【ソムリエ/ワインエキスパート試験2025】スペイン、ポルトガル

ソムリエ/ワインエキスパート試験対策について、教本の出題ポイントをまとめています
昨年度からの変更点や、頻出箇所などポイントを抑えて解説します
最後に確認問題を掲載してありますので、理解度の確認に使用してください!

表示の説明

各項目の出題ポイント、ヒントはボックスで示しました
必ず押さえておくべき用語は青字、人名は赤字、ブドウ品種は緑字で表示しています
その他黒字の部分もできるだけ広く覚えるようにしましょう!
また、重要な箇所は黄色のアンダーラインで示しています

昨年からの主な変更点

スペインの主な変更点

  1. 2023年ヴィンテージ情報更新【P.403】
  2. スペインワインの産地に42-Y:Rosalejoと、50:Campo de Calatravaが追加【P.408】
  3. D.O. Tarragonaに一文追記(新たにVino Brisadoと呼ぶオレンジワインが承認された。)【P.422】
  4. ラ・マンチャのV.P.にRosalejoが新設【P.430】
  5. カスティーリャ・ラ・マンチャ州のD.O.にCampo de Calatravaが新設【P.431】

新規に認定されたD.O.Campo de Calatravaとラ・マンチャのV.P.Rosalejoは要チェックです!

ポルトガルの主な変更点

  1. D.O.P. Portoの[生産方法]の説明文一部追記(この地域では伝統的に~Vinha ao altoも採用されている。)【P.677】
  2. D.O.P. Alentejoの説明文一部追記(また、2015年には~持続可能性を目標に掲げている。)【P.687】

ポルトワインは頻出箇所で、今回生産方法の記述が新たに追加されていますので、その内容や新出用語はチェックしておきましょう!

スペイン

スペイン概要

✅ワイン用ブドウ栽培面積(世界1位EUの30%を占める)
✅ワイン生産量(世界3位
✅スペイン最大の栽培面積(48%)と生産量(53%)はカスティーリャ・ラ・マンチャ州
D.O.P.数は合計103(69D.O.、2D.O.Ca.、7V.C.、25V.P.
✅2023年のワイン輸出量(世界2位)※1位イタリア

✅2023ヴィンテージ情報
・多くの産地で乾燥し、少ない収穫量となったが良質な年
・2023年の収穫予想は前年比14%減

D.O.が1つ、V.P.が1つ追加になっています!
最新のヴィンテージ情報は大枠(豊作/同程度/不作、大きな天候イベント等)を理解する程度で押さえましょう

歴史

✅B.C.1100年頃 フェニキア人最初にワイン造りをする
✅B.C.200年頃 ローマ人ワイン造りを広めた
✅1986年 欧州経済共同体(EEC)加盟

気候風土

Mesetaメセタと呼ばれる中央台地

主なブドウ品種

✅白ブドウ
1位:アイレン(白ブドウの栽培面積の46%を占める)
・2位:マカベオビウラ@リオハ)
・3位:ベルデホ
✅黒ブドウ
1位:テンプラニーリョ(全ブドウ品種としても1位、全ブドウ品種の栽培面積の21%を占める)
Tempranilloテンプラニーリョ のシノニム】
Cencibelセンシベル@ラマンチャ
Tinto Finoティント・フィノTinta del Paisティンタ・デル・パイス@リベラ・デル・ドゥエロ
Ull de Llebreウル・デ・リェブレ@ペネデスなどカタルーニャ州
Tinta de Toroティンタ・デ・トロ@トロ
Tinta de Madridティンタ・デ・マドリッド@マドリッド
・2位:ガルナッチャ・ティンタ(フランス名グルナッシュ
・3位:ボバル
✅2000年以降に栽培面積が最も増えた品種
テンプラニーリョ2021年にアイレンを超え全ブドウ1位となった)
ガルナッチャ・ティントレラ(フランス名アリカンテ・ブシェ、果肉が赤いのが特徴)
ベルデホ
✅その他注目品種
モナストレル(黒ブドウ5位、フランス名ムールヴェードル
カリニェナ(フランス名カリニャンマスエロ@リオハ
アルバリーニョ@ガリシア州

スペインのブドウ品種は頻出なのでしっかり覚えておきましょう!
特に主要ブドウ品種のシノニムは必ず覚えるようにしましょう

ワイン法

1932年制定→1933年発効 ※フランス(1935年)より早い!
✅2024年6月現在、103のD.O.P.が認定

スペインワイン法による分類
1)Vinoビノ(I.G.P.もD.O.P.も名乗れないワイン)
2)I.G.P.(地理的表示保護)
Vino de la Tierraビノ・デ・ラ・ティエラ
・EUのI.G.P.や、フランスのヴァン・ド・ペイと同じ
・2006年に承認されたViñedos de Espanaビニュードス・デ・エスパーニャもこのカテゴリーに含まれる
・現在42が認定
3)D.O.P.(原産地呼称保護)
Vino de Calidad con Indicatión Geográficaビノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ(V.C.)
・地域名付き高級ワイン
現在7つのV.C.あり
Denominación de Origenデノミナシオン・デ・オリヘン(D.O.)
・スペイン高級ワインの中核的カテゴリー
・2つの例外あり(シェリー、カバはD.O.表記不要)
現在69が認定
Denominación de Origen Calificadaデノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ(D.O.Ca.)
・特選原産地呼称ワイン
リオハ(1991年)、プリオラート(2009年)の2つのみ
Vino de Pagoビノ・デ・パゴ(V.P.)
単一ブドウ畑限定ワイン(地域ではなく単一ブドウ畑&収穫ブドウで造られたワイン)
現在25のV.P.あり
Vino de Pago Calificadoビノ・デ・パゴ・カリフィカード(V.P.C.)
・V.P.がD.O.Ca.地域に重なる土地の場合Vino de Pago Calificadoと表示可能
現在まだ存在しない

熟成規定
Crianzaクリアンサ:赤24ヶ月(樽熟成6ヶ月)、白/ロゼ18ヶ月(樽熟成6ヶ月)
Reservaレゼルバ:赤36ヶ月(樽熟成12ヶ月)、白/ロゼ24ヶ月(樽熟成6ヶ月)
GranReservaグラン・レゼルバ:赤60ヶ月(樽熟成18ヶ月)、白/ロゼ48ヶ月(樽熟成6ヶ月)

D.O.P.カテゴリーと、認定数は最新の情報を必ず覚えましょう!
また、熟成規定はややこしいですが、頻出です!!

✅有機栽培のブドウ畑面積が世界最大
Vino Ecológicoビノ・エコロヒコ(オーガニックワイン)
約15万haの有機栽培ブドウ畑は世界最大(1位:カリティーリャ・ラ・マンチャ州)

有機栽培の項は近年追加箇所となります!

カバD.O.

✅瓶内二次発酵による生産されるスパークリングワインのD.O.
カバはカタルーニャ語で「洞窟」を意味する
✅原産地呼称だが、特例として異なる州や産地にも認定生産地域がある
生産量の95%がカタルーニャ州同州のSan Sadurní d’Anoiaサン・サドゥルニ・ダノイヤでその85%が生産

✅歴史
Josep Raventós Fatijóジュゼップ・ラベントス・ファティホがシャンパーニュ地方で技術を学び、醸造機器を持ち帰り、1872年に瓶内二次発酵製法によるスパークリングワインの商業生産に成功
・1972年にスペイン産のスパークリングワインの呼称としてカバが承認
1986年にカバがD.O.に認定
・2020年にカバD.O.委員会が認定生産地域のゾーン分類と新たな熟成表示を発表

✅主要ブドウ品種3種
マカベオ(フルーティな味とさわやかさ)
チャレッロ(酸味をもたらす)
パレリャーダ(花のような香り)
※2008年からピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールを造ることが認められた

Cava de Paraje Calificadoカバ・デ・パラヘ・カリフィカード
・カバD.O.認定地域内の限定されたエリアで厳格な規定を満たした場合に名乗れる
・樹齢最低10年以上
熟成期間最低36ヶ月
・単一収穫年のヴィンテージ・カバのみ
2024年現在、8のパラへ(畑)と10のカバ・デ・パラヘ・カリフィカードが認められている

✅熟成表示
Cava de Guardaカバ・デ・グアルダ(瓶貯蔵・熟成期間:9ヶ月以上、認証シールは緑色)
Cava de Guarda Superiorカバ・デ・グアルダ・スペリオール(オーガニック栽培されたブドウを100%使用)
 >Reservaレセルバ(瓶貯蔵・熟成期間:18ヶ月以上、認証シールは銀色)
 >Gran Reservaグラン・レセルバ(瓶貯蔵・熟成期間:30ヶ月以上、認証シールは金色)
 >Cava de Paraje Calificadoカバ・デ・パラヘ・カリフィカード(瓶貯蔵・熟成期間:36ヶ月以上

✅統合的生産者スタンプ
Elaborador Integralエラボラドール・インテグラル(ブドウの圧搾から醸造までを100%自社で行う生産者を認めるスタンプ)

カバは頻出箇所です!
生産地域とその割合、歴史、ブドウ品種、熟成表示などを中心に押さえていきましょう

その他のスパークリングワイン

Corpinnatコルピナット
「ペネデスの心臓部に誕生」を意味
・カバD.O.生産者が興した生産者協会(AVEC)が取得した登録商標
・カバD.O.の規定よりも厳しい生産条件を課す(100%オーガニック栽培のブドウを手摘み、100%自社で醸造、最低瓶熟成期間18ヶ月以上など)
2024年現在12生産者がAVECに加盟(カバD.O.からは脱退)

Vino Espumoso de Calidadビノ・エスプモソ・デ・カリダ(上質スパークリングワイン)
・瓶内二次発酵によるスパークリングワイン(例:クラシック・ペネデス)

Vino de Agujaヴィノ・デ・アグハ
・地中海沿岸地方で多くが造られてきた弱発泡性ワイン

北部地方

リオハD.O.Ca.

✅首都マドリッドの北北東
エブロ川
1991年にスペインで最初のD.O.Ca.を獲得
3つのサブゾーン【テキスト地図参照】
Rioja Altaリオハ・アルタ(全栽培面積の50%、最も西部に位置、高い酸度を持つ熟成向きの赤ワイン
Rioja Alavesaリオハ・アラベサ(エブロ川左岸、若飲みタイプから熟成向きまでの赤ワイン)
Rioja Orientalリオハ・オリエンタル(エブロ川下流の両岸、ガルナッチャの栽培多い、アルコール濃度の高い赤ワインとロゼワイン)
✅伝統的にはアメリカンオークが使用され、白ワインも樽熟成を行う
✅赤ワインが約88%を占める

✅リオハの規則改定
1)熟成期間(Crianza、Reserva、Gran Reserva)※樽熟成の樽容量と熟成期間の一部が一般規定より厳しくなっている
2)新たな原産地表示(表示する原産地のブドウを100%用いた場合に以下の表示が可能)
Vinos de Zonaビノス・デ・ソーナ(Rioja Alta, Rioja Alavese, Rioja Orientalの3ゾーンがある)
Vinos de Municipiosビノス・デ・ムニシビオ(ブルゴーニュの村名ワインのようなもの、144ある)
Viñedos Singularesビニョード・シングラール(ブルゴーニュのリュー・ディのようなもの、148ある)
3)Espumoso de Calidadエスプモソ・デ・カリダ(上質スパークリングワイン:瓶内二次発酵、瓶貯蔵熟成期間15ヶ月、レゼルバは24ヶ月、Gran Añadaグラン・アニャーダは36ヶ月)

リオハはスペインで最も重要な産地のひとつです
サブ・ゾーンの地図上の位置や、リオハの規則改定も要チェックです!
リオハの規定改訂はポイントを押さえて覚えるようにしましょう

ナバーラ州

✅プロフィール
・1950年代にロゼワインの輸出が成功→ロゼワインの産地として認知
フランシスコ・ザビエルの出身地
・毎年7月にパンプローナで開催される牛追い祭り(サン・フェルミン)

Navarraナバーラ D.O.
ナバーラブレンド=在来品種(テンプラニーリョ)+外来品種(カベルネ・ソーヴィニヨンなど)

✅4つのV.P.
Finca Bolandinフィンカ・ボランディン V.P.(ナバーラD.O.最南部のボデガ・パゴ・シルススの所有地の畑)

アラゴン州

✅プロフィール
・イスラム文化に影響を受けたムデハル様式の建築群(ユネスコ世界遺産)
・画家フランシスコ・ゴヤの出身地
・4つのD.O.と1つのV.P.あり

Campo de Borjaカンポ・デ・ボルハ D.O.
・栽培面積の70%近くをガルナッチャが占め、ガルナッチャ王国」と称される

Cariñenaカリニェナ D.O.
・黒ブドウ品種カリニェナの原産地(フランスではカリニャンアラゴン以外のスペインではマスエロと呼ばれる

Calatayudカラタユド D.O.
・地名は、かつてのイスラム教徒の城「カラト・アユブ」に由来
・カラタユド・スペリオールのカテゴリーあり(最低樹齢50年、3,500kg/ha以下の収量のガルナッチャを85%以上使用)

Somontanoソモンターノ D.O.
・ソモンターノは「山麓」を意味する

バスク州

✅プロフィール
・スペイン北部、ピレネー山脈の西
Pinchosピンチョス(楊枝で刺した一口つまみ。タパス)
・ブドウ畑は風通しを良くするためにParralパラルと呼ばれる棚仕立てが主
・3つのチャコリ(微発泡性の辛口、酸味が強く、アルコール度数が低いワイン)のD.O.
オンダラビ・スリから造られる白ワインが主

Chacoli de Getariaチャコリ・デ・ゲタリア D.O.
Chacoli de Bizkaiaチャコリ・デ・ビスカイア D.O.
Chacoli de Álavaチャコリ・デ・アラバ D.O.

ナバーラ州はナバーラブレンド、
アラゴン州は各D.O.のキーワード、
バスク州は3つのチャコリのD.O.を持つ州であること、
を押さえておきましょう!

大西洋地方

ガリシア州

✅プロフィール
・スペイン北西部、南はポルトガルと国境を接する
・リアス式海岸の語源となった入り江が多い
・5つのD.O.

Rías Baixasリアス・バイシャス D.O.
・リアスは「入り江」、バイシャスは「下部や南部」を意味する
・ポルトガルとの国境を流れるミーニョ川
・96%がアルバリーニョ
ラベルに「アルバリーニョ」を表記する場合はこの品種を100%使用すること
・「海のワイン」と称される

Valdeorrasバルデオラス D.O.
・「黄金の谷」を意味
・ガリシア州のワイン産地で一番内陸に位置する

Ribeira Sacraリベイラ・サクラ D.O.
・「聖なる川岸」を意味
・昔たくさんあった修道院を中心に行われたブドウ栽培とワイン造りの歴史

Monterreiモンテレイ D.O.
・ガリシア州最南部

Ribeiroリベイロ D.O.
・白ワインが90%を占める(トレイシャドゥーラが代表的)
Tostadoトスタド(リベイロ特産の、乾燥ブドウから造る甘口ワイン)

リアス・バイシャスD.O.は頻出です!
その他のD.O.はガリシア州のD.O.であることを押さえましょう

カタルーニャ州

✅プロフィール
サルバドール・ダリを輩出
テンプラニーリョのシノニム:Ull de Llebreウル・デ・リェブレ
・1つのD.O.Ca.と10のD.O.あり

Prioratoプリオラート D.O.Ca.
2009年にD.O.Ca.認定
・地質は主にLlicorellaリコレッリャ(スレート)
・12のサブ・ゾーン(Vi de Vila)が認定
・地元品種カリニェナガルナッチャを生かしたモダンスタイルの高品質ワインを生産
・Vi de Vilaに加え、プリオラートの3つの新格付け(表示はプリオラートD.O.Ca.と併記)
Vi de Vilaビ・デ・ビラ(ブルゴーニュの村名ワインにあたる。12サブ・ゾーンが認定)
Vi de Paratgeビ・デ・パラッチェ(ブルゴーニュのリュー・ディにあたる。認定された単一畑)
Vinya Classificadaビーニャ・グランフィカーダ(ブルゴーニュのプルミエ・クリュのようなもの。認定された単一畑)
Gran Vinya Classificadaグラン・ビーニャ・クラシフィカーダ(ブルゴーニュのグラン・クリュのようなもの。認定された単一畑において伝統的方法で栽培されること)
Velles Vinyesベリャス・ビーニャス(古木畑)の表示は、樹齢75年以上または1945年以前に植樹されたブドウ樹のブドウを用いたワインに表示できる

Penedésペネデス D.O.
・瓶内二次発酵のエスプモソ(スパークリングワイン)は2015年から「クラシック・ペネデス」という呼称になり、瓶内貯蔵・熟成期間は15ヶ月以上。100%有機栽培ブドウの使用が義務付け
ペネデスD.O.委員会は2022年新カテゴリーを承認
 >Vino de Masíaベノ・デ・マシア (Vi de Masビ・デ・マス):樹齢は最低10年以上
 >Gran Vino de Masíaグラン・ビノ・デ・マシア (Gran Vi de Masグラン・ビ・デ・マス):樹齢25年以上
 ※マシアはフランスのドメーヌのようなもの

Montsantモンサン D.O.
・2001年にタラゴナD.O.から独立
・プリオラートD.O.Ca.を馬蹄形状に囲む

Terra Altaテラ・アルタ D.O.
・州最南部に位置
スペインのD.O.P.ワインの中で初めてのオレンジワインカテゴリーが承認(名称:Vins Brisatsビンス・ブリサッツ
・白ワインでガルナッチャ・ブランカ100%で造られるものに「Garnatxa Blanca100X100」の呼称が認められる

Empordàエンポルダ D.O.
・州最北端、フランスと国境を接する
・ロセスはB.C.400年代にフェニキア人がブドウ栽培を最初に伝えた地とされる

Tarragonaタラゴナ D.O.
・生産量の70%が白ワイン
Vimblancビンブラン(天日干ししたブドウから酒精強化せずに造る伝統的な甘口ワイン)
新たにVino Brisadoビノ・ブリサドと呼ぶオレンジワインが承認

Cataluñaカタルーニャ D.O.
・カタルーニャ州の10のD.O.とD.O.Ca.およびカバD.O.の認定地域を含む、州のほぼ全域を産地に包括するD.O.
Catalunya Vinyeroカタルーニャ・ビニェロ(自社畑産ブドウ100%から造られるワインに認められた表示)
Vi de Fincaビ・デ・フィンカ:カタルーニャ州独自のカテゴリーで高評価を獲得している単一畑ワイン(19の単一畑ワインが承認)

プリオラートD.O.Ca.は必ず覚え、その他重要な上記D.O.はカタルーニャ州のD.O.であることと、黄色下線部分は覚えるようにしましょう
また、タラゴナD.O.にオレンジワインのカテゴリーが新たに承認されました!

バレンシア州

✅プロフィール
・1238年にアラゴン王が組織した十字軍がイスラム教徒を駆逐しバレンシア王国が誕生
・3つのD.O.と4つのV.P.あり

Alicanteアリカンテ D.O.
モスカテル・デ・アレハンドリアから造られる酒精強化ワイン(モスカテル・デ・アリカンテ)が有名
Fondillonフォンディリョン(過熟させ遅摘みしたモナストレルから造る。ソレラ方式で最低10年熟成)

Utiel-Requenaウティエル・レケーナ D.O.
・栽培されるブドウの約80%が黒ブドウで、ボバルが約64%を占める
・スペインで最初の醸造学校が設立されるなど、ワイン生産が主要産業

ムルシア州

✅プロフィール
・ヨーロッパ最大の海水湖マール・メノール
・3つのD.O.あり(1つはカスティーリャ・ラ・マンチャ州とまたいでいる)

Jumillaフミーリャ D.O.
・カスティーリャ・ラ・マンチャ州とまたがる
・主要品種はモナストレル

内陸部地方

カスティーリャ・イ・レオン州

✅プロフィール
・カスティーリャは「城」の意味
・大部分が標高のある北部メセタ上に広がる
・9つのD.O.、3つのV.P.と4つのV.C.がある

Ribera del Dueroリベラ・デル・ドゥエロ D.O.
・2000年のワイン造りの歴史を持つ
・1980年代に入るまで、ボデガ、Vega Siciliaベガ・シシリアが孤高の存在だった
1982年D.O.に認定Bodega Tinto Pesqueraボデガ・ティント・ペスケラをはじめ世界的名声を得る生産者が増える
ドゥエロ川に沿ってブドウ畑がある
・大陸性気候
赤とロゼにD.O.が認められていたが、2019年ヴィンテージから白ワインも認められた

Ruedaルエダ D.O.
ベルデホソーヴィニヨン・ブランから造られるスペインの代表的な白ワイン産地
Rueda Doradoルエダ・ドラド(伝統的な酸化熟成タイプの酒精強化ワイン)
Rueda Espumosoルエダ・エスプモソ(瓶内二次発酵スパークリングワイン)
ルエダの新規定
・白ワインの呼称をすべてルエダのみに統一、2020年ヴィンテージから以下の呼称・表示を認めた
Vino de Puebloビノ・デ・プエブロ(ブルゴーニュの村名ワインと同じ)
Gran Vino de Ruedaグラン・ヴィノ・デ・ルエダ(樹齢30年以上のブドウを用い、最大収量が6,500kg/haのワイン)
Rueda Espumoso Gran Añadaルエダ・エスプモソ・グラン・アニャーダ(スパークリングワイン、最低瓶熟成期間36ヶ月以上)
Rueda Pálidoルエダ・パリド(酒精強化ワイン、最低3年間オーク樽でフロールの下で熟成)

Toroトロ D.O.
ティンタ・デ・トロテンプラニーリョ

Bierzoビエルゾ D.O.
メンシアから造られる赤ワイン
ビエルソの地理的階層
Bierzoビエルソ D.O.(地方呼称、以下②~⑤はこの地方呼称と併記する)
Vino de Villaビノ・デ・ビーリャ(ブルゴーニュの村名ワインのようなもの)
Vino de Parajeビノ・デ・パラへ(リュー・ディのようなもの)
Viña Clasificadaビーニャ・クラシフィカーダ(プルミエ・クリュのようなもの)
Gran Viña Clasificadaグラン・ビーニャ・クラシフィカーダ(グラン・クリュのようなもの)

カスティーリャ・イ・レオン州には重要なD.O.が多くあり、中でもリベラ・デル・ドゥエロは頻出です!
重要D.O.は地図上の位置も覚えるようにしましょう
また、ルエダの新規定とビエルソの地理的階層は最近追加された事項のため、概要を理解しておきましょう!

マドリード州

✅プロフィール
・スペインの首都マドリードがある
・D.O.は1つのみ

Vinos de Madridビノス・デ・マドリッド D.O.
・首都の名を持つ原産地呼称
Sierra de Gredosシエラ・デ・グレドス(新世代の生産者たちがガルナッチャ古木から造る高品質ワイン)

カスティーリャ・ラ・マンチャ州

✅プロフィール
マンチャは「水のない土地」を意味する
・ドンキ・ホーテの名著が生まれる
1地方のブドウ栽培面積では世界最大
Queso Manchegoケソ・マンチェゴスペインを代表するチーズ、羊乳、非加熱圧搾)
センシベルテンプラニーリョ
・9つのD.O.と13のV.P.がある

La Manchaラ・マンチャ D.O.
単一の原産地呼称では世界最大の広さ
・白ワイン(アイレン)、赤ワイン(センシベル
Dominio de Valdepusaドミニオ・デ・バルデプーサ V.P.
2003年にスペイン初のビノス・デ・パゴに認定
Rosalejoロザレホ V.P.
2024年にV.P.承認

Manchuelaマンチュエラ D.O.
・夏の夜にはViento Solanoビエント・ソラーノ(地中海で発生し、東から西へ吹くLevantレバンテのこと)と呼ぶ涼しく湿度のある風を受け夜間気温が下がる
新たにVino de Hieloビノ・デ・イエロ(アイスワイン)のタイプが承認

Campo de Calatravaカンポ・デ・カラトラバ D.O.
・2024年にD.O.承認
・火山性土壌が特徴(豊富なニッケル埋蔵量)

カスティーリャ・ラ・マンチャ州は頻出の州のため、ポイントを押さえて全体的に広く押さえておきましょう!
ロザレホV.P.とカンポ・デ・カラトラバD.O.は新規追加となります

エクストレマドゥーラ州

✅プロフィール
・D.O.は1つのみ

Ribera del Guadianaリベラ・デル・グアディアーナ D.O.
・同州唯一のD.O.

南部地方

アンダルシア州

✅プロフィール
・へレスの町を中心に、長いシェリー生産の歴史
・アルハンブラ宮殿(ユネスコ世界遺産)
・6つのD.O.と1つのV.C.あり

Jerez-Xérès-Syerry y Manzanillaヘレス・ケレス・シェリー・イ・マンサニーリャSanlúcar de Barramedaサンルーカル・デ・パラメーダ D.O.
白ブドウから造られる酒精強化ワイン(シェリー
・大西洋から吹く低温高湿のPonienteポニエンテという風と、内陸から吹く高温低湿のLeventeレバンテという風が、ブドウの成熟、ワインの熟成に影響

【風】
レバンテ:「太陽が昇る方向」を意味。地中海で発生し、西に向かって吹く
ポニエンテ:「太陽が沈む方向」を意味。大西洋で発生し、内陸に向かって吹く

【土壌】
Albarizaアルバリサ:炭酸カルシウムを25%以上含む真っ白な石灰質土壌
Barroバロ:アルバリサより粘土と砂を多く含む
Arenaアレナ:石灰分の含有量が20%以下で海岸地域に多い土壌

【使用ブドウ品種】
パロミノモスカテルペドロ・ヒメネスの白ブドウ主要3種(約95%を占めるパロミノですべての辛口タイプが造られる。モスカテルペドロ・ヒメネスはごく甘口用)
・いくつかの伝統的な白ブドウ品種も認められている

【造り方(辛口)】
パロミノから辛口ワインを造る
②11月以降まで安定させると、フロール(産膜酵母)が発生(フロールが酸化を防ぐ役割)
Finoフィノ(フロール下で酸化せず熟成、酒精強化15%)かOlorosoオロロソ(フロールを消して酸化熟成、酒精強化17%)のいずれかに分類→Sobretablaソブレタブラ(熟成システムに入る前段階)
④フィノタイプはその後2つに分かれる
(1)フィノ:そのままフロール下で熟成
※フィノとして数年間熟成後、意図的な酒精強化、もしくは自然消滅でフロール消失後に酸化熟成したもの→Amontilladoアモンティリャード
(2)Palo Cortadoパロ・コルタド:フロールの状態が変化し、酸化熟成タイプと判断→酒精強化し17%へ
⑤いずれもCriaderaクリアデラSoleraソレラのシステムで熟成

【造り方(ごく甘口)】
①基本的に天日干ししたモスカテルペドロ・ヒメネスから果汁を搾り発酵させる
②発酵途中(初期)に酒精強化して甘さを残す
③辛口シェリーと同じ方式で樽熟成

【熟成】
・600Lのアメリカン・オーク樽使用
Sistema de Criaderas y Soleraシステマ・デ・クリアデラス・イ・ソレラ(クリアデラとソレラのシステム)(教本の図)
>アンダナ:樽を段積みしたブロック
>サカ:ボトリング用のワインの出荷
>ソレラ:一番下の段
>第一クリアデラ:下から二番目の段
>第二クリアデラ:さらに上の段
>ロシオ:上の段から目減り分を補充すること

【熟成地】
・これまで熟成地はJerez de la Fronteraヘレス・デ・ラ・フロンテラEl Puerto de Santa Mariaエル・プエルト・デ・サンタ・マリアSanlúcar de Barramedaサンルーカル・デ・バラメダに限定されていたが、他の生産地域も熟成地として認定されるが、認定地域は西経5°49′以西、北緯36°58’以南に限られる)
・例外規定→Manzanillaマンサリーニャサンルーカルで熟成されるフィノ

【辛口タイプ(Vino Generoso)】
Finoフィノ:アルコール度15〜17%、淡い麦わら色
Manzanillaマンサニーリャサンルーカルで熟成されたフィノ、アルコール度15〜17%、淡い麦わら色、カモミール香
Amontilladoアモンティリャード:フロール下で熟成後に酸化熟成、アルコール度16〜22%、琥珀色
Olorosoオロロソ:酸化熟成タイプ、アルコール度17〜22%、琥珀色からマホガニー色、フルボディ
Palo Cortadoパロ・コルタド:短期間フロール下にあり、その後酸化熟成、アルコール度17〜22%

【中間の甘さタイプ(Vino Generoso de Licor)】
Palle Dryペイル・ドライ:アルコール度15〜22%、残糖4~45g/L、淡い黄色〜金色、フロール下で熟成したワインをベース
Pale Creamペイル・クリーム:アルコール度15〜22%、残糖50~115g/L、淡い黄色〜淡い金色、フロール下で熟成したワインをベース
Mediumミディアム:アルコール度15%〜22%、残糖4~115g/L、琥珀色〜マホガニー色、フロール下で熟成と酸化熟成を経たワインをベース(Medium Dry:残糖50g/Lまで、Medium Sweet:残糖Medium Dry以上)
Creamクリーム:アルコール度15%〜22%、残糖115~140g/L、濃い琥珀色〜マホガニー色、酸化熟成したワインをベース

【ごく甘口タイプ(Vino Dulce Natural)】
Moscatelモスカテル:アルコール度15%〜22%、残糖160g/L以上、天日干しした同名のブドウを85%以上使用(天日干ししない場合もあり)
Pedro Ximénezペドロ・ヒメネス:アルコール度15%〜22%、残糖212g/L以上、天日干しした同名のブドウを85%以上使用
Dulceドゥルセ:上記2タイプ以外の条件で認定品種から造られた極甘口

【ラベル表示】
en ramaエン・ラマ:清澄も冷却処理もしていないワイン
pagoパゴ:パゴ(独自のテロワールを持つ伝統的な区画)として認定されている畑で栽培されるブドウを85%以上使用した製品

【特別なカテゴリー】
Fino Viejoフィノ・ビエホManzanilla Pasadaマンサニーリャ・パサダ最低熟成期間7年以上のフィノとマンサニーリャ
熟成期間認定シェリー:12年以上熟成、15年以上熟成、20年以上熟成(V.S.O.)、30年以上熟成(V.O.R.S.
Añadaアニャダ(シングルヴィンテージ・シェリー):クリアデラとソレラのシステムではなく単一収穫年のワインを同じ樽で長期間熟成

シェリーは生産地、熟成地、生産工程、様々なタイプなど頻出箇所です!
造り方の違いによるタイプ分けは複雑で覚えにくいので、テキスト以外の情報も使用して、まとめ直してみると理解が深まります

Málagaマラガ D.O.
・シェークスピアの時代にSackサックと呼ばれて、もてはやされたワインの1つ
Pasas de Malagaパサス・デ・マラガモスカテル・デ・アレハンドリアを天日干しして造る甘口ワイン)は、マラガD.O.と併記せず単独のD.O.として呼称表示可能

Montilla-Morliesモンティーリャ・モリレス D.O.
・土壌はアルバリサ
・シェリーと同じように様々なタイプのワインができ、ソレラシステムで熟成される

諸島

バレアレス諸島

✅プロフィール
・マヨルカ島を含む4島と小島や岩礁からなる
・2つのD.O.あり

Binissalemビニサレム D.O.

Pla i Llevantプラ・イ・リェバン D.O.

カナリア諸島

✅プロフィール
・ランサローテ、グラン・カナリアなど7島からなる
・スペイン最高峰のテイデ山
フィロキセラの被害なし→現在も接ぎ木なし、自根のまま栽培
・10のD.O.とカナリア諸島を包括するV.C.あり

Lanzaroteランサローテ D.O.
・島全体がD.O.の認定地域
緑に火山礫を並べたクレーター状の穴の中に樹を1本ずつ植える独特な栽培方法Hoyosオヨスと呼ぶ穴、Zanjasサンハスと呼ぶ溝、Abrigoアブリゴと呼ぶ低い壁)→年中吹く強風やアフリカ大陸のサハラ砂漠から吹いてくる熱風を防ぐ効果あり(以下写真)

出典:www.andreabernesco.comより引用

El Hierroエル・イエロ D.O.
・カナリア諸島最西端の火山島

Gran Canariaグラン・カナリア D.O.
・ブドウ品種は白のリスタン・ブランコや黒のネグラモルなどがD.O.として認められ、カベルネ・ソーヴィニヨンメルロシラーなどの国際品種はD.O.としては認められていない

ランサローテD.O.の独特な栽培法については、各用語が近年追記されています

ポルトガル

ポルトガル概要

イベリア半島の西側
世界のコルクの約半分が生産されている(世界最大のコルクメーカーであるアモリン社が有名)
ポルトマデイラはシェリーとともに世界三大酒精強化ワイン
✅2022年は前年に比べブドウ収量が10%以上少なかった

歴史

✅B.C.600〜500年頃 フェニキア人によりワインの歴史が始まる
ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路発見→日本との南蛮貿易→織田信長が好んだ珍陀酒はポルトガルの赤ワインとされる
✅2020年:ポルトにWorld of Wineという名の文化施設が造られる

主なブドウ品種

✅白1位:フェルナォンピレス(=マリア・ゴメス
黒1位(全体1位):アラゴネス(=ティンタ・ロリステンプラニーリョ
✅重要白品種
アルヴァリーニョ@ヴィーニョ・ヴェルデ北部
ロウレイロ@ヴィーニョ・ヴェルデ海沿い
アリント(非常に高い酸味)
エンクルザード(オークとの相性が良い品種)
✅重要黒品種
トウリガ・ナショナル(ポルトガルを代表する品種)
バガ(バイラーダ地方原産の、単一で使用される最も代表的な品種)
カステラォン(ポルトガル南部で最も栽培されている品種)
✅産地別D.O.P.ワイン栽培面積(1位:ドウロ、2位:ミーニョ

ワイン法

1756年 ポルトを対象に原産地呼称管理法を導入(世界初)

✅ワイン法による分類
Vinhoヴィーニョ(地理的表示のないワイン)
I.G.P.(地理的表示保護)
Vinho Regionalヴィーニョ・レジョナルV.R.)の表記も可
D.O.P.(原産地呼称保護)
Denominação de Origem Controladaデノミナサン・デ・オリジェン・コントロラーダD.O.C.)の表記も可能

Reservaレゼルヴァ(伝統的表記として認められている呼称)
アルコール度数が地域の法定最低度数より0.5%以上高い

北部

ミーニョ

✅プロフィール
・ポルトガルのブドウ収穫量の1/8、栽培面積の14%を占める
・世界遺産ギマラインスは初代ポルトガル国王生誕の地

Vinho Verdeヴィーニョ・ヴェルデ D.O.C.
・ヴェルデは「緑」、「若々しさ」という意味
・白が大半を占める
・9つのサブリージョン

ミーニョは頻出です

トランスモンターノ

✅地方料理と食材
Chouriçoショリッソ(スモークソーセージ)
Salpicãoサルピカォン(スモークハム)
Cabrito Assadoカブリット・アサード(薪窯でローストした仔山羊)

ドゥリエンセ

✅プロフィール
・ポルトとドウロの産地は、ドウロ川下流から上流に向かって、以下の3つに区分
Baixo Corgoバイショ・コルゴ(面積は最も小さいが、ブドウ栽培面積占有率は最も高い)
Cima Corgoシマ・コルゴ(高品質ワイン生産において重要)
Douro Superiorドウロ・スペリオール(最も上流)

上記区分は地図上の位置も確認しておきましょう

Portoポルト D.O.C.
・世界三大酒精強化ワインの1つ
・シマ・コルゴの質の高いブドウがポルトワイン造りにおいて重要
・ポルトはポルトガル第2の都市

【生産方法】
樹齢が5年に満たない樹のブドウはポルトの生産に使用できない
・カダストロ(土地台帳)に基づくポイント制度で6段階に区分
・伝統的にSocalcosソカルコスと呼ばれる段々畑でブドウが栽培されていた
・ポルトワインの代表的生産品種:トウリガ・ナショナルティンタ・バロッカトウリガ・フランカティンタ・ロリスティント・カォン
一般的な赤ワインの醸造に比べ醸しの時間が短い(かつては人の足でブドウを踏み潰す手法→色素やタンニンを効率よく抽出可能)
・短期間の醸しの後、発酵中の液を抜き、それに77%のグレープ・スピリッツを添加
・5段階の甘さ(エクストラ・ドライ<ドライ<セミドライ<スイート<ヴェリー・スウィート)
アルコール度数19度〜22度、ただしライト・ドライ・ホワイト・ポルトは最低16.5度までOK
・レッドポルト(黒ブドウを原料)とホワイトポルト(白ブドウを原料)に大別
・レッドポルトは、ルビータイプとトウニータイプに分類
【タイプ、規定】
①ルビータイプ:平均3年間の樽熟成後に瓶詰めされる若いタイプのポルトワイン
Ruby Reserve Portルビー・リザーブ・ポルト:毎年品質の高いワインをブレンド
Crusted Portクラステッド・ポルト:販売まで最低3年間熟成される
Late Bottled Vintage Portレイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポルト (L.B.V.):収穫から4年目3~9月にI.V.D.P.(ドウロ&ポルトワイン・インスティテュートに申請、瓶詰めは4年目7月〜6年目年末
Vintage Portヴィンテージ・ポルト:収穫から2年目7月〜3年目6月に濾過せず瓶詰め。デカンタージュ必要
Single Quinta Vintage Portシングル・キンタ・ヴィンテージ・ポルト:2つのタイプあり
 1)Vintage Portで申請されなかった、良年の単一畑のブドウから造られるタイプ
 2)飲み頃に成るまでシッパーによって熟成されるタイプ
②トウニータイプ:小さい樽で熟成させるなどして酸化が進んだトウニー(黄褐色)のワイン
熟成年表記トウニー・ポルト:長い年月熟成。10年、20年、30年、40年もの
Colheitaコリェイタ収穫年表示ポルト。収穫から3年目に申請、瓶詰めは7年後から行う
Garrafeira Portガラフェイラ・ポルト:単一年のブドウを原料とし、瓶詰前にガラス製のdemijohnsデミジョンで最低7年間熟成
③ホワイトタイプ
Light Dry White Portライト・ドライ・ホワイト・ポルト白ブドウを原料とし、最低アルコール度数16.5度以上
④ロゼタイプ
Rose Portロゼ・ポルト:黒ブドウを原料とし、低温で短時間のスキンコンタクトアルコール度数19度程度

ポルトは頻出のため、造り方、タイプ毎のカテゴリーはキーワードと共に必ず押さえましょう!ルビータイプのルビー・リザーブ・ポルトとクラステッド・ポルトは近年追加となっています!

Douroドウロ D.O.C.
ポルトと同一エリアで造られるスティルワイン
・2003年に結成されたドウロボーイズと呼ばれる5人組をはじめとする若い生産者達の活動によって、酒精強化しない赤ワインの産地として注目
Barca Velhaバルカ・ヴェーリャは歴史が長く、最も偉大なワイン(ファーストヴィンテージ1952年)

中部

テラス・デ・システル

✅プロフィール
・シトー派の地という意味
・地方料理と食材:Pão-de-lóパォン・デ・ロー(カステラの起源とされる、スポンジ状のケーキ)

Távora-Varosaタヴォラ・ヴァローザ D.O.C.
ポルトガルで初めてスパークリングワインの産地として認定

テラス・ド・ダン

✅プロフィール
・幅の狭い古い段々畑と石垣の伝統的なブドウ栽培地(世界遺産として保護)

Dãoダン D.O.C.
・赤ワインが80%を占める(トウリガナショナル主体
エンクルザードを使った白ワインも評価
・独自の品質分類あり

バイラーダ・アトランティコ

✅プロフィール
・ポルトガル第3の都市コインブラ

Bairradaバイラーダ D.O.C.
・ダンに接した産地
・赤ワインが85%を占める(バガ主体:タンニンが強くしっかりしたワイン)

ダンとバイラーダはよく問われます
ダンはトウリガナショナル主体、バイラーダはバガ主体で、産地は隣接しています

テラス・ダ・ベイラ

✅プロフィール
・協同組合からの生産が大部分を占める

リスボン

✅プロフィール
ポルトガルで最も多くのD.O.C.を有する

Bucelasブセーラス D.O.C.
・ブセラスを名乗るためには、アリント種を75%以上使用しなければならない

Colaresコラーレス D.O.C.
・12世紀のレシピをベースとしたMedieval de Ourémメディエヴァル・デ・オウレン(80%の白ワインと20%の赤ワインをブレンド)

テージョ

✅プロフィール
・闘牛やポルトガル式レースの競走馬の産地として有名

Do Tejoド・テージョ D.O.C.
・6つのサブ・リージョンあり

中部地方はどのD.O.C.が、どの産地に属するかをまずは頭に入れましょう!

南部

ペニンスラ・デ・セトゥーバル

✅プロフィール
・このエリアは2009年までTerras do Sadoテラス・ド・サドと呼ばれていた

Setúbalセトゥーバル D.O.C.
・マスカットの酒精強化ワイン
モスカテル・デ・セトゥーバルマスカット・オブ・アレキサンドリア)またはモスカテル・ロッショを67%以上含まなければならない→85%以上含むワインは品種名をラベル表記できる
・18ヶ月以上オーク樽で熟成
アルコール度数16%〜22%
・ラベルには熟成年数によって10年、20年、30年、+40年などの表記があり、5年以上の熟成でSuperiorの表記可能

セトゥーバルはマスカットの酒精強化ワインとして有名なので覚えましょう

アレンテジャーノ

✅プロフィール
・世界有数のコルク産地

Alentejoアレンテージョ D.O.C.
・伝統的なアンフォラからクリーンなワインが生産されている
・2015年に生産者向けのサステイナビリティ―プログラムが正式に開始

アルガルヴェ

✅プロフィール
・ポルトガルにおけるイスラム勢力が終焉を迎えた場所

諸島

テラス・マデイレンセス

✅プロフィール
マデイラ諸島はリスボンから南西に1,000kmの太平洋上に浮かぶ島々で構成
・サッカー選手クリスティアーノ・ロナウドの出身地
・マデイラ刺繍が有名

Madeiraマデイラ D.O.C.
【生産方法】
・急斜面にPoiosポイオスと呼ばれる石垣で形成された段々畑
添加するグレープスピリッツのアルコール度数96度
ワインのアルコール度数17〜22度
Canteiroカンテイロ(太陽熱を利用した天然の加熱熟成法、長期熟成タイプの高級ワイン、収穫した次の年から数えて3年経過しないと商品化できない)
Estufaエストゥファ(人口的な加熱装置、45~50℃で約3か月間加熱、3年熟成などのスタンダードタイプ、収穫した翌年の10月31日以前には瓶詰めすることも販売することもできない)
【タイプ、規定】
熟成は3年以上必要Reserva:5年以上、Special Reserva:10年以上、Extra Reserva:15年以上)
・品種名表示のマデイラは表示品種が85%以上使用されなければならない
Frasqueiraフラスケイラ (単一品種、単一収穫年表記のヴィンテージワイン、最低20年以上熟成、表示品種100%使用が必要)
Colheitaコリェイタ (収穫翌年1月1日以降に樽詰めされ、継続して5年以上熟成を行ったワイン)
ブドウ品種と特徴】
Sercialセルシアル(比較的冷涼な気候の地域で栽培される白ブドウ。酸味を生かした辛口タイプ
Verdelhoベルデーリョ(涼しい北部地域で栽培される白ブドウ。中辛口タイプ)
Boalボアル(暖かい南部地域で栽培される白ブドウ。中甘口タイプ)
Malvasiaマルヴァジア海岸沿いの暑い地域で栽培される白ブドウ。甘口タイプ)
Tinta Negraティンタ・ネグラ収穫量が全体の80%と最も多い黒ブドウ。3年熟成タイプに多く、ブレンドとして使用)
Terrantezテランテス(果皮が非常に薄く繊細なため生産量少ない白ブドウ。中辛~中甘口タイプ)
Bastardoバスタルド (かつて栽培されていた黒ブドウ。現在ではほとんど見かけない)

マデイラは頻出なので、造り方、特にカンテイロとエストファの違い(教本の図)や、ブドウ品種と特徴は整理して覚えるようにしましょう!

アソーレス

✅プロフィール
アソーレス諸島はリスボンから西へ1,500kmの大西洋に浮かぶ9つの島々からなる群島

Picoピコ D.O.C.
・ピコ島はアソーレス諸島で2番目に大きい火山島
Curraisクライスと呼ばれる黒い火山岩でできた石垣でブドウを囲み強い潮風からブドウ樹を守る(以下写真)
・代表的なワインであるLajidoラジドは中辛口タイプの酒精強化ワイン

Centuries Old Vineyards (14762533930).jpg
出典:WIKIPEDIAより引用(https://en.wikipedia.org/wiki/Landscape_of_the_Pico_Island_Vineyard_Culture

ピコはプロフィール、特徴的な栽培法、代表的な酒精強化ワインなど押さえましょう!

スペイン、ポルトガル 予想問題

理解度の確認のため、10問全問正解するまで帰れま10にチャレンジしてみましょう!

10問全問正解するまで何度もチャレンジしてみてください。問題には教本の該当ページを記載してありますので、間違った問題や解答に迷った問題は、都度教本に戻って復習してみてください。

スペインのリアス・バイシャスにおいて、アルバリーニョの栽培比率は約何%を占めるか?【P.418】
Portoワインの発酵中に添加されるグレープスピリッツのアルコール濃度は何%か?【P.677】
次のスペイン酒精強化ワインのシェリーのタイプのうち、酸化熟成されないものはどれか?【P.435】
次のポルトガルのMadeiraに関する記述のうち、間違っているのはどれか?【P.689】
次のスペインD.O.Ca. Prioratoに関する記述のうち、正しいものはどれか?【P.420】
次のうち、3つのチャコリのD.O.ワインを有するスペイン自治州はどこか?【P.416】
次のポルトガルのマデイラワインの生産方法に関する記述のうち、間違っているのはどれか?【P.689】
スペインのカバD.O.において、2008年から認められたブラン・ド・ノワールのカバを造る際に使用される品種は何か?【P.410】
次のスペインのシェリーのタイプの中で、辛口なのはどれか?【P.435】
ポルトワインのうち、Light Dry White Portの最低アルコール度数は何度か?【P.677】
10問全問正解するまで帰れま10【スペイン・ポルトガル】
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