【ソムリエ/ワインエキスパート試験2024】その他旧世界①〜ハンガリー、スイス、ギリシャ、英国〜

ソムリエ/ワインエキスパート試験対策について、教本の出題ポイントをまとめています
昨年度からの変更点や、頻出箇所などポイントを抑えて解説します
最後に確認問題を掲載してありますので、理解度の確認に使用してください!

表示の説明

各項目の出題ポイント、ヒントはボックスで示しました
必ず押さえておくべき用語は青字、人名は赤字、ブドウ品種は緑字で表示しています
その他黒字の部分もできるだけ広く覚えるようにしましょう!
また、重要な箇所は黄色のアンダーラインで示しています

  1. 昨年からの主な変更点
      1. ハンガリー
      2. スイス
      3. ギリシャ
      4. 英国
  2. ハンガリー
    1. ハンガリー概要
    2. 主なブドウ品種
    3. ワイン法と品質分類
    4. ゼンプレーンP.G.I.
      1. トカイP.D.O.
    5. ドゥナーントゥールP.G.I.(バラトン湖以北)
      1. エチェク・ブダP.D.O.
      2. エチェキ・ペシュグーP.D.O.
      3. ケーセグP.D.O.
      4. モールP.D.O.
      5. ネスメーイP.D.O.
      6. パンノンハルマP.D.O.
      7. ショプロン/ウデンブルグP.D.O.
    6. バラトンメッレーキP.G.I.
    7. バラトンP.G.I.
      1. バダチョニP.D.O.
      2. バラトンボグラールP.D.O.
      3. バラトンフェレド・チョパクP.D.O.
      4. チョパクP.D.O.
      5. カーリP.D.O.
      6. ナジ・ショムローP.D.O.
      7. ショムローP.D.O.
      8. シュメグP.D.O.
      9. ティハニP.D.O.
    8. ドゥナーントゥールP.G.I.(バラトン湖以南)
      1. パンノンP.D.O.
      2. ペーチP.D.O.
      3. セクサールドP.D.O.
      4. トルナP.D.O.
      5. ヴィッラーニP.D.O.
    9. ドゥナ・ティサ・クズィP.G.I.
      1. ハヨーシュ・バヤP.D.O.
      2. イジャーキ・アラニ・シャールフェヘールP.D.O.
      3. クンシャーグP.D.O.
      4. モノルP.D.O.
    10. フェルシェー・マジャロルサーグP.G.I.
      1. デブレーイ・ハールシュレヴェリューP.D.O.
      2. エゲルP.D.O.
  3. スイス
    1. スイス概要
    2. ワイン法と品質分類
    3. スイス・ロマンド(フランス語圏)
      1. ヴァレー
      2. ヴォー
      3. ジュネーブ
      4. ヌーシャテル
      5. ジュラ
    4. ドイチュシュヴァイツ(ドイツ語圏)
      1. 西地区
      2. 中央地区
      3. 東地区
    5. シュヴィツェーラ・イタリアーナ(イタリア語圏)
      1. Ticinoティチーノ
  4. ギリシャ
      1. ギリシャ概要
    1. 主なブドウ品種
    2. ワイン法と品質分類
    3. ワインの産地と特徴
      1. トラキア地方
      2. マケドニア地方
      3. イピロス
      4. テッサリア
      5. /中央ギリシャ
      6. イオニア諸島
      7. ペロポネソス半島
      8. エーゲ海の島々
      9. クレタ島
  5. 英国
    1. 英国概要
    2. ワイン法と品質分類
      1. ワイン法
    3. イングランド
      1. 地理的表示保護(P.G.I.)
      2. 原産地名称保護(P.D.O.)
      3. ケント
      4. サセックス
      5. ハンプシャー
      6. サリー
    4. ウェールズ
      1. 地理的表示保護(P.G.I.)
      2. 原産地名称保護(P.D.O.)
    5. 英国の伝統的な食品
  6. その他旧世界①(ハンガリー、スイス、ギリシャ、英国) 予想問題

昨年からの主な変更点

ハンガリー

  1. 2022年ヴィンテージレポート追加【P.551】
  2. 歴史の説明文一部追記(ローマ時代の西暦92年~出し抜くという悪事を行った)、(西暦282年~ブドウ栽培の基礎ができていたのである。)【P.552】
  3. 「ハンガリーにおけるサスティナブルな取り組み」のコラムが新設【P.553】
  4. 「ヨーロッパ最優秀ワイン生産者賞に輝いたトカイ・セプシ」のコラムが新設【P.553】
  5. 「ボラーソク・ボラーサ – ワインメーカーの頂点に選ばれし者のみに与えられる賞」のコラムが新設【P.553】
  6. 「ヴィッラーニ、エゲルで国際的な赤ワインカンファレンスの開催」のコラムが新設【P.553】
  7. 「地質多様性と地形学」の項が新設【P.554】
  8. トカイP.D.O.に「トカイのワインスタイル」、「トカイP.D.O.を代表するブドウ品種」の項が新設【P.558】【P.560-561】
  9. [トカイのワインタイプについて]の説明で、トカイ・アスー、サモロドニ、フォルディタージュ、マーシュラージュの説明文一部改訂、サーラズ・サモロドニ、エーデシュ・サモロドニが追加【P.558、P.560】
  10. フェルシェー・パンノン・ボッレーギオーの説明文追加【P.561】
  11. エチェク・ブダP.D.O.の説明文に料理と食材の項が追加【P.562】
  12. ケーセグP.D.O.の説明文改訂【P.562】
  13. バラトン・ボッレーギオーの説明文一部追記(バラトンワイン産地の特徴は~そう呼ばれるようになった。)【P.564-565】
  14. ドゥナーントゥールP.G.I.の説明文追加【P.568】
  15. パンノン・ボッレーギョーの説明文一部追加(パンノンワイン産地は~ツィルファンドリも有名。)【P.568】
  16. ペーチP.D.O.の説明文改訂【P.569】
  17. セクサールドP.D.O.の説明文に料理と食材の項が追加【P.570】
  18. トルナP.D.O.の説明文に料理と食材の項が追加【P.570】
  19. ハヨーシュ・バヤP.D.O.の説明文改訂、および料理と食材の項が追加【P.573】
  20. イジャーキ・アラニ・シャールフェヘールP.D.O.にイジャーキ・アラニ・シャールフェヘールD.H.C.の説明文が追加【P.573】
  21. クンシャーグP.D.O.の説明文一部追記(土壌は主に~フレッシュなワインである。)【P.574】
  22. モノルP.D.O.の説明文一部追記(モノルのブドウ栽培~南東に位置するP.D.O.。)、および気候風土の説明文一文追記(この地域は~比較的温暖である。)【P.574】
  23. フェルシェー・マジャロルサーグ・ボッレーギォーの説明文一部追記改訂【P.574-575】
  24. ブュックP.D.O.に土壌の項が追加【P.575】

ハンガリーは昨年度に続き、今年度も大幅に改訂(情報追加)されています!
特にヴィンテージレポート、4つのコラム、地質多様性と地形学は新設されていますので要チェックです。
また、頻出のトカイワインも大幅に情報追加されています。
各P.D.O.の説明文なども数か所追記改訂が行われているため確認しておきましょう!!

スイス

  1. プロフィールの2022年ヴィンテージレポートが改訂【P.415】
  2. ワイン法と品質分類の2.ヴァン・ドゥ・ペイの説明文一部追記(ラベルにはスイス産と表示しなければならない。)【P.418】
  3. スイス・ロマンドの主要なA.O.C.ワインの説明で、ドールの説明文一部追記(残りの49%には~使用することができる)【P.419】
  4. スイス・ロマンドの主要なA.O.C.ワインの説明で、ドール・ブランシュの説明文一部追記(黒ブドウのみを圧搾)、(A.O.C.ヴァレーの白ワイン~許可されている。)【P.419】
  5. スイス・ロマンドの、ヴァレーの説明文一部追記(ブドウ栽培は鉄器時代の~進展したとされている。)【P.420】
  6. スイス・ロマンドの、ヴォーの説明文一部追記(各地にはローマ人たちが~世界文化遺産に認定されている。)、(ブドウが100%同一畑のものであり~作付面積と収穫量)、(ヴォー州に現存する~32がこの地区にある。)、(12世紀に城塞として~博物館として開放されている。)【P.420-421】
  7. ドイチュシュヴァイツの説明文一部追記(ブドウ畑の記録は~スイス傭兵によりもたらされた。【P.424】

スイスは大きな変更はありませんが、上記改訂点の(2)~(4)は覚えておきましょう!

ギリシャ

  1. 2022年ヴィンテージ情報更新【P.379】
  2. 主なブドウ品種の説明文一部追記(1980年代以降に~活動を行っている。)【P.383】

ギリシャは大きな変更はありませんが、ヴィンテージ情報は確認しておきましょう!

英国

  1. 歴史の説明文一部追記(主に英国の寒冷な~セイヴァル・ブランである。)【P.294】
  2. 気候風土のヴィンテージ情報が更新(2023年は~レベルの高い年だった。)【P295】
  3. 主要ブドウ10品種の栽培面積の首位がシャルドネに(ピノ・ノワールと逆転)【P.295】
  4. ワイン法の歴史の説明文一部追記(現行のワイン法は~検討に入っている。)【P.296】
  5. ウェールズのプロフィール一部追記(また著名な食材として~国民的な料理として)【P.300】
  6. ウェールズのワイン生産の説明文一部追記(最も生産量が多い州は~Ceredigionがある。)【P.300】

英国は主要ブドウ品種の栽培面積順位に変動がありました!

ハンガリー

ハンガリー概要

✅首都:ブダペスト ”ドナウの真珠”といわれている
カルパチア盆地バラトン湖ドナウ川ティサ川
✅国内では国内生産のワイン消費が大部分を占める

✅2022年ヴィンテージレポート
過去100年間で最も乾燥し、最も暑かった
・辛口の白ブドウは早期収穫が促された
・トカイではブドウの貴腐化が困難な状況に

✅歴史
・本格的なブドウ栽培は古代ローマ人によって伝えられる
ハンガリー人の先祖はアジア系マジャール人
ルイ14世がトカイワインを「王のワインにして、ワインの王」と称賛

✅サスティナブルな取り組み
Wassmannワスマン(ヴィッラーニで最初にビオディナミック認証を取得)

✅ヨーロッパ最優秀ワイン生産者賞(The Golden Vines Award)
・2022年にトカイのセプシ・イシュトヴァーン氏が受賞→ハンガリー民主化以降、品質を高めるために房の選定を最初に行った、トカイの偉大なワインメーカー

✅国内ワインメーカーの頂点を決めるコンペティション(ボラーソク・ボラーサー)
・2023年にセクサールドのヘイマン・ゾルターン氏が受賞→自身を「カダルカマン」と称し、セクサールドが誇る黒ブドウ品種カダルカの魅力を伝えることに尽力

✅国際的なワインカンファレンス
FRANC&FRANCフラン・フラン(ヴィッラーニのカベルネフラン国際会議&テイスティング)
EGer Wine MeetUpエゲル・ワインミートアップ(エゲルワインの魅力を世界に発信するための国際カンファレンス)

✅気候風土
・大陸性気候

✅地質多様性と地形学
・ハンガリーワインの地理的多様性=テロワールの地質学と土壌学が重要視

今期追加された4つのコラム(教本P.553)は内容とキーワードをチェックしましょう

主なブドウ品種

✅白ブドウ
ビアンカ(白1位)※耐久性が高く栽培技術がシンプルで病害に強いため、この10年で人気
✅黒ブドウ
ケークフランコシュ(黒/全体1位)

ワイン法と品質分類

Wine「地理的表示なし、テーブルワイン」

P.G.I./Protected Geographical Indication「地理的表示保護ワイン」:6のP.G.I.
・ハンガリー語:O.F.J.
Balatonバラトン
Balatonmellékiバラトン・メッレーキ
Dunántúliドゥナーントゥール
Duna-Tisza köziドゥナ・ティサ・クズィ
Felső-Magyarországフェルショー・マジャロルサーグ
Zemplénゼンプレーン

P.D.O./Protected Disignation of Origin「原産地呼称保護ワイン」:37のP.D.O.
・ハンガリー語:O.E.M.
HTNオフィスによって改訂、監督されている
・22の指定ワイン生産地域もP.D.O.に含まれる
D.H.C./Districtus Hungaricus Controllatusワイン(オーストリアのD.A.C.システムと同様のもの):D.H.C.はP.D.O.の中で最上位に区分されるカテゴリーで、クラッシクシュ、プレミアム、スーパープレミアムの3つの品質レベルあり。以下7つのD.H.C.ステータス地域がある
Káli Medenceカーリ・メデンツェ D.H.C.:バラトン湖北岸。Káli Királyカーリ・キラーイ(カーリ王のワイン)と、Káli Király Főborカーリ・キラーイ・フェーボル(カーリ王のメインワイン)の2種類の格付け
Somlóシュムロー D.H.C.:2世紀からの長い歴史を持つワイン産地
Villányヴィッラーニ D.H.C.ハンガリー最南の赤ワイン名産地ハンガリークロッカスの模様の独自の商標ラベル。以下の3つに分類
Villány Classicusヴィッラーニ・クラッシクシュ:大部分がここに分類される
Villány Premiumヴィッラーニ・プレミアム:Classicusより厳しい基準
Villány Super Premiumヴィッラーニ・スーパー・プレミアムカベルネ・フラン100%で造られたワインのみ。中でも厳しい基準を満たしたワインのみ”ヴィッラーニ・フラン”とラベル記載可能
Izsáki Arany Sárfehérイジャーキ・アラニ・シャールフェヘール D.H.C.:クンシャークP.D.O.のサブリージョン。ブドウ畑は1級、2級のみ栽培が認められる
Debrői Hárslevelűデブレーイ・ハールシュレヴェリュー D.H.C.:エゲルP.D.O.のサブリージョン
Egerエゲル D.H.C.エグリビカヴェールD.H.C.(ブルズブラッド)エグリビカヴェールスペリオルD.H.C.の2つ
Tokajiトカイ D.H.C.ハンガリー最北部サモロドニ、トカイ・アスー、エッセンシアがD.H.C.対象

7つのD.H.C.と、そのP.D.O.地域はセットで覚えるようにしましょう
また、D.H.C.に複数の分類があるものや、マークのあるものなどは特に覚えましょう

ゼンプレーンP.G.I.

トカイP.D.O.

✅ボドログ川とティサ川が合流する地点にトカイ山があり26の町と村で構成
✅2002年、トカイの山麓に広がる地域一帯がユネスコ世界遺産に登録
仏王ルイ14世が「王のワインにしてワインの王」と称した
✅トカイワインの原産地呼称を巡る問題→スロヴァキアとハンガリー両国でトカイの原産地呼称の使用が認められている
地方食材:フォアグラ
✅主要品種
フルミントトカイ全体のブドウ栽培面積の約65%を占める
ハールシュレヴェリュー(ハンガリー起源のブドウ、ハンガリー全栽培の20%がトカイワイン産地)
トカイワインのタイプ(2013年にワイン法が改定)
Eszenciaエセンツィア:手摘みした貴腐ブドウのフリーランジュースのみ使用し、自然に発酵させて造られる天然の甘口ワイン(残糖度450g/l以上)世界三大貴腐ワイン
Tokaj Aszúトカイ・アスー:貴腐ブドウをペースト状にしたアスー生地に、一次発酵中のマストまたは新しいワインを加えてマセレーション後に圧搾して造られる貴腐ワイン(残糖度120g/l以上)収穫年から3年後の1月1日以降にリリース(樽熟18ヶ月)、オーク樽で18ヶ月以上熟成
※アスーとは「蜂蜜のような」「シロップのような」の意味
Szamorodniサモロドニ「自然のままに」という意味。貴腐ブドウと遅積みブドウの房を原料。
辛口はSzárazサーラズ、甘口はÉdesエーデシュと表記(いずれも樽熟6ヶ月以上)
Fordításフォルディターシュ「ひっくりかえす」という意味。プレスしたペースト状のアスー生地(トカイ・アスーを造った後、搾りかすとして残ったペースト状のアスー生地を再利用)を、部分的に発酵しているマストまたは新しいワインの中に浸した後に圧搾して造られる天然甘口ワイン(樽熟6ヶ月以上)
Máslásマーシュラーシュ「コピー」という意味。アスーの滓の中に部分的に発酵しているマストまたは新しいワインを加えて浸漬して造られる天然甘口ワイン(樽熟6ヶ月以上)
Késői szüretelésű borケーシェーイ・スレテレーシュ・ボル:Late Harvest、遅積みワイン
Fehér borフェヘール・ボル:通常の白の辛口ワイン。トカイ・ドライワイン
Pezsgőペジュグー:トカイで造られるスパークリングワイン、アルコール度数10%、最低瓶内発酵・熟成9ヶ月

トカイワインは頻出です!
各タイプの名称と違いを、今季改訂点も含めしっかり押さえましょう
また、フルミントとハールシュレヴェリューについて詳細な説明が追加されていますので、要チェックです!

ドゥナーントゥールP.G.I.(バラトン湖以北)

エチェク・ブダP.D.O.

✅ブダフォクという町が”International city of wine and sparkling wine(ワインとスパークリングワインの国際都市)”として認定

エチェキ・ペシュグーP.D.O.

✅トラディショナル製法で造られた白とロゼのスパークリングワイン(ペシュグー)

ケーセグP.D.O.

✅かつて白ワインの生産が重要であったが、次第に黒ブドウ栽培が普及

モールP.D.O.

Móri Ezerjóモーリ・エゼルヨー(モールのエゼルヨー):ハプスブルク家に愛飲されていた白ワイン

ネスメーイP.D.O.

✅スロヴァキア国境に接するワイン産地

パンノンハルマP.D.O.

ハンガリーで最も古いワイン生産地域の一つ
✅996年建立のベネディクト派修道院、パンノンハルマ大聖堂は世界遺産

ショプロン/ウデンブルグP.D.O.

ハンガリーの北西端、オーストリアとの国境に接する
✅国内のオーガニック、ビオディナミから造られるワインの中心地

バラトンメッレーキP.G.I.

✅バラトン湖周辺にある6つのワイン産地

バラトンP.G.I.

✅バラトン湖は西ヨーロッパおよび中央ヨーロッパ最大の湖

バダチョニP.D.O.

バラトン湖の北岸
ケークニェリューの白(注目されている)

バラトンボグラールP.D.O.

KéthelyケーセイにあるワイナリーKristinusクリスティヌスはバイオダイナミック認定ワイナリーとして知られる

バラトンフェレド・チョパクP.D.O.

ハンガリー国内で最も高品質なオラスリズリングの白ワインを生産

チョパクP.D.O.

✅約2000年以上前までにさかのぼる歴史を持ち、テロワールの宝庫
✅5つの限定された村で、山のワイン(Hegy borヘジボルシングルヴィンヤード(Dűlős borデューレーシュ・ボルワインの生産が許されている

カーリP.D.O.

Káli Királyカーリ・キラーイ(カーリ王のワイン)と、Káli Király Főborカーリ・キラーイ・フェーボル(カーリ王の主要ワイン)の2種類の格付け

ナジ・ショムローP.D.O.

✅最も小さい産地の1つ

ショムローP.D.O.

Somlói galuskaショムローイ・ガルシュカ(ケーキ)

シュメグP.D.O.

✅新たにP.D.O.に指定された地域
✅スパークリングワイン(ペシュグー)は12ヶ月以上滓とともに熟成(シュール・リー製法)

ティハニP.D.O.

ハンガリーで最も小さなワイン産地
✅赤(バラトン湖の反射光が理想的なテロワール)とロゼを主に生産

ドゥナーントゥールP.G.I.(バラトン湖以南)

パンノンP.D.O.

✅もっとも古いワイン造りの歴史を持つ生産地域の1つ

ペーチP.D.O.

ツィルファンドリ(この地域でのみ生産される白ブドウ)

セクサールドP.D.O.

カダルカが原料の溌溂とした酸味と豊かなアロマの赤ワイン
Szekszárdi Bikavérセクサールディ・ビガヴェール
・セクサールドで造られる赤ワイン
ビガヴェールは「雄牛の血」の意味
Szekszárdi Bikavérセクサールディ・ビガヴェールSzekszárdi Bikavér Prémiumセクサールディ・ビガヴェール・プレミアム の2タイプあり、どちらもケークフランコシュ(45%以上)とカダルカ(5%以上)を合わせて50%以上占めなくてはならない

トルナP.D.O.

✅トルナ地域のワインと料理のマリアージュ
・この地方の白と、コーシャの牛タン料理
・シラー(ロゼと赤の中間の色合いの軽い赤ワイン)と伝統的家庭料理のチルケパプリカシュ(パプリカチキン)

ヴィッラーニP.D.O.

ハンガリー最南端の産地
✅ボルドー北部地域とほぼ同緯度にある
Villányi Francヴェッラーニ・フランカベルネ・フラン100%から造られるD.H.C.ワイン
・プレミアムとスーパー・プレミアムの2つのカテゴリーあり
REDyポルトギーザー主体のブレンドから造られるワインの生産団体
ポルトギーザーはヴィッラーニで2番目に多く栽培
Villányi Districtus Hungaricus Controllatusヴィッラーニ・ディストリクトゥス・フンガリクス・コントロッラートゥス
Villány D.H.C.はClassicus、Premium、Super Premiumの品質レベルあり
ハンガリー・クロッカスの商標がワインラベルに表記
Zsigmond Telekiジグモンド・テレキはフィロキセラに対抗できる台木を開発した功労者

ドゥナ・ティサ・クズィP.G.I.

Gulyáslevesグヤーシュレヴェシュ(ハンガリーの国民食、煮込み料理)

ハヨーシュ・バヤP.D.O.

Bajai halászléバヤイ・ハラースレー(小さな街バヤで造られる、ハンガリー伝統的な漁夫のスープ「ハラースレー」)

イジャーキ・アラニ・シャールフェヘールP.D.O.

✅クンシャーグP.D.O.のサブリージョン
Izsáki Arany Sárfehérイジャーキ・アラニ・シャールフェヘール D.H.C.
✅ハンガリーのみで栽培されている、アラニ・シャールフェヘール(白ブドウ)を原料としたスティルワインとスパークリングワインの生産が認められている

クンシャーグP.D.O.

ハンガリー最大のワイン生産地域

モノルP.D.O.

✅黄土に掘られた多くの地下セラーが1000カ所以上ある

フェルシェー・マジャロルサーグP.G.I.

デブレーイ・ハールシュレヴェリューP.D.O.

✅エゲルのサブリージョン
D.H.C.ワインあり
✅クラッシクシュ、シュペリオル、レイトハーヴェストの3つのカテゴリーのワインあり

エゲルP.D.O.

Egri Bikavérエグリ・ビガヴェール
「Bull’s Blood 雄牛の血」と呼ばれるハンガリーを代表する赤ワイン
ケークフランコシュ主体のブレンド
・2017年Hungarikumフンガリクム(国家最高のパフォーマンスが認められた製品にのみ与えられる称号)に選出
・3つの格付けあり
Egri Bikavér Grand Superiorエグリ・ビガヴェール・グラン・シュペリオル-:オーク樽で12ヵ月以上熟成
Egri Bikavér Superiorエグリ・ビガヴェール・シュペリオル:オーク樽で12ヵ月以上熟成
Egri Bikavér Classicusエグリ・ビガヴェール・クラッシクシュ:オーク樽で6ヵ月以上熟成
Egri Csillagエグリ・チッラグ
「エゲルの星」を意味するD.H.C.白ワイン
・Classicus、Superior、Grand Superiorの3つの格付けあり

ハンガリーは、覚えにくい名前のP.D.O.がたくさんありますが、まずは主要P.D.O.(特にD.H.C.のある産地)の特徴や、どの地域に属しているかを覚えましょう!

スイス

スイス概要

✅国土の70%をアルプス山脈ジュラ山脈が占める
2022年の作柄
・春に雹や霜の被害もなく良好な開花の時期を経て房の育成に進んだ
・収穫量は昨年より67%増加

✅歴史
・紀元前58年、ジュリアス・シーザーがローマ軍を率いて侵攻した際に、ブドウ栽培とワイン造りが各地に広まる
・19世紀後半、鉄道が整備され、シャスラなどのブドウ品種がヴォー州から全土に広がる

✅主なブドウ品種
【白ブドウ】
シャスラ(白1位:白ブドウ栽培面積の約55%を占める)
【黒ブドウ】
ピノ・ノワール(黒/全体1位:黒ブドウ栽培面積の約46%を占める)

✅産地別栽培面積と収穫量
ヴァレー州(栽培面積、収穫量ともに1位)
ヴォー州(栽培面積、収穫量ともに2位)
・スイス・ロマンドの栽培面積で、白ブドウの方が黒ブドウより多いのはヴォー州のみ

産地別栽培面積と収穫量は、今期よりヴァレー州がともに1位となっています!

ワイン法と品質分類

✅3つのカテゴリー
A.O.C.
・スイス全土で62
Vin de paysヴァン・ドゥ・ペイ
ラベルにはスイス産と表示しなければならない
Vin de talbeヴァン・ドゥ・タブル

スイス・ロマンド(フランス語圏)

✅スイス全体のワイン生産量の80%を占める

ヴァレー

スイス最大のワイン産地
✅ブドウ品種シノニム
ファンダンシャスラ
ヨハニスベルグライングロ・ラインシルヴァーナー
マルヴォワジーピノ・グリ
エルミタージュマルサンヌ・ブランシュルッサンヌ
パイエンハイダサヴァニャン・ブラン
Vin des Glaciersヴァン・デ・グラシエ(白):シエール産ワインを毎春、アニヴィエ渓谷各村の貯蔵ワインに継ぎ足し15年以上熟成
Dôleドール(伝統的な赤ワインの呼称):ピノ・ノワール100%、またはピノ・ノワールガメイと合わせて51%以上を使用して造られるワイン(残り49%にはA.O.C.ヴァレーの黒ブドウ品種を使用可能)
Dôle Blancheドール・ブランシェ(ロゼ):ドールと同様のブドウ品種を使用。黒ブドウのみを圧搾、発酵して造られたロゼワイン(A.O.C.ヴァレーの白ワインを10%までブレンド可能)
Grain Noble ConfidenCielグラン・ノーブル・コンフィデンシェールという伝統的な製法を継承する団体が造る貴腐ワイン

ヴォー

✅スイス第2のワイン産地
✅ブドウ品種シノニム
ドランシャスラ(生産量の60%を占める)
✅6つの地区と10のA.O.C.
La Côteラ・コート
Servagnin des Morgesセルヴァニャン・デ・モルジュ:約600年前にモルジュに伝えられたピノ・ノワールで造られたワイン
Lavauxラヴォー
「3つの太陽」が宿ると言われている地区
・2007年ユネスコ世界文化遺産に認定
Chablaisシャブレ
・エーグル城は、ブドウとワインの博物館として開放されている
Côtes-de-l’Orbeコート・ド・ロルブ
Bonvillarsボンヴィラー
Vullyヴュリィ

ジュネーブ

✅ブドウ品種シノニム
ペルランシャスラ

✅3つの生産地区
Mandementマンドゥマン
Entre Arve et Rhôneアントレ・アルヴ・エ・ローヌ
Entre Arve et Lacアントレ・アルヴ・エ・ラック

ヌーシャテル

Neuchatel Non Filtreヌーシャテル・ノン・フィルトレ :1月の第3水曜日に解禁となるノンフィルターのシャスラ。この州の特産品
Œil de Perdrixウイユ・ド・ペルドゥリワイン名は「山鶉やまうずらの目」の意味。ヌーシャテル州発祥のピノ・ノワールから造られるロゼワイン

ジュラ

フランス語圏で最小の生産地

フランス語圏はヴァレーとヴォーを中心に覚えましょう
地図問も出題されていますので、この2地域は地図上の位置も間違えないように(名前が似ているので)確認しましょう!

ドイチュシュヴァイツ(ドイツ語圏)

✅ブドウ栽培面積はヴァレー州、ヴォー州に続く規模
ピノ・ノワールは1630年にブルゴーニュのスイス傭兵によりもたらされる
✅スイス全体のワイン生産量の16%を占める
Emmentalerエメンターラー(A.O.P.チーズ、大きなチーズアイ(チーズの中の大小の穴)が特徴)

西地区

Aargauアールガウ
・ドイツ語圏ではチューリヒ、シャフハウゼン、グラウビュンデンに次ぐワイン産地

中央地区

Zürichチューリヒ
・ドイツ語圏で最大のワイン産地

Schaffhausenシャフハウゼン
約70%がブラウブルグンダーを中心とする赤ワインの産地。「Blaubrurgunderlandブラウブルグンダーラント」と呼ばれる

Thurgauトゥルガウ
ミュラー・トゥルガウは19世紀にトゥルガウ出身のヘルマン・ミュラー博士によって育種・開発

東地区

Graubündenグラウヴュンデン / Grigioniグリジオーニ
・イタリアとオーストリアに国境を接するアルプス地方のワイン産地
Federweissフェーダーヴァイスブラウブルグンダーから造られる名産品

ドイツ語圏は上記産地を中心に覚えていきましょう

シュヴィツェーラ・イタリアーナ(イタリア語圏)

✅現在ほとんどが垣根仕立て(20世紀初頭は棚仕立てのペルゴラ栽培が主流)
栽培品種の80%がメルロ
Nostranoノストラーノ(I.G.T.):ボンドーラなどのブドウ品種から造られる伝統的なワイン(ソプラチェネリの名産品)
✅ワイン生産量はスイス全体の生産量の5%を占める

Ticinoティチーノ

✅個性的なメルロを産み出す

イタリア語圏は、ティチーノはメルロで有名な産地であることを覚えましょう

ギリシャ

ギリシャ概要

Retsinaレチーナサヴァティアノ種から造られる松脂入りのワイン
✅ワイン産地の多くは丘陵地にある
✅全生産量の約20%がP.D.O.ワイン、約62%がP.G.I.ワイン

✅歴史
・紀元前4000年代後半:東マケドニアのピリッポイでブドウ栽培とワイン造りが行われていた
・ギリシャ神話で酒の神ディオニュソス→後にローマ神話でバッカスと呼ばれる
紀元前700〜480年頃:アンフォラにワインを詰めて松脂で封をして運搬→レッツィーナの起源
oenochooiイノホイ(シンポジアと呼ばれる社交行事でワインをサービス。ソムリエの原型)
・2019年から11月1日は「クシノマヴロの日
2018年に「サントリーニの伝統的ワインブドウ栽培がギリシャワイン産地として初の無形文化遺産に制定

✅気候風土
・ベースは地中海性気候(沿岸部と島)

2022年ヴィンテージ情報
・ナウサ:例年より長いブドウ生育期となり、成熟度が高く品質の高いブドウが得られた
・サントリーニ島:ここ数年の干ばつ状態が解消。みずみずしい果実味と酸をもったブドウが収穫された

✅地方料理と食材
Fetaフェタ(羊乳+山羊乳最大30%から造られるギリシャの代表的なチーズ)
Mezeメゼ(何種類もの前菜を少しずつ食べながらワインを楽しむ習慣)
Moussakaムサカ(ナス、ジャガイモ、ひき肉、トマトソースの上にベシャメルソースをかけたオーブン焼きで、代表的なギリシャ料理の1つ)

レッツィーナは重要なのでブドウ品種も含め理解しましょう
また、歴史も詳細に記載されているため、ポイントを押さえて覚えるようにしましょう

主なブドウ品種

✅ワイン生産量の90%を土着品種が占める

✅主なブドウ品種
【白ブドウ】
サヴァティアノ(白ブドウ1位/全体1位)
【黒ブドウ】
アギオルギティコ(黒ブドウ1位)

主な土着品種の一覧表は各産地の代表的品種と紐づけて覚えておきましょう!

ワイン法と品質分類

✅4つのカテゴリー
(1)P.D.O.(原産地呼称を持つエリアのワイン)
(2)P.G.I.(テーブルワインの中で特定の原産地名を付記できるワイン)
・現在ギリシャに約100のP.G.I.がある
・「トラディショナル・アペレーション」のワインはこのカテゴリーに含まれる
規定原産地内のブドウを85%以上使
・3つのレベルあり
 ①P.G.I. Regional Winesリジョナル・ワイン(9つのワイン・リジョンの内、イオニア諸島以外の8つのリジョンが生産可能)
 ②P.G.I. District Winesディストリクト・ワイン(ギリシャの各ディストリクトで生産されるワイン)
 ③P.G.I. Area Winesエリア・ワイン(地理的表示の中で最も限定された範囲内で生産されたワイン)
(3)Varietal winesヴァラエタル・ワイン(テーブルワインの中で同一品種を75%以上使用
(4)Table winesテーブル・ワイン(上のいずれにも該当しないワイン)

Traditional Appellationトラディショナル・アペレーション(上記4つのカテゴリーとは別にギリシャの歴史的な価値を持つと認められたワインに表記)
Retsinaレチーナ(松脂の香りがついた白ワイン)
Verdeaヴェルデア(イオニア海にあるザキントス島の伝統的ワイン)
Vin liastosヴィン・リアストス(遅摘みのブドウを天日干しして造る甘口ワイン)

トラディショナル・アペレーションに含まれる代表的なワインも覚えましょう!

ワインの産地と特徴

✅9つの地理的区分に分けられる

トラキア地方

ギリシャで最も東側に位置
✅P.D.O.はない

マケドニア地方

ギリシャで最も北に位置

Naoussaナウサ P.D.O.
・ナウサが原産とされるクシノマヴロ単一品種による赤ワインのアペレーション 
 ※”クシノ”は「Acid:酸」、”マヴロ”は「Black:黒い」の意味

Amyntaioアミンデオ P.D.O.
・ギリシャで最も寒い産地の1つ
クシノマヴロ単一品種の赤ワインが主体
クシノマヴロの香りを生かしたロゼのスパークリングやスティルワインを手掛ける生産者多い

Slopes of Melitonスローブス・オブ・メリトン P.D.O.
ドメーヌ・カラスによって創設され発展したP.D.O.

イピロス

Zitsaジツァ P.D.O.
イピロス唯一のP.D.O.
・白ブドウのデビナ

テッサリア

✅オリンポス山(ギリシャ最高峰)
✅「ギリシャの穀倉地帯」と呼ばれる

Rapsaniラプサニ P.D.O.
・この地域で最も重要なP.D.O.
クシノマヴロクラサトスタヴロトとブレンド

/中央ギリシャ

✅首都アテネのあるアッティカ県を含む広大な地方
✅現時点でP.D.O.はない

イオニア諸島

✅7つの小さな島々を含む
✅ケファロニア島に3つのP.D.O.を有する

Robola of Cephaloniaロボラ・オブ・ケファロニア P.D.O.
・高貴品種ロボラで造られる、この地域で唯一の辛口ワイン
Muscat of Cephaloniaマスカット・オブ・ケファロニア P.D.O.(甘口ワイン)
Mavrodaphne of Cephaloniaマヴロダフネ・オブ・ケファロニア P.D.O.(赤の酒精強化甘口ワイン)

ペロポネソス半島

地域別ブドウ栽培面積最大
ギリシャ本土の最南端の半島

Nemeaネメア P.D.O.
・ギリシャで最大の栽培面積をもつP.D.O.
・北部のナウサと並んで、赤ワインの最重要産地の1つ
アギオルギィティコから力強くフルーティな赤ワイン→「ヘラクレスの血」とも呼ばれる

エーゲ海の島々

Santoriniサントリーニ P.D.O.
フィロキセラの害がなく、自根のブドウ樹が生き延びている
バスケット状(Koulouraクルラ)に仕立てる
アシルティコ100%またはアシリアイダニとのブレンドから造られる白ワイン
Vinsantoヴィンサント(天日干しのブドウで造られる甘口白ワイン)
Nychteriニキテリ(ブドウを夜間に収穫し、夜明け前に圧搾して造ったワイン。ニキタは「夜」を意味)

クレタ島

ギリシャ最南端かつ最大の島(地中海では5番目に大きな島)

Sitiaシティア P.D.O.
リャティコから造られる赤ワイン(辛口、甘口、酒精強化)

Malvasia-Sitiaマルヴァジア・シティア P.D.O.
・天日干ししたブドウから造られる甘口白ワインと酒精強化の白ワイン

Handakas-Candiaハンダカス・カンディア P.D.O.
・辛口白ワイン(ヴィラナ主体)
・辛口赤ワイン(コチファリ主体)

重要なP.D.O.が、どの地域に位置するのかを把握しておきましょう!
また、P.D.O.毎に重要なブドウ品種がありますので、テキストの土着品種一覧とも紐づけて覚えるようにしましょう!

英国

英国概要

✅イングランド南部にワイン生産者が散在(メキシコ湾流(暖流)の影響)
✅ワイン生産量の割合
スパークリングワイン68%(トラディショナル方式93%)
・スティルワイン32%(白62%、ロゼ21%、赤16%)
スパークリングワインの品質向上と生産量の増加が顕著
✅ロンドンではアーバンワイナリーが見られるようになっている

✅歴史
・紀元前1世紀:ベルガエ人が英国南東部に進出しワインを持ち込んだ
・1662年:Christopher Merretクリストファー・メレットが提出した論文→意図的に二次発酵を起こさせる方法を記した最古の文書
・1703年:ポルトガルとメシュエン条約を結ぶ→ポルトガルワインの輸入増加
・2000年前後:ブドウ畑の面積が急増
・2020年:EU離脱(Brexitブレグジット)→独自の国内法や条約を運用予定

✅気候
・北緯49〜61度に位置し、最も北極寄りのワイン生産地域
メキシコ湾流(暖流)の影響で南部は比較的温和な海洋性温帯気候
・イングランド南部はシャンパーニュとよく似た地層(白亜層)がみられる
・2023年は開花・結実から好天に恵まれ、9月から温暖で乾燥した天候となり、品質と収量ともにレベルの高い年だった

✅主なブドウ品種と栽培面積
【白ブドウ】シャルドネ(白ブドウ1位/全体1位)
【黒ブドウ】ピノ・ノワール(黒ブドウ1位/全体2位)

栽培面積の全体順位に変動があります!必ず押さえておきましょう

ワイン法と品質分類

ワイン法

✅英国生産のワインは全国組織Wine GBが管理するUK Quality Wine Schemesというシステムで分類
✅英国のEU離脱に伴い2021年から新たなシステムに移行
✅英国G.I.ワインのロゴ表示義務
✅ワイン法分類(4つのカテゴリー分類)
(1)Wineワイン
・上位区分の認定を受けていない、最も基礎的なカテゴリー
・原料ブドウの収穫年と品種は表示できない
(2)Varietal Wineヴァラエタルワイン
・Wineの一段階上のカテゴリーで「Varietal Wine」と表示できる
・原料ブドウの85%かそれ以上の割合を占める収穫年とブドウ品種名を表示可
(3)P.G.I./Protected Geographical Indicationプロテクテッド・ジオグラフィカル・インディケーション(地理的表示保護)
English Regional Wineイングリッシュ・リージョナル・ワイン」と「Welsh Regional Wineウェルシュ・リージョナル・ワイン」の2名称
・収穫年、ブドウ品種、P.G.I.の名称を表示可能
・原料ブドウの85%はその名称の地域で栽培されたもの。15%まで英国の他の地域で収穫されたブドウを使用可能
(4)P.D.O./Protected Designation of Originプロテクテッド・デジグネーション・オブ・オリジン(原産地名称保護)
English Wine」イングリッシュ・ワイン」、「Welsh Wineウェルシュ・ワイン」、「Sussex Wineサセックス・ワイン」、「Darnibole Wineダーニボール・ワイン」の4名称あり
・収穫年、ブドウ品種、P.D.O.の名称を表示可能
・ハイブリッド品種は使用できない

British Wineブリティッシュ・ワイン
・伝統的表現として認められている呼称
・輸入ブドウや濃縮ブドウ果汁などを原料にして英国で造られた酒類を指す

Great British Classic Methodグレート・ブリティッシュ・クラシック・メソッド
・イングランドとウェールズのブドウから造ったワイン

各産地のP.G.I.、P.D.O.の記載と合わせて覚えましょう

イングランド

✅英国のブドウ畑のほとんどすべてがイングランドにある(英国ワインのおよそ98%を生産)
✅気候風土:シャンパーニュから連なる白亜や粘土の土壌→スパークリングワインにおける大きな特色
White Cliffs of Doverホワイト・クリフス・オブ・ドーバー(ドーバー海峡に面したケント州の白亜層が浸食されてできた岸壁)
Seven Sistersセブン・シスターズBeachy Headビーチー・ヘッド(イギリス海峡に面したイースト・サセックス州の岸壁)

地理的表示保護(P.G.I.)

English Regional Wineイングリッシュ・リージョナル・ワイン
<スティルワインの白・ロゼ・赤>
・「English Regional Quality Wineイングランド・リージョナル・クオリティー・ワイン」と表示可能
<スパークリングワインの白・ロゼ>
・「Quality Sparkling Wineクオリティー・スパークリングワイン」と表示する→代わりに「English Regional Quality Sparkling Wine」と表示しても良い
・トラディショナル方式で最低9ヵ月滓とともに瓶内熟成

原産地名称保護(P.D.O.)

English Wineイングリッシュ・ワイン
<スティルワインの白・ロゼ・赤>
・「English Quality Wineイングリッシュ・クオリティー・ワイン」と表示可能
<スパークリングワインの白・ロゼ>
・「Quality Sparkling Wine」と表示する→代わりに「English Quality Sparkling Wine」と表示しても良い
・トラディショナル方式で最低9ヵ月滓とともに瓶内熟成

Sussex Wineサセックス・ワイン
<スティルワインの白・ロゼ・赤>
・ラベルに「Protected Designation of Originプロテクテッド・デジグネーション・オブ・オリジン」と明記する
・サセックスの紋章を表示可能
・「Sussex」「Sussex Still」「Sussex Origin」のいずれかの名称を表示可能
・原料ブドウの最低85%を占める収穫年を表示可能
<スパークリングワインの白・ロゼ>
・ラベルに「Protected Designation of Origin」と明記する
・サセックスの紋章を表示可能
・「Sussex」「Sussex Sparkling」「Sussex Origin」のいずれかの名称を表示可能
・トラディショナル方式での製造を示す「Bottle-Fermented」「Traditional Method」「Bottle Fermented in the Traditional Method」「Traditional」を表示可能
・原料ブドウの最低85%を占める収穫年を表示可能
・品種表示するワインには該当品種を最低90%使用する
・「Blanc de Blanc」表示にはシャルドネを最低90%使用する
・「Blanc de Noirs」表示にはピノ・ノワールムニエのいずれか、または両方を最低90%使用する
トラディショナル方式で最低12ヵ月滓とともに瓶内熟成、滓抜き後の瓶熟成は最低3ヵ月

Darnibole Wineダーニボール・ワイン
<スティルワインの辛口白のみ>
・「Darnibole Bacchus Wineダーニボール・バッカス・ワイン」と表記可能
コーンウォール州に位置するキャメル・ヴァレー・ヴィンヤードが単独所有する面積5haの畑
バッカスのみ使用可

ケント

✅英国の南東の端に位置
✅果樹やホップの栽培が盛んで、「Garden of Englandイングランドの庭園」と呼ばれている

サセックス

✅イースト・サセックス州とウエスト・サセックス州に分かれる
✅ハンプシャーと並んで英国で最も日照が豊富で温暖
白亜質土壌が多い

ハンプシャー

✅港町として有名なポーツマスとサウサンプトンがある
✅サセックスとともに英国で最も日照が豊か
✅白亜地層が露出

サリー

✅ロンドン南東に隣接しており、海に面していない

イングランドのP.D.O.は細かい規定まで覚えるようにしましょう!
また、重要産地は地図上の位置も覚えるようにしましょう

ウェールズ

✅イングランド中南部の西側に隣接
Cawlカウル(山地で飼育する羊「Welsh Mountain Sheepウェルシュ・マウンテン・シープ」を使うことがある国民的な料理)
✅英国ワインの約1.5%を生産(最も生産量が多い州:Monmouthshireモンマスシャー

地理的表示保護(P.G.I.)

Welsh Regional Wineウェルシュ・リージョナル・ワイン
<スティルワインの白・ロゼ・赤>
・「Welsh Regional Quality Wineウェルシュ・リージョナル・クオリティー・ワイン」と表示可能
<スパークリングワインの白・ロゼ>
・「Quality Sparkling Wineクオリティー・スパークリングワイン」と表示する→代わりに「Welsh Regional Quality Sparkling Wine」と表示しても良い
・トラディショナル方式で最低9ヵ月滓とともに瓶内熟成

原産地名称保護(P.D.O.)

Welsh Wineウェルシュ・ワイン
※規定はイングリッシュ・ワインとほぼ共通だが、標高220m以下の畑で栽培されたブドウを使用することが条件となっている
<スティルワインの白・ロゼ・赤>
・「Welsh Quality Wineウェルシュ・クオリティー・ワイン」と表示可能
<スパークリングワインの白・ロゼ>
・「Quality Sparkling Wine」または「Welsh Quality Sparkling Wine」と表示可能
・トラディショナル方式で最低9ヵ月滓とともに瓶内熟成

英国の伝統的な食品

Cheddar Cheeseチェダー・チーズ
・牛乳を原料とするハードチーズ
・凝乳を切り刻んで固める「チェダリング」工程
・もっとも有名な銘柄「West Country Farmhouse Cheddar Cheeseウエスト・カントリー・ファームハウス・チェダー・チーズ
Stilton Cheeseスティルトン・チーズ
・有名な青カビチーズ「Blue Stilton Cheeseブルー・スティルトン・チーズ
・青カビを使わないチーズ「White Stilton Cheeseホワイト・スティルトン・チーズ
Clotted Creamクロテッド・クリーム
・牛乳を加熱・冷却した液面の固まり(clot)を集めたチーズ
・「Cornish Clotted Creamコーニッシュ・クロテッド・クリーム」はコーンウォール州の名産

その他旧世界①(ハンガリー、スイス、ギリシャ、英国) 予想問題

理解度の確認のため、10問全問正解するまで帰れま10にチャレンジしてみましょう!

10問全問正解するまで何度もチャレンジしてみてください。問題には教本の該当ページを記載してありますので、間違った問題や解答に迷った問題は、都度教本に戻って復習してみてください。

次のスイスに関する記述のうち、間違っているのはどれか?【P.415】
ハンガリーでトカイ地方を指すP.G.I.は何か?【P.556】
スイスのイタリア語圏でブドウ栽培品種の80%を占める品種は何か?【P.426】
ギリシャのP.D.O.サントリーニの主要品種は何か?【P.390】
スイスの産地別ブドウ収穫量で第1位の産地はどこか?【P.417】
次の英国ワイン産地(州)で、海に接していない州はどれか?【P.299】
英国のチーズ「チェダー・チーズ」の乳種は何か?【P.301】
次のハンガリーのD.H.C.ステータス地域のうち、バラトン湖の北岸にある地域はどこか?【P.556】
ハンガリーのトカイワインの等級で、サモロドニのうち辛口ワインの表記名は何か?【P.560】
1662年に意図的に二次発酵を起こさせる方法を記した最古の文書とされる論文をまとめた英国の科学者は誰か?【P.294】
10問全問正解するまで帰れま10【ハンガリー、スイス、ギリシャ、英国】
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