブドウ品種は産地と紐づけて覚えましょう
ワイン法
✅10の栽培地域、29のP.D.O.が登録されている(うち20がカヘティ地方)
✅ワイン醸造
①ヨーロッパ式(European method):近代的なワイン醸造法
②モダン式(Modern method):タンクにて果皮・種ごと発酵する手法
③クヴェヴリ醸造(Qvevri method):クヴェヴリで発酵を行う方法
・野生酵母を使用
・Maraniと呼ばれるセラーでSatsnakheliと呼ばれる木製の槽を使ってブドウを踏み潰す
・Chachaと呼ばれる果汁、果皮、茎、種と一緒にクヴェヴリに入れ発酵
→オレンジワインの原点(ジョージアでは琥珀のワイン/Amber Wineと呼ぶ)
・果皮のマセラシオン期間(赤:1ヶ月、白:5〜6ヶ月)
・dedaze:果汁とともに果皮、茎、種などを漬け込みクヴェヴリで発酵したワイン
・udedo:ジュースのみを使用しクヴェヴリで発酵するワイン
P.D.O.数が更新されていますので覚えましょう
クヴェヴリ醸造は頻出箇所なので、使われる器具の名前などもしっかり押さえましょう!
ワイン産地と特徴
✅ワイン産地は10に分かれる
✅最大産地は東部のカヘティ
✅西部のイメレティはクヴェヴリ・ワインで知られる
カヘティ
✅東部に位置し、ジョージアで最も重要なワイン産地
✅栽培地区は、シダ・カヘティ地区(インナー・カヘティ)とガレ・カヘティ地区(アウター・カヘティ)に分かれる
✅最も広く栽培されているのはルカツィテリ
✅ジョージアの29のP.D.O.のうち、20がカヘティにある
✅地方料理
・Shilaplavi(ジョージア版リゾット)
・Churchkhela(ジョージアで最もポピュラーな伝統菓子)
✅カヘティP.D.O.
・ジョージア最大のP.D.O.
✅テリアニP.D.O.
・ジョージアで唯一の国際品種で造るP.D.O.(カベルネ・ソーヴィニヨン)
✅ツィナンダリP.D.O.
✅ムクザニP.D.O.
✅セガアニP.D.O.(今期追加)
✅アホエビP.D.O.
✅キンズマラウリP.D.O.
✅キシ・マグラアニP.D.O.(キシから造る辛口白ワインと伝統的製法で造るアンバーワイン)
✅サペラヴィ・ハシミP.D.O.(アウター・カヘティ)
✅マナヴィP.D.O.(アウター・カヘティ)
カヘティを中心に覚えましょう!
カルトリ
✅カヘティとイメレティに挟まれ、首都トビリシがある
✅地方料理
・Chakhrakina(ハチャプリの一種)
✅アテニP.D.O.
✅ボルニシP.D.O.
✅アスレトゥリ・シャラP.D.O.(今期追加)
✅オカミP.D.O.(今期追加)
メスヘティ
✅ジョージア最古の産地の1つ
イメレティ
✅西部の代表的産地
✅クヴェヴリは、ここではChuriと呼ばれる
✅地方料理
・Pkhali(季節のハーブや野菜をペースト状に固めた前菜。ホウレン草やビーツのプハリが定番)
✅スヴィリP.D.O.(唯一のP.D.O.)
イメレティは第2の産地なので地図上の位置も含め覚えておきましょう
ラチャとレチュフミ
✅地方料理
・Shkmeruli(鶏肉をニンニク、バター、牛乳と煮込むラチャ発祥の郷土料理)
✅フヴァンチカラ P.D.O.(赤のセミスイートワイン)
✅トゥヴィシ P.D.O.(白のセミスイートワイン)
✅オクレシス・ウサヘロウリP.D.O.(今期追加)
黒海沿岸部
✅地方料理
・Khachapuri(パン。ハチョ=チーズ、プリ=パンを意味し、チーズ入りハチャプリはジョージア各地で作られる)
✅サルヒノ・オジャレシ P.D.O.
・サメグロに位置
・オジャレシから造られる辛口赤ワイン
カヘティ、イメレティ以外の産地は各P.D.O.がどの産地に位置しているかを押さえましょう
ルクセンブルク
ルクセンブルク概要
✅フランス、ドイツ、ベルギーと国境を接する
✅政府ドメーヌのオリジナルワインあり
✅ワイン産地はモーゼル川左岸(南北約42km)
✅急斜面が多く、9割が白ワイン(その3割が瓶内二次発酵のスパークリングワイン)
✅土壌
・モーゼル川北部:貝殻石灰岩土壌(Muschelkalk)
・モーゼル川南部:泥土岩(Keuper)
✅ルクセンブルクの「1人当たりのワイン消費量」は40.8L→この数年減少傾向だが世界的にはワイン消費上位国
✅1886年シャンパーニュ製法が伝えられた
・シャンパーニュ・メゾン「Mercier」が製造設備を設けた
✅1921年、シャンパーニュで研鑽を積んだルクセンブルク人醸造家Jean Bernard-Massardが醸造所「Bernard-Massard」を創設→ルクセンブルクの高品質スパークリングワインが国際的に定着するきっかけとなる
主なブドウ品種
✅スティルワインは伝統的に単一品種で造られる
✅ブドウ栽培面積1位:リヴァネール(=ミュラー・トゥルガウ)、2位:ピノ・グリ
✅ピノ・ノワールの生産量が増加(作付面積は2020年以降10%まで拡大)
ワイン法と品質分類
✅2015年新A.O.P.法を導入
・Lieu-dit:最上の畑のワイン。手作業で選果しながら収穫。「プルミエ・クリュ」「グラン・プルミエ・クリュ」の格付けも併記可能
・Coteaux de:優良な畑のワイン。手作業による収穫
・Côtes de:調和のとれた日常ワイン
✅クレマン・ド・ルクセンブルク
・瓶内二次発酵、最低9ヶ月瓶内熟成
・ミレジメ呼称は瓶内熟成24ヶ月以上必要
✅2021年収穫からA.O.P.ワインとクレマン・ド・ルクセンブルクに新しいロゴとボトルキャップを義務付け→2019年ヴィンテージから徐々に導入
ボトルキャップのロゴは、真ん中の「X」がLUXEMBOURGのXを表し、周りの模様はワイングラスを表しているそうです
✅2020年からブドウ栽培におけるグリホサート(除草剤)の使用禁止→持続可能なブドウ栽培、オーガニック比率の上昇を目指す
クレマン・ド・ルクセンブルクのボトルキャップの新ロゴは絵で覚えるようにしましょう!
グリホサートの禁止の記載は近年追加された事項です
ワインの産地と特徴
✅北部(スタットブレディムスより北)
・急斜面が多く、ムッシェルカルクという貝殻石灰岩土壌が多い→エレガントでミネラリティ豊か、しっかりとした酸を持つワイン
✅南部(レーミッヒより南)
・コイパーという泥土岩→やわらかでふくよか、奥行きのあるフルボディで調和のとれたワイン
北部、南部の違い(土壌、ワインの味わい)は対比させて覚えましょう!
スロヴェニア
スロヴェニア概要
✅イタリアのトリエステの東側、西にアドリア海、北にアルプス山脈、東にハンガリー平原
✅1991年に旧ユーゴスラヴィアから独立、2004年にEU加盟
✅ブドウ生産者の9割が畑面積1ha未満の小規模生産者
✅2022年のブドウ総生産量は前年比3%減
✅2021/2022年のワイン生産量の71%を白ワインが占める
✅単一品種から造るワインが主流、白が多い。赤の大部分はプリモルスカ地域で造られる
✅気候
・プリモルスカ地域:地中海性気候
・ポドラウイエ地域:大陸性気候
・ポサウイエ地域:半大陸性気候
各地域の気候区分はよく問われますので押さえましょう
主なブドウ品種
✅栽培面積1位:ラシュキ・リースリング(白ブドウ)、2位:レフォシュク(黒ブドウ)
ワイン法と品質分類
✅2008年にEU基準に基づきP.G.I.、P.D.O.が導入されたが、古くから使われているZ.G.P.も使用
✅P.G.I.(地理的表示保護)
・Deželno vino P.G.O.:地理的表示ワイン
✅P.D.O.(原産地呼称保護)
・Kakovostno vino Z.G.P.:統制保証原産地上級ワイン(補酸、減酸は不可)
・Vrhunsko vino Z.G.P.:統制保証原産地産最上級ワイン(補糖、補酸、減酸は不可)
→遅摘みや貴腐ブドウから造ったワインにはプレディカートを併記可能
✅P.T.P.(統制保証原産地産伝統的なワイン)
・多くはエントリーレベルのワインで、地域特有のワインスタイルを定義するもの
✅Namizno vino(テーブルワイン)
品質分類はどの分類がどのレベルのワインかを押さえておきましょう
オレンジワイン
✅オレンジワインで有名なイタリア・フリウリのゴリツィアと、プリモルスカ地方は隣接
✅2012年に世界で初めてオレンジワイン・フェスティバルがスロヴェニアで開催
地方料理と食材
✅Kranjska klobasa(スロヴェニアを代表するソーセージ)
✅Štruklji(スロヴェニア全土でみられる日常的な生地にフィリングを巻き込んだ料理)
✅Ričet(大麦と肉や野菜を巻き込んだ伝統料理)
主なワイン産地
プリモルスカ地域
✅統制保証原産地区(4地区):Goriška Brda、Vipavska Dolina、Kras、Slovenska Istra
✅スロヴェニアで一番温暖な地域
✅Slovenska IstraやKrasでは、スロヴェニアでは珍しく赤品種も多く栽培
✅クラス地区
・プリモルスカで最も小さな地区(Krasはカルストを意味)
・ここの赤土(テラロッサ)から生まれるレフォシュクは、「Kraški Teran」として有名
ポドラウイエ地域
✅統制保証原産地区(2地区):Štajerska Slovenija、Prekmurje
✅地区
・上質な白ワインの産地
・スロヴェニアで最古かつ最大のスパークリングワインメーカーがある
✅地区
・スロヴェニア最北東部に位置し、同国で2番目に小さいワイン産地
ポサウイエ地域
✅統制保証原産地区(3地区):Dolenjska、Bizeljsko-Sremič、Bela Krajina
・ポサウイエ地域はスロヴェニアで最も小さい生産地区だがモドラ・フランキーニャでは最大の生産量を誇る
・「Cviček」というロゼが代表的
・ビゼルスコ・スレミッチュ地区にはRepniceといわれる地中のワインセラーがある(レプニツェはカブの洞窟の意味)
3つの地域の特徴をポイントを押さえて覚えていきましょう
統制保証原産地区は、それぞれどの地域に位置するかを押さえましょう
クロアチア
クロアチア概要
✅正式な国名は「Hrvatska」
✅ゲミシュト:白ワインを炭酸で割った飲み方
✅べヴァンダ:赤ワインを水で割った飲み方
✅赤ワインのことを「crno vino」黒ワインと呼ぶことが多い
✅遺伝学者Carole Meredith博士らが行ったDNA鑑定でダルマチアの土着品種ツェリニナック・カシュテランスキやトリビドラグがプリミティーボやジンファンデルと同種であることが判明
✅気候
・ダルマチア沿岸部およびイストラ:地中海気候
・内陸部:大陸性気候
主なブドウ品種
✅栽培面積1位:グラシェヴィナ(白)、2位:マルヴァジア(白)、3位:プラヴァッツ・マリ(赤)
✅グラシェヴィナで全体の3割、上位3品種で全体の約半分を占める
土着品種は名前だけでなく、白ブドウか黒ブドウかも問われることがあります
ワイン法と品質分類
✅地理的表示は、4つのワイン産地、12のサブリージョン、72の小地区が制定
✅P.D.O.ワインをクロアチアではZOIと書かれることあり
✅クロアチアワインは大きく3つに分けられる
1)テーブルワイン
2)クオリティワイン
3)プレミアムワイン
テーブルワイン
✅Stolno vino:原産地表示なしテーブルワイン
✅Stolno vino s kontroliranim podrijetlom:原産地表示付きテーブルワイン
・4つのリージョンいずれかで生産
上級ワイン(クオリティワイン、プレミアムワイン)
✅Kvalitetno vino s kontroliranim podrijetlom(統制保証原産地産上級ワイン)
・12のサブリージョンのいずれかで生産
✅Vrhunsko vino s kontroliranim podrijetlom(統制保証原産地産最上級ワイン)
・72の小地区のうちの1つで生産
・補糖、補酸、減酸は不可
・遅摘みや貴腐ブドウから造ったワインにはプレディカートを併記可能
クロアチアの料理
✅アドリア海沿いでは地中海料理
✅イストラ半島はトリュフや牡蠣の産地として有名
✅Peka(鉄鍋で長時間かけて肉を蒸し焼きにする、ごちそう)
✅Pršut生ハムはイストラとダルマチアが2大産地
ワインの産地と特徴
✅2019年に4産地の区分けとなった
①スラヴォニアとクロアチアンドナウ
②クロアチア高地
③イストラとクヴァルネル
④ダルマチア
✅12のサブリージョン(Podregija)、72の小地区(Vinogorje)
スラヴォニアとクロアチアンドナウ
✅穏やかな大陸性気候
✅フルヴァツコ・ポドゥナヴィエ
・クロアチア最東部
・100年以上の歴史を持つトラミナッツ(ドライもしくはセミドライで造られる)
✅スラヴォニア
・クロアチア最大規模
・最も高い斜面にある畑から造られるアイスワインは国際的に高い評価
・グラシェヴィナ(白)が代表的な品種
・赤品種ではフランコヴカ(ブラウフレンキッシュ)が多い
クロアチア高原
✅首都ザグレブを囲む丘陵地帯
✅プリゴリエ・ビロゴラ
・首都ザグレブを有する
✅プレシヴィツァ
・「ポルトギザッツ」(ポルトギーザー)の新酒が名物→クロアチア版ボージョレ・ヌーヴォー
イストラとクヴァルネル
✅フルヴァツカ・イストラ
・この20年あまりで「イストラ品質」と言われるほどクオリティが向上
・マルヴァジア(白)、テラン(赤)が代表的な品種
✅フルヴァツコ プリモリエ
・クルク島のズラフティナは「金のズラフティナ」として広く知られる
・海底30mで熟成させたズラフティナのスパークリングワインも生産
ダルマチア
✅シエヴェルナ・ダルマチア
・グルナッシュで造られる「Rosé Benkovac」(クロアチアで最も有名なロゼワイン)
✅スレディニャ イ ユジュナ ダルマチア
・クロアチアにおけるワイン生産のルーツともいえる場所
・プラヴァッツ・マリ(赤)が代表的な品種
・ドゥブロヴニク近辺でマルヴァジアから造られるワインは最も古いワインのひとつ
クロアチアは、上記代表的なワイン産地の地図上の位置と気候、さらには特徴的なブドウ品種を押さえましょう!
ルーマニア
ルーマニア概要
✅東は黒海に面している
✅ワイン造りは4000年前にさかのぼることができる
✅温帯大陸性気候
✅Ciorbă (ボルシという麦を発酵させ酸味豊かな液体調味料を入れたスープ)
主なブドウ品種
✅代表的な土着品種
[白ブドウ]
・フェテアスカ・アルバ:「白い乙女」の意味。リンデンの花を思わせるエレガントなワインとなる。全体の10%栽培
・フェテアスカ・レガーラ:「王家の乙女」の意味。ボディーがしっかりして、グレープフルーツや白胡椒のニュアンス。全体の15%栽培(ルーマニアで1番多く栽培)
・グラサ・デ・コトナリ:「大粒」の意味。貴腐ブドウとしての栽培にも向いている
・タマヨアサ・ロマネアスカ:Muscat Blanc à Petits Grainsと同一品種
[グリブドウ]
・ブスイオアカ・デ・ボホティン:「バジル」の意味。Muscat Blanc à Petits Grainsの突然変異から生まれたグリブドウで、ロゼワインに使われる
[黒ブドウ]
・バベアスカ・ネアグラ:「黒い貴婦人」の意味。モルドバのララ・ネアグラと同じ。フルーティーで軽やかなワイン
・フェテアスカ・ネアグラ:「黒い乙女」の意味。高品質なワイン向き。モルドバの土着品種
・ネグル・デ・ドラガシャニ:「ドラガシャニの黒」の意味
✅主な国際品種はメルローが最大
ルーマニアの土着品種は頻出です!名前の意味やブドウの色、さらにはモルドバの土着品種と対比させて覚えましょう
ワイン法と品質分類
主な品質分類
✅D.O.C.ワイン(原産地統制呼称):34件
✅I.G.P.ワイン(地理的表示保護):12件
✅ヴァラエタルワイン:D.O.C.とI.G.P.以外で、許可されているブドウ品種名が表示され、そのブドウ品種が85%以上使用されているワイン
✅テーブルワイン
✅交雑種(ハイブリッド)ワイン
収穫時期を示す分類(D.O.C.のみ表示可)
✅D.O.C.-CDM:完熟期に収穫されたブドウ
✅D.O.C.-CT:遅積みブドウ
✅D.O.C.-CIB:貴腐ブドウ
熟成期間による分類(D.O.C.とI.G.P.ともに表示可)
✅Rezervă:樽熟6ヶ月以上に加え、瓶熟6ヶ月以上
✅Vin de vinotecă:樽熟1年以上に加え、瓶熟4ヶ月以上
✅Vin tânăr:新酒
ワインの産地と特徴
✅デアルリレ・モルドヴェイ
・ルーマニアで1番広く歴史の古いブドウ栽培地方
・旧モルドバ公国だった地方
・コトナリの甘口白ワインは有名
✅バナット
・ポドゾル(灰白土)が特徴
✅クリシャナ・シ・マラムレシュ
・ルーマニアの1番北にあるワイン産地
ワイン法とワイン産地はポイントだけ押さえましょう
ブルガリア
ブルガリア概要
プロフィール
✅バルカン半島に位置し、北部はドナウ川、東部は黒海に接している
✅日本におけるスティルワインの輸入国として、ブルガリアはオーストリアに次いで13位
✅商業的ワインのうち、地理的表示のないワインがおよそ6割を占める
歴史
✅トラキア人(ブルガリア人の祖先)
✅古代ギリシャの酒神ディオニソスはトラキアの神ザグレウス(遊びとワインの神)が起源
✅リュトン(青銅、銀、金で作られた角などの形をしたワインを飲む容器)
✅19世紀後半フィロキセラが発生→1896年にブドウ樹の保護のための機関が設立。フランスのモンペリエから専門家Pierre Vialaが招聘
✅1968年~70年にカリフォルニア大学デイヴィス校のMaynard Amerin教授がワイン造りに関する技術指導を実施
✅1980年代にブルガリアのカベルネ・ソーヴィニヨンが英国で一大ブーム
気候風土
✅東西にバルカン山脈が走り、山脈の北側と南側では気候が大きく異なる(北側:ドナウ平原、南側:トラキア・ヴァレー)
地方料理と食材
✅SHARENA SOL(ブルガリアの代表的なハーブソルト)
✅LYUTENITSA(ブルガリアの伝統的なスプレッド。ソウル・フード)
✅BANITSA(極薄のパイ生地で種々の具材を包み焼いたもの。ソウル・フード)
✅RAKIYA(バルカン半島でポピュラーな食前酒、アルコール度数40度以上)
主なブドウ品種
✅栽培面積白1位:ミュスカ・オットネル、白2位:ルカツィテリ、赤/全体1位:メルロ
✅主な土着品種
[白ブドウ]
・ミスケット・チェルヴェン=レッド・ミスケット:古い固有品種、「バラの谷」(ローズヴァレー)で栽培
・ヴラチャンスキ・ミスケット:古い固有品種
・サンダンスキ・ミスケット:メルニックとタミャンカの交配品種
・タミャンカ:糖度が高く高品質なワインとなる
・ディミャット:古い固有品種、白ブドウ栽培面積の10%を占める
・ブルガリアン・リースリング:ディミャットとライン・リースリングの交配品種
[黒ブドウ]
・マヴルッド:古い固有品種、熟成向きフルボディのワイン
・メルニック:古い固有品種、正式名称はシロカ・メルニシュカ・ロザ
・メルニック55(ランナ・メルニシュカ・ロザ):シロカ・メルニシュカ・ロザとヴァルディギエの交配品種
・ルビン:シラーとネッビオーロの交配品種
・パミッド:古い固有品種、早のみタイプのテーブルワイン
・ガムザ:東ヨーロッパの他の国々ではカダルカと呼ばれる
・ルエン:シロカ・メルニシュカ・ロザとカベルネ・ソーヴィニョンの交配品種
土着品種は品種名とブドウの色、古い固有品種や交配などを中心に覚えましょう
ワイン法と品質分類
✅P.D.O.(原産地呼称保護):52の生産地、認定地域のブドウのみを使用
✅P.G.I.(地理的表示保護):トラキアヴァレーとドナウ平原の2つ、当該地域のブドウを85%以上使用
特定表示
✅P.D.O.ワインは以下の特定表示が可能
・Barrique:アルコール発酵が500リットルまでの容量のオーク樽で行われる場合
・Premium OakまたはFirst filling in oak barrel(新樽詰め):500リットルまでの容量の新しいオーク樽で熟成されていることが条件
・Special Reserve:特定地域で生産され、1年間以上熟成されたワイン
・Special Selection:特定地域で生産され、2年間以上熟成されたワイン
✅P.G.I.ワインで単一のブドウ品種を使用する場合以下の表示が可能
・Premium:収穫量がその生産者の全収穫量の1/10以下、かつ最高の品質を持つワイン
・Premium Reserve:収穫時の最高ロットのワインで、プレミアム・ワインのロットを使い切った後に市場で販売されることを条件に使用
✅P.D.O.またはP.G.I.で表示可能
・Reserve:収穫年の11月から最低1年間熟成したもの
・NewまたはYoung:新酒。翌年の3月1日まで販売可能
✅ヴィンテージ表示:その年に収穫されたブドウ100%から生産されたもの
✅単一品種表示:P.D.O.ではブドウ100%、それ以外ではブドウの85%以上がその品種
ワイン産地と特徴
✅北部:ドナウ平原(P.G.I.)
・ブルガリア北部
・最大のワイン産地のひとつで、ブルガリア全体の3割を占める
✅東部:黒海沿岸(P.D.O.)
・北半分がドナウ平原P.G.I.、南半分がトラキア・ヴァレーP.G.I.に重なる広域P.D.O.
・ディミャットを始めとした白品種に定評
✅南部:トラキアヴァレー(P.G.I.)
・ブルガリア南半分を占めるP.G.I.
・南部はオーガニック栽培も可能
・プロヴディフ近郊のアセノフグラッドを中心とした地域はマヴルッドの故郷
✅南西部:ストゥルマ渓谷(P.D.O.)
・トラキア・ヴァレーP.G.I.の西部と重なる
・火山性の土壌
・メルニックに定評
ワイン産地は微妙に重なり合っていますが、4つしかないので地図上の位置も含めて覚えましょう!
モルドバ
モルドバ概要
✅プルート川(ルーマニア側)とニストル川(ウクライナ側)に挟まれている
✅ワイン造りは5000年前に遡ることができる
✅ダキア人がワイン造りを行い、その後ローマ人やギリシャ人とブドウ栽培や醸造の技術交換
✅モルドバ公Ştefan cel Mareの時代にpaharnic「杯を持つ人」という役職を定め、ワインの管理をさせた
✅モルドバワインのコウノトリとブドウのマーク
✅気候
・大陸性気候
・土壌の約75%は腐食土を豊富に含んだ黒土(Chernozem)
主なブドウ品種
✅国際品種が約73%
✅ワイン用ブドウ畑の割合(個人所有畑36%、ワイナリー30%、有限会社11%、組合4%)
✅主な土着品種
[白ブドウ]
・フェテアスカ・アルバ:「白い乙女」の意味。モルドバ公国原産。明るい色調でフレッシュで果実や花の香が豊かなアロマティック品種
・フェテアスカ・レガーラ:「高貴な乙女」の意味。フレッシュで香り豊かなアロマティックな品種
・ヴィオリカ:セイベル13666とアレアティコの交配品種
[黒ブドウ]
・フェテアスカ・ネアグラ:「黒い乙女」の意味。モルドバ公国原産。高品質なワインになる
・ララ・ネアグラ:ララは「貴重」という意味。ボルドー系品種と相性が良い。ルーマニアでは「バベアスカ・ネアグラ」と呼ばれる
モルドバも土着品種は頻出ですので押さえましょう
また、プロフィールもよく問われますのでポイントを押さえて覚えておきましょう!
ワイン法と品質分類
✅D.O.P.(原産地呼称保護)
・ロマネシュティとチュマイの2ワイナリーが登録
✅I.G.P.(地理的表示保護)
・4つの地域が登録(①コドゥル、②シュテファン・ヴォダ、③ヴァルル・ルイ・トラヤン、④ディヴィン)
✅家庭ワイン
・家庭内もしくは個人消費用に申請なくワイン造りが許されている
ワインの産地と特徴
中央部
✅コドゥル
・「森林地帯」を意味
・ブドウ栽培面積最大
・白ブドウが63%を占める
・巨大な地下セラーで有名なCricova村
・保管されているワインボトルの数が200万本でギネス世界記録に認定されているMileştii Mici村
南東部
✅シュテファン・ヴォダ
・モルドバの南東にあるワイン生産地
・ララ・ネアグラを最も多く栽培
・赤ワイン用ブドウ栽培の割合が57%
南西部
✅ヴァルル・ルイ・トラヤン
・赤ワインが60%を占める
・デザートワインが有名
・Ciumaiなどの村が位置する
全域
✅ディヴィン
・ブランデーに与えられたI.G.P.
・2回の蒸留過程を経て、最低3年間オーク樽で熟成
・ディヴィンは、「ワインから」、「天からきたもの」という2つの意味を持つ
ワイン産地は地図上の位置も含めて覚えるようにしましょう
その他旧世界②(ジョージア、ルクセンブルク、スロヴェニア、クロアチア、ルーマニア、ブルガリア、モルドバ) 予想問題
理解度の確認のため、10問全問正解するまで帰れま10にチャレンジしてみましょう!
10問全問正解するまで何度もチャレンジしてみてください。問題には教本の該当ページを記載してありますので、間違った問題や解答に迷った問題は、都度教本に戻って復習してみてください。