ソムリエ/ワインエキスパート試験対策について、教本の出題ポイントをまとめています
昨年度からの変更点や、頻出箇所などポイントを抑えて解説します
最後に確認問題を掲載してありますので、理解度の確認に使用してください!
各項目の出題ポイント、ヒントはボックスで示しました
必ず押さえておくべき用語は青字、人名は赤字、ブドウ品種は緑字で表示しています
その他黒字の部分もできるだけ広く覚えるようにしましょう!
また、重要な箇所は黄色のアンダーラインで示しています

昨年からの主な変更点
ドイツ
- 各種統計量の更新(ブドウ栽培面積、ワイン生産量、気象データ、ブドウ生産比率など)【全体】
- プロフィールの記載修正、追記(ナチュラルワインの生産者の登場、アールの大洪水の復興見通しなど)【P.494】
- 気候風土の記載追記(近年はフランス系品種の栽培面積が増えつつある)【P.495】
- 2021年ヴィンテージレポートの更新【P.495】
- 主なブドウ品種の説明文全面改訂【P.496,498】
- アールのプロフィールに2021年の大洪水の復興に関する記述追記【P.507】
- アールの産地地図が詳細版に変更し、合わせて気候風土の記述も産地の特定など詳細に【P.507】
- ヘシッシェ・ベルクシュトラーセのプロフィールにローター・リースリングの記載追加(近年、リースリングの祖先~最後)【P.517】
- ヴェルテンベルクのプロフィール一部改訂(郷土料理のマウルタッシェ~最後)【P.520】
- ザクセンの歴史一部改訂(2段落目)【P.524】
- ドイツの食文化とワインの項が削除され、各生産地域に郷土料理の項が振り分け【全体】
ドイツは一部の生産地域で情報が更新されていますので、要チェックです!
また、これまで1つにまとめられていたドイツの食文化の記述が各生産地域の郷土料理として振り分けられているので、特徴的な郷土料理はどこの生産地域のものか押さえましょう
オーストリア
- 各種統計量の更新(ブドウ栽培面積、ワイン生産量、ブドウ生産比率など)【全体】
- プロフィールに2021年ヴィンテージ情報が追記【P.330】
- ワイン法と品質分類の説明文一部追記改訂(そして新しく認可されたヴァーグラムD.A.C.については~Ortzwein(村名ワイン)の制定がなされた)【P.335】
- 限定生産地域のヴァーグラムがD.A.C.認可。該当箇所の記述も併せて変更【全体】
- ゼクト・オーストリアが項立てされ、説明文も一部改訂【P.337】
- ハウアーゼクトの3つの品質分類の名称が変更され、規定条件も一部改訂【P.337-338】
- クレムスタールD.A.C.の規定にOrtswein 村名ワインの記述追加【P.341】
- オーガニックワインの説明文一部追記(ブドウ畑は、Demeterと~全体の2.8%を占めるが、)【P.351】
オーストリアはヴァーグラム D.A.C.の認可が大きな改訂点です!
その他、ゼクトの記載も一部変更されているので要チェックです
ドイツ
ドイツ概要
✅13の生産地域(BA)
✅EUのゾーン分類ではドイツの大半が最も冷涼なゾーンA(バーデンのみゾーンB)
✅13生産地域の合計ブドウ栽培面積はボルドーの栽培面積の約9割に相当
✅2021年に収穫されたブドウ果汁とワイン生産量の合計は2020年を若干上回る
✅毎年3月下旬にデュッセルドルフで開催される国際ワイン見本市ProWine
✅2021年に新しいドイツワイン法が施行(果汁糖度から地理的呼称へ)→2025年まで移行期間、ラベル表記登場は2026年産から
✅2021年7月に生産地域アールが大洪水による深刻な被害
歴史
・800年 カール大帝がワイン造りの普及に貢献
・1136年 ラインガウにエーバーバッハ修道院設立→ピノ・ノワールをブルゴーニュから持ち込む
・1720年 ヨハニスベルグでリースリングの苗木が大量に植樹
・1775年 ヨハニスベルグで貴腐ワインの醸造が毎年試みられるようになる
・1860年代 ラインガウ、モーゼルで畑の格付けが行われる
・1960年代~70年代 甘口ワインブーム
・1990年代 赤ワインブーム、辛口ワインの需要高まる
・1999年 ラインガウでブドウ畑の格付け制度始まる
気候風土
✅温暖化の影響で1989年以降ほぼ毎年ブドウが熟すようになる
✅遅霜、豪雨、雹などに見舞われることが増えている
✅2021年ヴィンテージレポート
・低温と雨の影響で、気候変動以前に戻ったような生産年
・アルコール濃度が控えめで、フレッシュな酸味が持ち味の生産年
ヴィンテージレポートは最新情報に更新されていますので要チェックです
主なブドウ品種
✅白ブドウ1位(全体1位):リースリング
✅黒ブドウ1位:シュペートブルグンダー
✅重要なシノニム
・ミュラートゥルガウ=リヴァーナー
・グラウブルグンダー=ルーレンダー=ピノ・グリ
・ヴァイスブルグンダー=ピノ・ブラン
・シュペートブルグンダー=ピノ・ノワール
・レンベルガー=ブラウフレンキッシュ
✅ブドウ品種の交配
・ミュラー・トゥルガウ(リースリング X マドレーヌ・ロイアル)
・ドルンフェルダー(ヘルフェンシュタイナー X ヘロルドレーベ)
✅近年栽培面積が増えているのがフランス系の白品種
✅赤ワイン用品種は2005年をピークにやや減少傾向あり、2021年のブドウ栽培面積全体に占める割合は32%
✅カビ菌耐性品種(PIWI)
・赤のレゲント
・白のカベルネ・ブラン、ソラリス、ヨハニター
ブドウ品種のシノニムや交配は頻出です!
主なブドウ品種の説明文は今期全面改訂されていますので、近年の傾向など押さえておくようにしましょう
ワイン法と品質分類
✅1971年のワイン法(収穫時の果汁糖度による格付け)
✅2009年のEUワイン法施行により地理的呼称による格付けが導入(表記は任意)
✅ラインガウでは1999年にブドウ畑の格付けが施行
✅2001年にプレディカーツヴァイン醸造所連盟による独自の地理的呼称範囲による格付け開始
✅2021年にドイツワイン法改正(2025年までは移行期間、ラベル表記は2026年産から)
地理的構成
✅13の特定ワイン生産地域(BA:Bestimmte Anbaugebiete)
✅ベライヒ:13の特定ワイン生産地域は42地区のベライヒに分かれる(以下、頻出ベライヒ)
・Johannisberg、Burg Cochem、Bernkastel、Kaiserstuhl、Meissen
✅集合畑(Großlage):ベライヒの次に大きな地理的単位で、複数の単一畑(Einzellage)を包括
✅単一畑(Einzellage):一部に集合畑に属さない単一畑やベライヒに属さない単一畑もある
✅Landwein:特定ワイン生産地域の他に26のラントヴァイン生産地域がある。フランスのVins de Paysに相当する日常消費用ワインのカテゴリー
ドイツの地理的構成は少しわかりにくいですが、次の品質分類と合わせて覚えましょう!
品質分類
ドイツワインは以下の2つのカテゴリーに分けられる
(A)地理的表示のないワイン
(1)EUワイン
(2)地理的表示のないドイツワイン
(B)地理的表示付きワイン
(1)地理的表示保護ワイン:g.g.A.(Landwein)
・ラントヴァイン指定地域で栽培収穫されたブドウを85%以上使用すること
(2)原産地呼称保護ワイン:g.U.
①Qualitätswein
・13のBAの、いずれか1つの地域内で栽培・収穫されたブドウを100%使用
・アルコール濃度を補うためのシャプタリゼーション(補糖)が可能
・各BAの品質検査を受け、公的検査番号をラベルに表示する(検査番号の最右2桁は検査年)
②Prädikatswein
・生産条件はクヴァリテーツヴァインの規定に準じるが、補糖は禁じられている
・以下6つの肩書き
a)Kabinett(繊細で軽いスタイル)
b)Spätlese(完熟したブドウを用いる。Kabinettよりも香り高く、味わいに深みのあるスタイル)
c)Auslese(完熟しているか貴腐ブドウを用いる。香り高く複雑で深みがあり、貴腐独特の香味が期待)
d)Beerenauslese(貴腐ブドウか過熟したブドウ顆粒を手作業で収穫。香り高く濃厚で複雑なスタイル)
e)Eiswein(樹上で氷点下7℃以下の寒気で凍結したブドウ。糖分とともに酸度の高い濃厚な甘口)
f)Trockenbeerenauslese(相当程度に乾燥した貴腐ブドウを手作業で収穫・選別。濃厚かつ複雑で高貴な甘口であることが期待)
プレディカーツヴァインの肩書は頻出です。果汁糖度基準の順番に覚えましょう!
残糖値とスタイル
✅残糖値に応じた以下の表記あり(ラベル表記は任意)
・trocken:残糖値が4g/L以下。もしくは9g/L以下で総酸度が残糖値を2g/L以上下回らないこと
・halbtrocken:残糖値がトロッケンを超え、かつ12g/L以下か、18g/L以下で総酸度が残糖値を10g/L以上下回らないこと
・lieblich:残糖値がハルプトロッケンを超え、かつ45g/L以下
・süß:残糖値が45g/L以上
・feinherb:オフドライ
✅Oechsle
・Ferdinand Oechsleが提唱したブドウ果汁糖度測定法
✅Süßreserve
・発酵後に添加されることがある、未発酵のブドウ果汁
・添加量の上限は、総量の25%
スパークリングワイン
(1)Perlwein:弱発泡性ワイン。炭酸気圧は20℃で1~2.5気圧。最低アルコール濃度7%。イタリアのFrizzante、フランスのPétillantに相当
(2)Schaumwein、Sekt:発泡性ワイン(品質ごとに以下4つに分類)
①Schaumwein:炭酸気圧は20℃で3.0bar以上、アルコール9.5%以上
②Sekt/Qualitätsschaumwein:炭酸気圧は20℃で3.5bar以上、アルコール10%以上
③Deutscher Sekt:ドイツ国内産のベースワイン(ラントヴァイン)から生産
④Sekt b.A./Qualitätsschaumwein b.A.:BAで生産されたクヴァリテーツヴァインから生産(以下2つのカテゴリーあり)
a)Winzersekt:自家栽培、自家醸造したベースワインをゼクトに仕立てたもの。伝統的瓶内二次発酵。製造期間は一次発酵を含めて9ヵ月以上
b)Crémant:高品質なゼクトb.A.。製造期間は一次発酵を含めて9ヵ月以上
(3)Pét-Nat
・一次発酵途中で瓶詰めする、メトード・アンセストラルと同様の製法で醸造するスパークリングワイン
・Pét-NatはPétillant Naturelの略
スパークリングワインの分類はややこしいですが、よく問われますので覚えましょう!
ロゼワイン
(1)Roséwein/Rosé:赤ワイン用品種のみから醸造されたロゼワイン
(2)Weißherbst:単一の赤ワイン用品種から醸造されたロゼワインの一種でクヴァリテーツヴァインもしくはプレディカーツヴァインであることが必要。Weißherbstとラベル表記する場合、品種名も表示しなければならない。ロゼワインと表示してはならない
(3)Blanc de Noirs:赤ワイン用品種のブドウを発酵前に圧搾して醸造。外観は白ワイン。2021年のドイツワイン法改正ではg.U.であることが条件として加わった
(4)Rotling:赤ワイン用と白ワイン用のブドウ、もしくはその果汁を混ぜて醸造。生産地域によって独特の名称あり
・ヴェルテンベルク(Schillerwein)
・バーデン(Badisch Rotgold)
・ザクセン(Schieler)
ビオワイン
✅有機農法の畑:過去10年間で約3倍以上に増加。ドイツのブドウ畑の総面積の約10%
✅代表的な生産者団体
・ECOVIN:1985年設立、最大規模で253軒が加盟
・Demeter:バイオダイナミクスの団体、73軒が加盟
・その他の団体:Naturland、Biolandなど
ビオワインの記載は最近のトレンドとして教本全体で記載ボリュームが増えています
各認証団体の違いを押さえておきましょう!
ブドウ畑の格付け
(1)VDP. Die Prädikatsweingüter(プレディカーツヴァイン醸造所連盟)
・ドイツのブドウ畑の格付けを推進している生産者団体
・近年の会員数はおおむね200
(2)格付けの経緯
・1999年にラインガウで格付け制度始まる(Erstes Gewächs)
・2001年にファルツとラインヘッセンのVDP加盟醸造所を中心に3段階の格付けが決定(Großes Gewächs、Ortswein、Gutswein)
・2006年に最上ブドウ畑をErste Lage、そこから産出される辛口をGroßes Gewächsと呼ぶことに
・2012年に3段階から4段階の格付けとなる(VDP. Großes Lage、VDP. Erste Lage、VDP. Ortswein、VDP. Gutswein)
・2021年のドイツワイン法改正で単一畑呼称ワインの上級格付けとしてGroßes GewächsとErstes Gewächsが設定
(3)VDPの品質基準
①VDP. Gutswein(醸造所名入りワイン):エントリーレベル
・醸造所名、生産地域、ブドウ品種をラベルに記載
・辛口はクヴァリテーツヴァイン・トロッケンのみ表記し、プレディカーツヴァインの肩書と併記しない
②VDP. Ortswein(使用村名入りワイン):市町村名ワインに相当
・市町村名を産地として記載
・辛口はクヴァリテーツヴァイン・トロッケンとのみ表記し、プレディカーツヴァインの肩書きと併記しない
③VDP. Erste Lage(1級区画):プルミエ・クリュに相当
・醸造所名、ブドウ品種、市町村名とともに畑名を記載
・キャップシールにVDP. ERSTE LAGEと記載
・辛口はVDP. Erstes Gewächsと称し、ロゴを表ラベルに表記
④VDP. Große Lage(特級区画):グラン・クリュに相当
・辛口はVDP. Großes Gewächsと称し、ロゴのレリーフがある特性ボトルに瓶詰めされる
・キャップシールにVDP. GRESSE LAGEと記載
⑤VDP. SEKTとVDP. SEKT.PRESTIGE
・2020年に高品質なゼクトの格付け規約が発表
a)VDP. SEKT
・全貌圧搾、伝統的瓶内二次発酵で15ヶ月以上の瓶内熟成(ヴィンテージ付きは24ヶ月以上)
b)VDP. SEKT.PRESTIGE
・ヴィンテージの有無にかかわらず36ヶ月以上の瓶内熟成が必須
2021年新ドイツワイン法
✅2021年にドイツワイン法改正(2025年までは移行期間、ラベル表記は2026年産から)
・収穫時の果汁糖度から地理的呼称範囲へ変更
(A)地理的表示のないワイン
(1)EUワイン
(2)地理的表示のないドイツワイン
(B)地理的表示付きワイン
(1)地理的表示保護ワイン(g.g.A.)→現行のラントヴァインと同じ
(2)原産地呼称保護ワイン(g.U.)→現行のクヴァリテーツヴァインと同じ
①Anbaugebiet(生産地域名呼称ワイン)
②Region(地区名ワイン)
③GemeindeもしくはOrtsteil(市町村名もしくはその区域名ワイン)
④Einzellage(単一畑ワイン)か、それよりも狭い範囲の地理的呼称
⑤Erstes Gewächs(プルミエ・クリュ辛口)およびGroßes Gewächs(グラン・クリュ辛口)
2021年新ドイツワイン法の格付けは、各カテゴリーの格付け順位や、その地理的呼称範囲を押さえるようにしましょう!
ワインの産地と特徴
アール
✅ドイツ西部における最北のブドウ栽培地域
✅赤ワイン用ブドウ栽培比率80%超(ドイツ最大)→シュペートブルグンダー
✅2021年7月に豪雨に続く大洪水で、ほぼすべての醸造所が深刻な被害→ボトルに泥が付いたままのボトルを「洪水ワイン」として販売
✅Wildschweinbraten(イノシシのソテー)
モーゼル
✅2006年まではMosel-Saar-Ruwerと称していた
✅渓谷の斜面の約4割が斜度30%の急斜面の畑(Steillage)
✅白ワイン用品種の比率90.7%(ドイツ最大)→リースリングが約60%
✅辛口からオフドライのワインが約4割を占める
✅主なべライヒ:Burg Cochem、Bernkastel ※他4つは名前にモーゼルの旧名”モーゼル・ザール・ルーヴァー”のどれかが入る
✅Dibbelabbes(すりおろしたジャガイモ)
✅Gräwes(ザウアークラウトと炒めたベーコンをジャガイモのピュレに混ぜたもの)
ミッテルライン
✅栽培面積はドイツで2番目に小さい
✅2010年には165ある醸造所のうち74が小規模生産者で、約50件が自家醸造したワインを飲ませる居酒屋を経営
✅ブドウ畑の85%が斜度30度以上の急斜面
✅Rheinischer Sauerbraten(牛か馬の肉塊をマリネし、焼き色を付けマリネ液で蒸し煮)
ラインガウ
✅カビネットの語源はエーバーバッハ修道院が用いたのが最初
✅若手醸造家育成のガイゼンハイム大学がある
✅1867年にドイツで初めてブドウ畑を3段階に格付けした地図が刊行
✅白ワイン用品種の比率85.7%→リースリング約77%
✅べライヒ:Johannisberg
✅Himmel und Erde(天国を意味する「ヒルメン」はアップルムース、地上を意味する「エアデ」はジャガイモのピュレ。この2つの付け合わせとグリルの盛り合わせ)
ナーエ
✅ラインヘッセンとミッテルラインに挟まれた産地
✅Handkase mit Musik(サワーミルクのチーズにタマネギのみじん切りをのせたもの)
ラインヘッセン
✅ドイツ最大のワイン生産地域
✅「千の丘のある地方」と呼ばれている
✅リープフラウミルヒ:ヴォルムスの聖母教会の周囲のブドウ畑から造られた甘口白ワイン
✅若手醸造家が2001年に団体Message in a bottleを結成し高品質なワイン造りに取り組む
✅Zwiebelkuchen(炒めたタマネギとベーコンを生クリームと卵に混ぜこんで焼いたパンケーキ)
✅主なベライヒ:Bingen
ファルツ
✅ドイツで2番目に大きなワイン生産地域
✅ドイツで最も温暖な気候の地域
✅Saumagen(豚の胃袋を使用したソーセージ)
ヘシッシェ・ベルクシュトラーゼ
✅ドイツで最も栽培面積の狭いワイン生産地域
✅花崗岩土壌
✅リースリングの祖先といわれるローター・リースリングを特産品としてアピールする動きあり
✅ドイツで春が最も早く訪れ、冬の訪れも遅い→リースリング栽培に適している(栽培面積の約40%を占める)
✅Odenwälder Frühstückskäse(牛の生乳を使ったソフトチーズ。マンステールと同じ製法)
✅アップルワイン、蒸留酒
フランケン
✅マイン川
✅唯一バイエルン州に属する
✅辛口にこだわって生産
✅ボックスボイテルという、ずんぐりとした平たいボトルが特徴
・ボトル使用率は約30%
・語源は「山羊の睾丸袋」、「祈祷書を入れる袋」、「体の前に装着した袋」などの説あり
✅ジルヴァーナー(25%)、ミューラー・トゥルガウ(23%)の栽培面積が多い
✅Karphen blau(シュタイガーヴァルト南部のアイシュグルントでは鯉の養殖が盛んで、鯉料理が名物。クリスマスシーズンに食される)
ヴェルテンベルク
✅ネッカー川の中流から上流に分布
✅生産される約75%は醸造協同組合の醸造する手頃な価格のワイン
✅高品質なワインの多くは小規模家族経営の醸造所が生産
✅Maultasche(四角いパスタ生地に具材を入れて茹でた郷土料理。残り物を有効活用するシュヴァーベン地方の倹約精神から生まれたとされる)
バーデン
✅ドイツで3番目に大きなワイン生産地
✅シュペートブルグンダーが栽培面積の32.8%を占める
✅9つのベライヒがある(最多)
✅主なべライヒ:Kaiserstuhl
✅Flammkuchen(フランスのタルト・フランベでピザ)
ザーレ=ウンストルート
✅ドイツ最北のワイン生産地(北緯51度付近)
✅醸造家団体Breitengrad 51(ドイツ語で北緯51°):VDPと同様の格付けヒエラルキーを採用し産地の可能性を追求
✅主なべライヒ:Werder (Havel)
✅Altmärkische Hochzeitssuppe(伝統的に結婚式の最初に出てくるスープ)
ザクセン
✅ドイツで最も東寄りの産地(ポーランドとの国境近く)
✅ザクセンコイレと呼ばれるボーリングのピンのようなボトルが特徴
✅栽培者の約9割以上が小規模な副業としてブドウを栽培する農家
✅主なべライヒ:Meissen
✅Dresdner Stollen(ドレスデンが発祥とされるお菓子)
各生産地域はその特徴、地図上の位置、川の名前を把握しておきましょう!
ベライヒは重要なものだけでも、どの生産地域に位置するのかを覚えましょう!
また、各生産地域の郷土料理は今期追加となっているため、特徴的なものだけでも覚えるようにしましょう
オーストリア
オーストリア概要
✅ブドウ栽培面積の約70%を白ブドウが占める
✅オーストリアワインの特徴
・小規模な生産者が多い→多彩な個性のワインが産出される1つの理由
・生産量の8割が国内消費→オーストリア人自身によってオーストリアワインが支持
✅ホイリゲ(新酒を指すオーストリアの用語で、ワイン生産者兼居酒屋の意味も持つ)
✅ニーダーエスタライヒとブルゲンラントが2大生産地域(全体の88%を占める)
✅2021年のヴィンテージ情報
・近年まれにみるすばらしいヴィンテージ
・どの産地も赤も白も十分な熟度と酸が得られたヴィンテージ
歴史
✅栽培の最古の痕跡は、紀元前700年頃、ケルト人によるもの
✅1985年、ジエチレングリコールが添加されたルスト産ワインが発見され、輸出市場は壊滅→現代のオーストリアワインを生み出す原動力
気候風土
✅大陸性気候でドイツに比べ温暖→厚みのあるワインが造られる
✅土壌は極めて多岐にわたる
✅レス(氷河期にアルプス山脈を氷河が削ってできた砂が風によって運ばれ堆積)
→グリューナー・ヴェルトリーナーの印象に寄与している
✅ブドウ栽培地域は北緯47〜48度でブルゴーニュとほぼ同じ緯度
主なブドウ品種
✅g.Uとg.g.Aワインで40品種が認可(白26品種、黒14品種)
✅栽培比率(オーストリアのブドウ栽培面積の約3分の2を白ワイン品種が占める)
・白1位(全体1位):グリューナー・ヴェルトリーナー
・黒1位:ツヴァイゲルト(ザンクト・ラウレントとブラウフレンキッシュの交配品種)
✅PIWI品種(耐カビ性品種):気候変動がもたらす病害への対処、自然農法への貢献、労働環境の改善を目指し開発。認可40品種のうちPIWI品種は次の5品種
・ブリューテンムスカテラー(白)
・ムスカリス(白)
・ソーヴィニエ・グリ(白)
・ラータイ(黒)
・レースラー(黒)
2021年のヴィンテージ情報は押さえておきましょう
また、PIWI品種も余裕があれば覚えましょう
ワイン法と品質分類
✅KMW糖度(Klosterneuburger Mostwaage):ワインを造る前の果汁糖度
✅2002年以降、原産地呼称制度D.A.C.を導入(フランスのA.O.C.のような原産地呼称制度)
✅D.A.C.を含む限定生産地域:18
✅包括的生産地域:9
✅ブドウ栽培地方:3
品質分類
(1)地理的表示のないワイン
・オーストリアまたはオーストリアワインとのみ表示できる
・ベルクワイン(傾斜26%を超える急斜面に植えられたブドウ樹から収穫したブドウで造られたワイン)とホイリゲ(新酒。ヴィンテージ表記が必須)の名称は使用可能
(2)地理的表示保護ワイン(EUの分類:g.g.A)
・ラントヴァインと表示(単一のブドウ栽培地方のみのブドウから造られる)
・使用ブドウは40認可品種のみ
(3)原産地呼称保護ワイン(EUの分類:g.U)
・国家機関による品質分析と官能味覚検査をパスしなければならない
・以下の4つが属する
①Qualitätswein
・単一の生産地域内で収穫されたブドウから造られる
・40認定品種のみ使用可能
・熟度は最低15°KMW
・最低アルコール含有量9.0%
②Kabinett
・クヴァリテーツヴァインで一定の要件を満たしたときにカビネットの名称で販売可能
・熟度は最低17°KMW
・補糖不可
・ワインへの糖分添加不可
③D.A.C.(Districtus Austriae Controllatus)
・クヴァリテーツヴァインで当該産地がD.A.C.申請し承認されれば、D.A.C.を名乗れる
・各D.A.C.内のワインは以下3段階のピラミッド型位階構造に分類される
✅Gebietswein(D.A.C.を包括するワイン):地域名ワイン
✅Ortswein(単一の村ないし自治体のワイン)/Grosslage(いくつかの畑の集合体名のワイン):村名ワイン
✅Riedenwein(単一畑のワイン):一級・特級ワイン
④Prädikatswein
・特定の製法で造られたクヴァリテーツヴァイン
・以下の6つのカテゴリーに分かれる
(a)Spätlese:完全に熟したブドウ
(b)Auslese:粒よりしたブドウ
(c)Beerenauslese:過熟または貴腐ブドウ
(d)Eiswein:収穫時に凍結したブドウ
(e)Strohwein/Schilfwein:完熟して糖度の高いブドウを藁や葦のマットの上で3ヶ月以上乾燥させたものを発酵(最低糖度25°KMW)
→3ヶ月以上乾燥させなくても、2ヶ月以上で糖度が30°KMWに達したら発酵を始めることができる
(f)Trockenbeerenauslese:大半が貴腐化したブドウないし特に乾燥したブドウ(自由都市ルストで造られるものはアウスブルッフと呼ぶことができる)
ドイツのプレディカーツヴァインの肩書きと比較しながら覚えましょう
✅Ried
・法的に規定された単一畑から生まれるワインは畑名の前にRiedをつけてラベルに表記しなければならない
✅Sekt Austria
・3段階の品質分類の規定がある
レベル1)Sekt Austria:クヴァリテーツヴァインの生産に認可された品種のみ使用可能。瓶内発酵は最低9ヶ月、滓とともに熟成タンク内発酵の場合は最低6ヶ月
レベル2)Sekt Austria Reserve:クヴァリテーツヴァインの生産に認可された品種のみ使用可能。製法は瓶内二次発酵のみ。最低18ヶ月、瓶内で澱と共に熟成
レベル3)Sekt Austria Große Reserve:クヴァリテーツヴァインの生産に認可された品種のみ使用可能。製法は瓶内二次発酵のみ。最低36ヶ月、瓶内で澱と共に熟成
※Hauersekt/ハウアーゼクト:二次発酵用リキュール添加、滓抜き、門出のリキュール添加が、当該ゼクトの原料ブドウを栽培する農家自身によって行われる場合、Hauersektの名称記載可能
✅Sturm
・すぐに飲用されるべく発売される、部分的に発酵したブドウ果汁
✅Perlwein
・ワイン、発酵中のワイン、ブドウ果汁、部分的に発酵したブドウ果汁から造られる発泡ワイン
・炭酸ガスは発酵からもたらされるか、炭酸ガス注入法によって得る
✅Schaumwein
・ブドウ、ブドウ果汁、またはワインから、アンセストラル法、シャルマ法、トラディシオネル法のいずれかで造られる発泡ワイン
✅Bergwein
・斜傾が26%を超える段丘や急斜面に植えられたブドウ樹から収穫したブドウを原料としたワイン
ゼクト・オーストリアの細かい規制が改訂されていますので、要チェックです
ワインの産地と特徴
✅オーストリアは3つの栽培地方>9つの包括的生産地域>18の限定的生産地域に細分化
ニーダーエスタライヒ州
✅オーストリア東北部に位置し、栽培面積はオーストリア全体の60%を占める
✅グリューナー・ヴェルトリーナーがこの州の栽培面積の49%を占める
✅ヴァッハウD.A.C.
・Vinea Wachau Nobilis Districtus協会を1983年に創立
・協会独自の3つの品質基準
①Smaragd(エメラルド色のトカゲ):シュペートレーゼ級のブドウから造り、最低糖度KMW18.2°、一流レストランに欠かせない存在
②Federspiel(鷹狩の道具):エレガントなワイン、最低糖度はKMW17°、カビネットランクに相当
③Steinfeder(きゃしゃな野草):軽くフルーティでクヴァリテーツヴァインのランクに相当
・2020年にヴァッハウD.A.C.発足
【規定品種】グリューナー・ヴェルトリーナー、リースリングなど
ヴァッハウは2020年にD.A.C.に認定された産地なので、しっかり覚えましょう!
地図問も何度か出題されていますのでテキスト地図上の位置も要チェックです
✅クレムスタールD.A.C.
【規定品種】グリューナー・ヴェルトリーナー、リースリング
✅カンプタールD.A.C.
【規定品種】グリューナー・ヴェルトリーナー、リースリング
✅トライゼンタールD.A.C.
【規定品種】グリューナー・ヴェルトリーナー、リースリング
✅ヴァーグラムD.A.C.
・ヴァーグラム独自の固有品種:ローター・ヴェルトリーナー
【規定品種】グリューナー・ヴェルトリーナー、ローター・ヴェルトリーナー、リースリングなど
✅ヴァインフィアテルD.A.C.
・オーストリア最北かつ最大のD.A.C.
・オーストリア最初のD.A.C.
【規定品種】グリューナー・ヴェルトリーナー
✅カルヌントゥムD.A.C.
・ローマ帝国が駐留していた歴史ある土地
・Rubin Carnuntumという任意団体を立ち上げ、樽熟成ツヴァイゲルトの地位を築く
【規定品種】白:グリューナー・ヴェルトリーナー、ヴァイスブルグンダー、シャルドネ
赤:ツヴァイゲルト、ブラウフレンキッシュ
✅テルメンレギオン
今期の改定でヴァーグラムがD.A.C.に承認されています!
重要D.A.C.は規定品種も含め必ず押さえましょう
ブルゲンラント州
✅ワインは赤が主体(オーストリアの赤ワインの半分を生産)
✅ノイジードラーゼD.A.C.
・ザンクト・ラウレント品種に関してオーストリア最高の産地
【規定品種】クラシックはツヴァイゲルト単一、レゼルヴェはツヴァイゲルト主体のブレンド
✅ライタベルクD.A.C.
・白は樽発酵・樽熟成されることが多い→品種を問わずクリーミーでリッチ
【規定品種】白:シャルドネ、ピノ・ブラン、グリューナー・ヴェルトリーナー、ノイブルガーの単一もしくはブレンド
赤:ブラウフレンキッシュ主体
✅ルスター・アウスブルッフD.A.C.
・ルスト市で生産される貴腐の甘口ワインのD.A.C.
・ルストは郡に属さない憲章都市(Statutarstadt)
・生産地区はライタベルクD.A.C.の中にある
【規定品種】クヴァリテーツヴァインの認定白品種1つ以上(最も重要な品種はヴェルシュリースリング)
【最低糖度】30°KMW→トロッケンベーレンアウスレーゼの条件を満たす必要あり
✅ロザリアD.A.C.
・2018年にD.A.C.(赤・ロゼが認められている)
・オーストリアで最も小さい栽培面積のD.A.C.
【規定品種】赤はブラウフレンキッシュとツヴァイゲルト、ロゼはクヴァリテーツヴァイン認可黒ブドウ
✅ミッテルブルンゲンラントD.A.C.
・ブルゲンラント州で最初のD.A.C.
【品種】ブラウフレンキッシュ
✅アイゼンベルクD.A.C.
・アイゼンは「鉄」の意味
【品種】ブラウフレンキッシュ
ルスター・アウスブルッフD.A.C.は2020年にD.A.C.認定され、近年追加されたD.A.C.のため、必ず押さえましょう!
その他D.A.C.は、ブルゲンラント州に属していることを押さえましょう!
ウィーン州
✅ウィーン(ヴィーナー・ゲミシュター・サッツD.A.C.)
・ゲミシュター・サッツはウィーンのみならずオーストリアの伝統的なワイン
【規定品種】3つ以上の認定品種の混植・混醸ワイン
シュタイヤーマルク州
✅ヴルカンラント・シュタイヤーマルクD.A.C.
✅ズュートシュタイヤーマルクD.A.C.
・ソーヴィニヨン・ブランの産地として有名
✅ヴェストシュタイヤーマルクD.A.C.
・強烈な酸を持つロゼ「シルヒャー」で有名な産地
オーガニックワイン
✅1988年農業法
✅全農地中のオーガニック比率26.5%(EUで1位)
・全ブドウ栽培面積の15.9%がオーガニック栽培、15.2%がサスティナブル認証を受けている
・オーストリアのオーガニック認証マークあり【テキスト参照】
✅バイオダイナミック農法の支持者が増加→ルドルフ・シュタイナーはオーストリア人のため
オーガニックワインは近年注目トピックのため、要チェックです!
オーストリアワインと料理
✅ゲミシュター・サッツ
・1つの皿に色々な料理を盛ることが一般的のため、多品種の混植混醸のワインは機能的
✅ヴェルシュリースリング
・単一品種ワインで伝統的にオーストリアの飲食店、家庭で基本となっているワイン
✅グリューナー・ヴェルトリーナー
・柔らかく、ジューシーで、粘りがあり、かつ香りが強い料理と合わせる

ドイツ、オーストリア 予想問題
理解度の確認のため、10問全問正解するまで帰れま10にチャレンジしてみましょう!
10問全問正解するまで何度もチャレンジしてみてください。問題には教本の該当ページを記載してありますので、間違った問題や解答に迷った問題は、都度教本に戻って復習してみてください。
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