ソムリエ/ワインエキスパート試験対策について、教本の出題ポイントをまとめています
昨年度からの変更点や、頻出箇所などポイントを抑えて解説します
最後に確認問題を掲載してありますので、理解度の確認に使用してください!
各項目の出題ポイント、ヒントはボックスで示しました
必ず押さえておくべき用語は青字、人名は赤字、ブドウ品種は緑字で表示しています
その他黒字の部分もできるだけ広く覚えるようにしましょう!
また、重要な箇所は黄色のアンダーラインで示しています

昨年からの主な変更点
- 各種統計量の更新(GDP、栽培面積、生産量、輸出量/額、売上など)【全体】
- Alsace Grand Cruの≪Hengst≫ と≪Kirchberg de Barr≫にピノ・ノワールからなる赤ワインが認められた旨追記。合わせて例外規定(2)品種に関して当該部分説明文が追加【P.581、583】
- A.O.C. Arboisの説明文に認定品種の追加について記載追加(2022年9月2日の政令により~上限となっている)【P.625】
- A.O.C. Côtes du Juraの説明文に白用品種としてグランジェが加わる旨追記【P.625】
- Vin Jauneの規定①に認定品種の追加について記載追加(但し書き以降)【P.626】
- A.O.C. Vin de SavoieまたはSavoieの説明文に認定品種の追加について記載追加(また、気候変動への対策として~これらの品種は認められていない)【P.628】
- A.O.C. Grignan-les-Adhémarの説明文一部改訂(グルナッシュ、シラー主体の赤~白が造られている)【P.638】
- 本文の修正に合わせ各項最後の資料編のA.O.C.規定に関する文書も修正。また、本文に修正のない部分も、本文と資料編の整合をとるため資料編の記載整備あり【全体】
今回の変更点の中では、Alsace Grad Cruに赤ワインが認められた点、およびVin Jauneの認定品種の追加については重要な改訂になりますので、要チェックです!
フランス全般
プロフィール
✅ベルギー、ルクセンブルク、ドイツ、スイス、イタリア、スペインと接する
✅ワイン輸出額→89億ユーロ(世界1位)→最大市場はアメリカ
歴史
✅ブドウ栽培が初めてもたらされたのは紀元前6世紀頃、フォカイア人がマルセイユに上陸
✅ブドウ栽培の広がり(紀元1世紀:ローヌ→ボルドー、ブルゴーニュ→4世紀までに:シャンパーニュ)
✅病害:19世紀後半にベト病、ウドン粉病、フィロキセラ
✅1935年I.N.A.O.設立(役割:A.O.C./I.G.P.管轄)→A.O.C.(原産地統制呼称)ワイン法制定
気候風土
✅北緯42〜51度(日本の北海道からサハリンと同緯度)
主なブドウ品種
✅[白ブドウ]栽培面積順位
①ユニ・ブラン=サンテミリオン
②シャルドネ
③ソーヴィニョン・ブラン
✅[黒ブドウ/グリブドウ]栽培面積順位
①メルロ
②グルナッシュ
③シラー
ワイン法と品質分類
✅A.O.C.(原産地呼称保護)=Appellation d’Origine Contrôlée
✅I.G.P.(地理的表示保護)=Indication Géographique Protégée
✅Vin de France(地理的表示のないワイン)
シャンパーニュ地方
シャンパーニュ概要
✅パリから140kmほど東に位置
✅ブドウ畑は5県に広がるが、7割はマルヌ県
✅メゾン(大手生産者)のシャンパーニュ出荷量は全体の7割
✅古代ローマ人が4世紀にブドウ栽培をもたらす
✅最初のメゾンは1729年ルイナール→前年1728年、ルイ15世がガラス瓶に詰められたワインの流通を許可
✅シャンパーニュ地方の境界線(1908年:オーブ県含まない、1927年:オーブ県含む)
✅歴代のフランス国王はランスの大聖堂で戴冠式を行なった
✅「シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ」が世界文化遺産に登録(2015年)
✅シャンパーニュ輸入国順位(日本は英国、米国に次ぐ3位)
✅土壌
・白亜質の母岩@マルヌ県
・キンメリジャンの泥灰質土壌@オーブ県
✅ブドウ品種
・シャルドネ(繊細さと新鮮味を与え、長期熟成可能に)@Côte des Blancs、Côte des Sézanne
・ピノ・ノワール(ボディと骨格をもたらす)@Montagne de Reims、Côte des Bar
・ムニエ(フルーティさとしなやかさを与える)@Vallée de la Marne
※その他アルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリの4品種も認定されているが栽培面積は全体の1%程度
✅地方料理と食材
・Biscuit Rose de Reims/ビスキュイ・ローズ・ド・ランス(ランス名物ピンク色のビスケット)
・Chaource/シャウルス(A.O.P.チーズ、牛乳、白カビ)
主要なA.O.C.ワイン
✅Champagne(発泡ロゼ、発泡白)
・グラン・クリュは17村(4大ブドウ栽培地参照)
✅Coteaux Champenois(赤、ロゼ、白)
・非発泡性ワインのA.O.C.
・品種はA.O.C.シャンパーニュに準じる
✅Rosé des Riceys(ロゼ)
・ロゼワインのA.O.C.
・品種はピノ・ノワールのみ
A.O.C.はワインのタイプ、生産可能色も含め、全て頭に入れましょう!
4大ブドウ栽培地
✅Montagne de Reims 地区
【グラン・クリュ】Ambonnay, Beaumont sur Vesle, Bouzy, Louvois, Mailly-Champagne, Puisieulx, Sillery, Verzenay, Verzy
・ピノ・ノワール
✅Vallée de la Marne 地区
【グラン・クリュ】Aÿ, Tours sur Marne
・ムニエ
✅Côte des Blancs 地区
【グラン・クリュ】Avize, Chouilly, Cramant, Le Mesnil sur Oger, Oger, Oiry
・シャルドネ
✅Côte des Bar 地区
・ピノ・ノワール(大手メゾンに欠かせない存在)
シャンパーニュ地方のグラン・クリュは17村がどの地区に属しているか覚えましょう!
グラン・クリュ17村は、まず数の少ないヴァレ・ド・ラ・マルヌとコート・デ・ブランを覚えて、残りはモンターニュ・ド・ランスと理解しましょう!
ヴァレ・ド・ラ・マルヌはアイ村だけ覚えれば、残りは”マルヌ”と名前に入っているので簡単ですね。コート・デ・ブランはアヴィーズだけ覚えて、あとは”C”か”O”村の名前に入っているので、それを手掛かりに覚えましょう(ただし、モンターニュ・ド・ランスに”C”の付く村Mailly-Champagneがあるので、これだけは例外として注意しましょう)
シャンパーニュの種類
✅ノンヴィンテージ(仏:Non Millésimé):熟成期間は二次発酵のための瓶詰から15ヶ月以上(そのうち滓とともに熟成させる期間は最低12ヶ月)
✅ヴィンテージ(仏:Millésimé):熟成期間は二次発酵のための瓶詰から36ヶ月以上
✅プレステージキュベェ:各メゾンのフラッグシップ
✅ロゼ:3つの製法(①直接圧搾、②マセラシオンまたはセニエ、③アッサンブラージュ)
✅Blanc de Blancs:白ブドウのみから造られたシャンパーニュ
✅Blanc de Noirs:黒ブドウのみから造られたシャンパーニュ
甘辛度表示
✅残糖表示と残糖度(ワイン概論のスパークリングワインの残糖表示【P.9】と同じ)
✅全く糖分添加をしていない残糖3g/l未満のものは以下の表示も可
・Brut Nature
・Pas Dosé
・Dosage Zéro
残糖表示は頻出ですが、ワイン概論の【P.9】にも記載があるので、そちらで他の国の表示名と合わせて覚えましょう!
Brut Nature, Pas Dosé, Dosage Zéroの規定については、P.576の記載とP.9の記載に整合しない箇所があるため、P.9スパークリングワインの残糖量の表示の記載にあわせています
生産者の登録業態とその略号
✅NM(ネゴシアン・マニピュラン):いわゆるメゾン
✅RM(レコルタン・マニピュラン):自社畑で収穫されたブドウを自ら醸造
✅CM(コーペラティヴ・ド・マニピュラン):生産者協同組合
✅RC(レコルタン・コーペラトゥール):協同組合に醸造を委託し、自社銘柄で販売
✅SR(ソシエテ・ド・レコルタン):一族の所有する畑で収穫された原料で醸造、販売する栽培農家
✅ND(ネゴシアン・ディストリビュトゥール):完成したシャンパーニュを購入し、自社ブランドで販売
✅MA(マルク・ダシュトゥール):プライベートラベルのシャンパーニュ
登録業態はそれぞれのキーワードから違いがわかるようにしておきましょう!
シャンパーニュの醸造方法
①収穫
②圧搾(4000kgのブドウ→Cuvée:2050リットル、Taille:500リットルの搾汁量)
③果汁清澄(仏Débourbage)
④アルコール発酵
⑤マロラクティック発酵(しないこともある)
⑥調合(仏Assemblage、品質の安定化とスタイルの普遍化)
⑦瓶詰め(仏Tirage、Liqueur de Tirageを加えて瓶詰め、収穫翌年の1月1日以降)
⑧瓶内二次発酵(24g/lの糖で6気圧のガスと同時に1.2%のアルコール上昇、アルコール度数13%を超えてはならない)
⑨瓶内熟成(ノンヴィンテージ:15ヶ月以上、ヴィンテージ:36ヶ月以上)
⑩動瓶(仏Remuage、Pupitre、Gyropalette)
⑪澱抜き(仏Dégorgement)
⑫糖分調整(仏Dosage、Liqueur d’expéditionまたはLiqueur de Dosage)
⑬打栓(仏Bouchage、Museletで固定)
瓶内二次発酵による製法は、工程順と各工程に出てくる用語を押さえるようにしましょう!
アルザス・ロレーヌ地方
アルザス地方
アルザス地方概要
✅歴史的背景から文化的にドイツの影響を強く受けている
✅ヴォージュ山脈(西側)とライン川(東側)
✅51のリュー・ディ(区画名)がグラン・クリュとして認定
✅ヴォージュ山脈が西からの湿った風を遮断→降水量少なく、フェーン現象により暖かく乾燥した気候
✅モザイクと表現される多様な土壌
✅地方料理と食材
・Choucroute(塩漬けキャベツ)
・Munster(AOPチーズ、牛乳、ウォッシュ)
主要ブドウ品種
✅白ブドウ(高貴品種4種)
・ゲヴェルツトラミネール
・リースリング
・ピノ・グリ
・ミュスカ
✅黒ブドウ
・ピノ・ノワール(※赤およびロゼ向け品種で認められている黒ブドウはピノ・ノワールのみ!)
アルザスの高貴品種4つは必ず覚えてください!
アルザス・グラン・クリュは基本この高貴品種から造られる白ワインとなりますが、今回改訂でピノ・ノワールから造られる赤ワインも一部の産地で認められるようになりました!
主要なA.O.C.ワイン
✅AlsaceまたはVin d’Alsace(白、赤、ロゼ)
・アルザスのほぼ全域を包括するA.O.C.
【主な規定】
①多くの場合、ワインは単一の品種から醸造され、ラベルには品種名が表記される
・赤ワイン、ロゼワインの品種はピノ・ノワールのみ
②一定の条件を満たすと、13の地理的名称を付記できる
③一定の条件を満たすと、リュー・ディを付記できる
④複数の白品種を混醸またはアッサンブラージュしたワイン→「Edelzwicker」と表記できる
「Gentil」を名乗る場合は、高貴品種を50%以上使用しなければならない
⑤一定の条件を満たした甘口ワインに「Vendanges Tardives」(遅摘みの意味)や「Sélection de Nobles」(貴腐の意味)と表記できる
・ブドウ品種は高貴4品種に限られる
・収穫は手摘み
・収穫翌年の6月1日まで熟成させなければならない
・収穫時に規定の果汁糖度【P.581表】を満たしていること。補糖は認められない
⑥AlsaceまたはVin d’Alsaceを名乗る白ワイン(Vendanges TardivesおよびSélection de Noblesを除く)は糖分表示が義務付け(P.9[表2]スパークリングワイン以外の残糖量の表示と同じ)
⑤の果汁糖度は頻出箇所なので、必ず押さえておきましょう!
✅Alsace Grand Cru(赤、白)
・51のリュー・ディがグラン・クリュとして認められている
【主な規定】
①認められている品種は高貴4品種のみ(ただし、②の例外規定あり)
②以下のグラン・クリュは品種について例外規定が認められている
・Altenberg de Bergheim:リースリング主体の混醸OK
・Zotzenberg:シルヴァネールの使用OK(ミュスカはNG)
・Kaefferkopf:ゲヴェルツトラミネール主体の混醸OK
・Hengst、Kirchberg de Barr:高貴4品種を単一醸造した白、またはピノ・ノワールを単一醸造した赤
③収穫は手摘み
④甘口ワインの規定はアルザスA.O.C.に準ずる
✅Crémant d’Alsace(発泡白、発泡ロゼ)
・ロゼはピノ・ノワールのみ
・収穫は手摘み
・瓶内二次発酵により造られる(瓶内熟成期間:最低9ヶ月)
・フランス国内で消費されるクレマン第1位
アルザスはグラン・クリュの例外規定は頻出です!
また、今回追加されたピノ・ノワール単一から造られる赤ワインの例外規定は、必ず押さえるようにしましょう!
ロレーヌ地方
主要なA.O.C.ワイン
✅Côtes de Toul(赤、グリ、白)
・ガメイ、ピノ・ノワールなどを直接圧搾して造られるグリワインで知られる
✅Moselle(赤、白、ロゼ)
・2011年にV.D.Q.S.から昇格
上記A.O.C.がロレーヌ地方のA.O.C.であることがわかるようにしましょう
ブルゴーニュ地方&ボージョレ地区
概要
歴史
✅ブドウ畑が村名、1級、特級と階層的に格付けされている
✅ブルゴーニュのブドウ栽培は、キリスト教と密接なつながりをもつ→最も古い記録が残るのはシャンベルタン・クロ・ド・ベーズ(「クロ」は石垣で囲われていたことを意味する)
✅シトー修道会によってブルゴーニュのブドウ畑は大きく発展→特級畑のクロ・ド・ヴージョ(1115年)やクロ・ド・タール(1141年)が誕生
✅フィリップ豪胆公によるガメイの植え付け禁止の勅令(1395年)→ボージョレは支配下になかったため勅令の効力は及ばず
✅コンティ公ルイ・フランソワ・ド・ブルボンが後のロマネ・コンティを取得(1760年)
✅1789年のフランス大革命→ブドウ畑の細分化
✅1930年代に栽培農家が自ら醸造、瓶詰めを行うようになる(ドメーヌ元詰め)
文化・経済・気候風土
✅文化
・1443年、ニコラ・ロランが困窮者のための施療院オテル・デューをボーヌに建設(オスピス・ド・ボーヌ)
→毎年11月第1日曜にワインの競売が行われ、前後3日間を「栄光の三日間」と呼ぶ
・2015年、「ブルゴーニュのブドウ畑のクリマ」が世界遺産登録
✅経済
・ブルゴーニュワインの総売上の55%は輸出
・日本は輸入金額ベースで米国、英国に次ぐ第3位(数量ベースでは第5位)
✅気候風土
・シャブリ、グラン・オーセロワ地区からマコネ地区まで南北230km
・半大陸性、ないし大陸性気候
・土壌はおおむね粘土石灰質
ブルゴーニュの概要は頻出箇所です!
特に歴史は現在のブルゴーニュに至った重要な出来事を中心に押さえましょう!
主要ブドウ品種
✅白ブドウ品種
・シャルドネ(栽培比率51%)
・アリゴテ(栽培比率6%)
✅黒ブドウ品種
・ピノ・ノワール(栽培比率39.5%)
・ガメイ(ボージョレ地区の最重要品種:栽培面積98%)
地方料理と食材
✅Boeuf Bourguignon(牛肉の赤ワイン煮込み)
✅Coq au Vin(鶏肉の赤ワイン煮込み)
✅Jambon Persillé(ハムと香草入りゼリー寄せ)
✅Epoisses(A.O.P.チーズ、牛乳、ウォッシュ)
✅Délice de Pommard(トリプルクリームのフレッシュチーズ)
✅Pain d’épices(蜂蜜風味のケーキ)
ブルゴーニュのA.O.C.システム
✅地方名A.O.C.(広範囲)より村名A.O.C.(限定)の方が格上
✅単一区画のブドウから造られた村名A.O.C.ラインはラベルに区画名を名乗ることが可能
→その区画が1級畑に格付けされている場合は区画名とともに「Premier Cru」と表記することが可能
✅グラン・クリュ(特級畑)
・ブルゴーニュのA.O.C.システムで最上位
・特級畑はそれだけで特別なので、あえて村名を添える必要がない(シャブリだけ例外)
ブルゴーニュのA.O.C.システムを理解しておくと、一般的な知識としても便利なので、教本中の例示も含めて理解しましょう!
ブルゴーニュ主要な地方名A.O.C.
✅Bourgogne/ブルゴーニュ(赤、ロゼ、白)
・4県314の市町村に与えられた、最も広域の地方名A.O.C.
・ロゼには「Clairet」の表記も許される
✅Bourgogne Côte d’Or/ブルゴーニュ・コート・ドール(赤、白)
・コート・ドール県とソーヌ・エ・ロワール県の40ヵ村に認められたA.O.C.
・規定はA.O.C.ブルゴーニュより厳しい
✅Bourgogne Aligoté/ブルゴーニュ・アリゴテ(白)
・アリゴテのみから造られる白ワイン
・新酒を表す「Primeur」、「Nouveau」の表記も可能
✅Bourgogne Passe-Tout-Grains/ブルゴーニュ・パス・トゥー・グラン(赤、ロゼ)
・A.O.C.ブルゴーニュに加え、ボージョレ地区全域を含むエリアで造られる、ピノ・ノワールとガメイのブレンド(または混醸)からなる赤、ロゼのA.O.C.
・ピノ・ノワールが30%以上、ガメイが15%以上含まれていることが条件
✅Coteaux Bourguignons/コトー・ブルギニヨン(赤、ロゼ、白)
・A.O.C.ブルゴーニュに加え、ボージョレ地区全域を含むエリアで造られる単一またはブレンドワイン
・白ワインの新酒には「Primeur」、「Nouveau」の表記も可能
・ロゼワインには「Clairet」の表記も可能
✅Crémant de Bourgogne/クレマン・ド・ブルゴーニュ(発泡ロゼ、発泡白)
・A.O.C.ブルゴーニュに加え、ボージョレ地区全域を含むエリアで造られる白とロゼの発泡性ワイン
・ロゼはマセレーションかセニエによって造られる
・瓶内二次発酵(瓶内熟成期間:9ヶ月以上)
✅Bourgogne Mousseux/ブルゴーニュ・ムスー(発泡赤)
・A.O.C.ブルゴーニュに加え、ボージョレ地区全域を含むエリアで造られる赤の発泡性ワイン
・白ブドウは混醸されなくてはならない
・瓶内二次発酵(瓶内熟成期間:9ヶ月以上)
地方名A.O.C.は、それぞれの規定やラベル表記を中心に覚えましょう!
ブルゴーニュ・ムスーは近年追記されたA.O.C.です
シャブリ地区
✅スラン川右岸に特級畑
✅特級畑の土壌:キンメリッジアン
村名A.O.C.
✅Chablis/シャブリ(白)
・ヨンヌ県のシャブリを中心に17ヵ村に与えられたシャルドネから造られる辛口白ワインのA.O.C.
・現地ではシャルドネを「Beaunois/ボーノワ」と呼ぶ
・40の区画が1級畑として認められている→「Chablis Premier Cru」を名乗ることが可能
✅Petit Chablis/プティ・シャブリ(白)
・A.O.C.シャブリと同じ17ヵ村を対象(区画はA.O.C.シャブリと明確に区別されている)
・土壌はチトニアン
・規定はA.O.C.シャブリよりも緩く、味わいは軽やかでフルーティ
特級A.O.C.
✅Chablis Grand Cru/シャブリ・グラン・クリュ(白)
・7つの特級畑に与えられたA.O.C.(ラベル表記:Chablis Grand Cru + 畑名)
・スラン川右岸
・以下、西から東にかけて順に記載
①Bougros/ブーグロ
②Preuses/プルーズ
★La Moutonne/ラ・ムートンヌ→非公式畑(ドメーヌ・ロン・デパキのみ”シャブリ・グラン・クリュ・ムートンヌ”の記載が認められている)
③Vaudésir/ヴォーデジール
④Grenouilles/グルヌイユ(面積最小)
⑤Valmur/ヴァルミュール
⑥Les Clos/レ・クロ(面積最大)
⑦Blanchot/ブランショ
シャブリ・グラン・クリュは頻出のため、教本の地図上の位置も含めて、西から東にかけて順に覚えるようにしましょう!
グラン・オーセロワ
✅シャブリを除く、ヨンヌ県のワイン産地
✅地域固有品種セザール(ピノ・ノワールとアルジャンの自然交配)
地方名A.O.C.
✅Bourgogne Côtes d’Auxerre/ブルゴーニュ・コート・ドーセール(赤、ロゼ、白)
✅Bourgogne Coulanges-la-Vineuse/ブルゴーニュ・クーランジュ・ラ・ヴィヌーズ(赤、ロゼ、白)
✅Bourgogne Chitry/ブルゴーニュ・シトリー(赤、ロゼ、白)
✅Bourgogne Côte Saint-Jacques/ブルゴーニュ・コート・サン・ジャック(赤、ロゼ、白)
・オーセール市の北、ジョワニー村に与えられた地理的名称付きA.O.C.(ブルゴーニュ最北)
・色の薄いロゼであるヴァン・グリが有名
✅Bourgogne Epineuil/ブルゴーニュ・エピヌイユ(赤、ロゼ)
✅Bourgogne Tonnerre/ブルゴーニュ・トネール(白)
村名A.O.C.
✅Irancy/イランシー(赤)
・ピノ・ノワール主体の赤ワインのみのA.O.C.
✅Saint Bris/サン・ブリ(白)
・ブルゴーニュで唯一のソーヴィニヨン・ブラン、またはソーヴィニヨン・グリ主体の白
✅Vézelay/ヴェズレイ(白)
・シャルドネから造られる白ワインのA.O.C.
グラン・オーセロワ地区は特徴的な3つの村名A.O.C.を押さえましょう!
特にサン・ブリはブドウ品種も良く問われます。サン・ブリの頭文字から「S.B.」=ソーヴィニヨン・ブランと覚えておきましょう!
コート・ド・ニュイとオート・コート・ド・ニュイ地区
✅コート・ドール「黄金丘陵」
✅コート・ド・ニュイ(ディジョンからコルゴロワンまでの北部)
✅オート・コート・ド・ニュイ(コート・ド・ニュイの丘向こうにある丘陵地)
地方名A.O.C.
✅Bourgogne Montrecul/ブルゴーニュ・モントルキュル(赤、ロゼ、白)
✅Bourgogne Le Chapitre/ブルゴーニュ・ル・シャピートル(赤、ロゼ、白)
✅Bourgogne Hautes-Côtes de Nuits/ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ(赤、ロゼ、白)
村名A.O.C.
✅Côtes de Nuits-Villages/コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ(赤、白)
・独自の村名A.O.C.を持たない4ヵ村にフィサンを加えた5ヵ村に与えられる村名A.O.C.
Marsannay/マルサネ
【村名A.O.C.】
✅Marsannay/マルサネ(赤、ロゼ、白)
・コート・ド・ニュイの村名A.O.C.で唯一、赤・白・ロゼ3色生産可能
・1級畑なし
【特級畑A.O.C.】
・特級畑なし
Fixin/フィサン
【村名A.O.C.】
✅Fixin/フィサン(赤、白)
・6つの1級畑
【特級畑A.O.C.】
・特級畑なし
Gevrey-Chambertin/ジュヴレ・シャンベルタン
【村名A.O.C.】
✅Gevrey-Chambertin/ジュヴレ・シャンベルタン(赤)
・コート・ド・ニュイの村名A.O.C.で面積最大
・代表的な1級畑:Clos Saint-Jacques/クロ・サン・ジャック、Clos des Varoilles/クロ・デ・ヴァロワイユ、Aux Combottes/オー・コンボット、Les Cazetiers/レ・カズティエ、Champeaux/シャンポー
【特級畑A.O.C.】
・特級畑9つ(最多)
✅Ruchottes-Chambertin/リュショット・シャンベルタン(赤)
✅Mazis-Chambertin/マジ・シャンベルタン(赤)
✅Chambertin-Clos-de-Bèze/シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ(赤)
・ブルゴーニュ史上最古
・シャンベルタンを名乗ることもできる
✅Chambertin/シャンベルタン(赤)
✅Latricières-Chambertin/ラトリシエール・シャンベルタン(赤)
✅Chapelle-Chambertin/シャペル・シャンベルタン(赤)
✅Griotte-Chambertin/グリオット・シャンベルタン(赤)
✅Charmes-Chambertin/シャルム・シャンベルタン(赤)
✅Mazoyères-Chambertin/マゾワイエール・シャンベルタン(赤)
・シャルム・シャンベルタンを名乗ることもできる
Morey-Saint-Denis/モレ・サン・ドニ
【村名A.O.C.】
✅Morey-Saint-Denis/モレ・サン・ドニ(赤、白)
・代表的な1級畑:Monts Luisants/モン・リュイザン、Les Sorbés/レ・ソルベ、Les Millandes/レ・ミランド、Clos des Ormes/クロ・デ・ゾルム
【特級畑A.O.C.】
・特級畑5つ
✅Clos de la Roche/クロ・ド・ラ・ロッシュ(赤)
✅Clos Saint-Denis/クロ・サン・ドニ(赤)
✅Clos des Lambrays/クロ・デ・ランブレー(赤)
✅Clos de Tart/クロ・ド・タール(赤)
・モノポール
✅Bonnes-Mares/ボンヌ・マール(赤)
・一部シャンボール・ミュジニーにまたがる
Chambolle-Musigny/シャンボール・ミュジニィ
【村名A.O.C.】
✅Chambolle-Musigny/シャンボール・ミュジニィ(赤)
・代表的な1級畑:Les Amoureuses/レ・ザムルーズ、Les Charmes/レ・シャルム、Les Cras/レ・クラ、Les Fuées/レ・フュエ
【特級畑A.O.C.】
・特級畑2つ
✅Bonnes-Mares/ボンヌ・マール(赤)
・一部モレ・サン・ドニにまたがる
✅Musigny/ミュジニー(赤、白)
・コート・ド・ニュイの特級畑で唯一白ワインが認められている
Vougeot/ウージョ
【村名A.O.C.】
✅Vougeot/ウージョ(赤、白)
・コート・ド・ニュイの村名A.O.C.で面積最小
・4つの1級畑
・1級畑のLe Clos Blanc/ル・クロ・ブランは別名La Vigne Blanche/ラ・ヴィーニュ・ブランシュといい、白ブドウの区画
【特級畑A.O.C.】
・特級畑1つ
✅Clos de Vougeot/クロ・ド・ウージョ(赤)
・コート・ド・ニュイのグラン・クリュで最大面積
Vosne-Romanée/ヴォーヌ・ロマネ
【村名A.O.C.】
✅Vosne-Romanée/ヴォーヌ・ロマネ(赤)
・ヴォーヌ・ロマネ村と隣接するフラジェイ・エシェゾー村に与えられた村名A.O.C.
・特級畑8つ、1級畑14区画あり
・代表的な1級畑:Les Beaux Monts/レ・ボー・モン、Aux Malconsorts/オー・マルコンソール、Les Suchots/レ・シュショ、Les Gaudichots/レ・ゴディショ、Clos des Réas/クロ・デ・レア、Les Chaumes/レ・ショーム
【特級畑A.O.C.】
・特級畑8つ
✅Echezeaux/エシェゾー(赤)
✅Grands-Echezeaux/グラン・ゼシェゾー(赤)
✅Richebourg/リシュブール(赤)
✅La Romanée/ラ・ロマネ(赤)
・ブルゴーニュのグラン・クリュで面積最小、モノポール
✅Romanée-Conti/ロマネ・コンティ(赤)
・DRCのモノポール
・ポンパドゥール夫人とコンティ公が争った畑
✅Romanée-Saint-Vivant/ロマネ・サン・ヴィヴァン(赤)
✅La Grande Rue/ラ・グランド・リュー(赤)
✅La Tâche/ラ・ターシュ(赤)
・コート・ド・ニュイのグラン・クリュでも最南、DRCのモノポール
Nuits-Saint-Georges/ニュイ・サン・ジョルジュ
【村名A.O.C.】
✅Nuits-Saint-Georges/ニュイ・サン・ジョルジュ(赤、白)
・代表的な1級畑:Les Saint-Georges/レ・サン・ジョルジュ、Clos des Porrets-Saint-Georges/クロ・デ・ポレ・サン・ジョルジュ
【特級畑A.O.C.】
・特級畑なし
村名A.O.C.と特級畑A.O.C.の名前が似てますので間違えないようにしましょう!
ジュヴレ・シャンベルタンとヴォーヌ・ロマネは地図問も出題されますので、グラン・クリュの地図上の位置も押さえましょう!
1級畑は余裕があれば覚える程度でも大丈夫です
それよりも村名A.O.C.、特級畑A.O.C.をしっかり押さえるようにしましょう
コート・ド・ボーヌとオート・コート・ド・ボーヌ地区
地方名A.O.C.
✅Bourgogne La Chapelle Notre-Dame/ブルゴーニュ・ラ・シャペル・ノートル・ダム(赤、ロゼ、白)
✅Bourgogne Hautes-Côtes de Beaune/ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ(赤、ロゼ、白)
村名A.O.C.
✅Côtes de Beaune-Villages/コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ(赤)
・ラドワからマランジュまで、村名A.O.C.を有するコート・ド・ボーヌの16ヵ村
ラドワ・セリニー、アロース・コルトン、ペルナン・ヴェルジュレス
【村名A.O.C.】
✅Ladoix/ラドワ(赤、白)
✅Aloxe-Corton/アロース・コルトン(赤、白)
・コルトンの丘の心臓部
・ほとんどが赤で、白は全体の1%程度
✅Pernand-Vergelesses/ペルナン・ヴェルジュレス(赤、白)
・コルトンの丘の西
・8つの1級畑のうち、2000年に昇格した3つの区画は白のみ生産可能:クロ・ベルテ、スー・フレティル、ヴィラージュ・ド・ペルナン
【特級畑A.O.C.】
✅Corton/コルトン(赤、白)
✅Corton-Charlemagne/コルトン・シャルルマーニュ(白)
✅Charlemagne/シャルルマーニュ(白)
ショレイ・レ・ボーヌ
【村名A.O.C.】
✅Chorey-lès-Beaune/ショレイ・レ・ボーヌ(赤、白)
サヴィニー・レ・ボーヌ
【村名A.O.C.】
✅Savigny-lès-Beaune/サヴィニー・レ・ボーヌ(赤、白)
ボーヌ
【村名A.O.C.】
✅Beaune/ボーヌ(赤、白)
・地区最大
・およそ75%が1級畑(42区画)
✅Côte de Beaune/コート・ド・ボーヌ(赤、白)
ポマール
【村名A.O.C.】
✅Pommard/ポマール(赤)
・ボーヌ地区で赤のみ生産が認めらている村
ヴォルネイ
【村名A.O.C.】
✅Volany/ヴォルネイ(赤)
・ボーヌ地区で赤のみ生産が認めらている村
モンテリー、オーセイ・デュレス、サン・ロマン
【村名A.O,C】
✅Monthélie/モンテリー(赤、白)
✅Auxey-Duresses/オーセイ・デュレス(赤、白)
✅Saint-Romain/サン・ロマン(赤、白)
ムルソー、ブラニィ
【村名A.O.C.】
✅Meursault/ムルソー(赤、白)
・白ワインの高級産地
✅Blagny/ブラニー(赤)
・ボーヌ地区で赤のみ生産が認めらている村
ボーヌ地区で赤のみ生産が認めらている、3つの村を押さえましょう!
ポマール、ヴォルネイ、ブラニー
ピュリニィ・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェ
【村名A.O.C.】
✅Puligny-Montrachet/ピュリニィ・モンラッシェ(赤、白)
・ほぼ100%白の産地
✅Chassagne-Montrachet/シャサーニュ・モンラッシェ(赤、白)
【特級畑A.O.C.】
・ピュリニィ・モンラッシェ村の4つの特級畑があり、シャサーニュ・モンラッシェ村には3つの特級畑があり、そのうち2つは両方の村にもまたがる
✅Chevalier-Montrachet/シュヴァリエ・モンラッシェ(白)@ピュリニィ
✅Montrachet/モンラッシェ(白)@ピュリニィ&シャサーニュ
✅Bâtard-Montrachet/バタール・モンラッシェ(白)@ピュリニィ&シャサーニュ
✅Bienvenues-Bâtard-Montrachet/ビヤンヴニュ・バタール・モンラッシェ(白)@ピュリニィ
✅Criots-Bâtard-Montrachet/クリオ・バタール・モンラッシェ(白)@シャサーニュ
ピュリニィ・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェの特級畑のまたがり問題は頻出となっています!地図を頭に入れておきましょう
サン・トーバン
【村名A.O.C.】
✅Saint-Aubin/サン・トーバン(赤、白)
サントネイ
【村名A.O.C.】
✅Santenay/サントネイ(赤、白)
マランジュ
【村名A.O.C.】
✅Maranges/マランジュ(赤、白)
・コート・ド・ボーヌ最南端の村名A.O.C.
ボーヌは村名A.O.C.が多いので、地図上の位置や生産可能色など、重要な村については押さえましょう!
コート・シャロネーズとクーショワ地区
✅北から、ブーズロン、リュリー、メルキュレ、ジヴリ、モンタニィの村名A.O.C.が並ぶ
地方名A.O.C.
✅Bourgogne Côte Chalonnaise/ブルゴーニュ・コート・シャロネーズ(赤、ロゼ、白)
✅Bourgogne Côtes du Couchois/ブルゴーニュ・コート・デュ・クーショワ(赤)
村名A.O.C.
✅Bouzeron/ブーズロン(白)
・ブルゴーニュで唯一、アリゴテから造られる白ワインにのみ認められているA.O.C.
✅Rully/リュリー(赤、白)
✅Mercurey/メルキュレ(赤、白)
・村名A.O.C.で地区最大面積
✅Givry/ジヴリ(赤、白)
✅Montagny/モンタニィ(白)
・シャロネーズの村名A.O.C.としては最南に位置する
・シャルドネから造られる白ワインのみに認められているA.O.C.
コート・シャロネーズは5つの村名A.O.C.を北から覚えましょう!
ブーズロンは頻出ですので、アリゴテといえばブーズロンと覚えましょう
マコネ地区
・ブルゴーニュ地方の最南端
地方名A.O.C.
✅Mâcon/マコン(赤、ロゼ、白)
・新酒として「Primeur」や「Nouveau」の表記が可能
✅Mâcon Villages/マコン・ヴィラージュ(白)
✅マコン+地理的表示(27の村)
村名A.O.C.
✅Viré-Clessé/ヴィレ・クレッセ(白)
✅Pouilly-Fuissé/プイィ・フュイッセ(白)
・ヴェルジッソン、ソリュトレ・プイィ、フュイッセ、シャントレの4ヵ村で構成され、村名A.O.C.で地区最大面積
・2020年9月にプイィ・フュイッセの1級畑(22区画)の認定が決定
→プルミエ・クリュを名乗る場合、収穫時の最低糖度、最低アルコール度数、最大収量は厳しくなる
✅Pouilly-Loché/プイィ・ロシェ(白)
✅Pouilly-Vinzelles/プイィ・ヴァンセル(白)
✅Saint-Véran/サン・ヴェラン(白)
プイィ・フュイッセは近年プルミエ・クリュの認定が決まったため、ホットな話題として覚えておきましょう!
ボージョレ地区
✅95%がガメイで造られるフルーティな赤ワイン産地
✅北部の土壌は花崗岩
✅セミマセラシオン・カルボニックによる醸造が好んで用いられる
✅ボージョレ・ヌーヴォーは1951年に初めて11月15日が解禁日となった→現在は11月第3木曜日
地方名A.O.C.
✅Beaujolais/ボージョレ(赤、ロゼ、白)
・糖度180g/l、アルコール度数10.5%以上の赤なら「ボージョレ・シュペリュール」の表記可能
・赤、ロゼの新酒は「Nouveau」、「primeur」の表記可能
✅Beaujolais Villages/ボージョレ・ヴィラージュ(赤、ロゼ、白)
・赤、ロゼの新酒は「Nouveau」、「primeur」の表記可能
✅Bourgogne Gamay/ブルゴーニュ・ガメイ(赤)
・クリュ・デュ・ボージョレが名乗れるエリアに対し、2011年ヴィンテージから認められたA.O.C.
ボージョレ・ヌーヴォーは赤とロゼに認められ、白はありません
村名A.O.C.(クリュ・デュ・ボージョレ)
・以下10の村名A.O.C.はCrus du Beaujolais/クリュ・デュ・ボージョレと呼ばれる
・これら村名A.O.C.には新酒を意味するNouveauやPrimeurの表記は付加できない
✅Brouilly/ブルイイ(赤)
・クリュ・デュ・ボージョレ最南端
✅Côte de Brouilly/コート・ド・ブルイイ(赤)
✅Régnié/レニエ(赤)
・1988年に加わった最新のクリュ
✅Morgon/モルゴン(赤)
・クリュの中でも肉厚で力強く、長期熟成にも耐え得るワイン
✅Chiroubles/シルーブル(赤)
✅Fleurie/フルーリー(赤)
・最もエレガントなクリュとされる
✅Moulin-à-Vent/ムーラン・ア・ヴァン(赤)
・村名ではなく、15世紀に作られた風車を指す
・エレガントで力強く、複雑性に富んだワインで、長命なタイプ
✅Chénas/シェナ(赤)
・クリュの中で最小面積
✅Juliénas/ジュリエナ(赤)
✅Saint-Amour/サン・タムール(赤)
・最北端に位置するクリュ
地方名A.O.C.は新酒の規定とも合わせて覚えましょう
クリュ・デュ・ボージョレは頻出なので、最北、最南、最小、最大など特徴的な村は押さえましょう
ジュラ・サヴォワ地方
ジュラ地方
ジュラ地方概要
✅フランスのワイン産地としては最小
✅全耕作面積の15%がビオロジック
✅半大陸性気候
✅ルイ・パストゥールの出身地(アルボワ)
主要ブドウ品種
✅白ブドウ
・サヴァニャン(ヴァン・ジョーヌの品種)
・シャルドネ(耕作面積50%で最大)
✅黒ブドウ
・プールサール(ジュラ原産)
・トゥルソー(ジュラ原産)
・ピノ・ノワール
地方料理と食材
✅Comté/コンテ(A.O.P.チーズ、牛乳、加熱圧搾、AOPチーズで生産量最大)
✅Mont d’Or/モンドール(A.O.P.チーズ、牛乳、ウォッシュ、8/15~翌年3/15限定生産)
✅Morbier/モルビエ(A.O.P.チーズ、牛乳、非加熱圧搾、断面中央に黒い線があるチーズ)
ジュラのチーズは有名なものが多いので、覚えておきましょう
主要なA.O.C.ワイン
✅Arbois/アルボワ(赤、ロゼ、白、ヴァン・ジョーヌ、ヴァン・ド・パイユ)
・地区最大の栽培面積
・2022年9月2日の政令で新たに数品種の使用が認められた
✅Château-Chalon/シャトー・シャロン(ヴァン・ジョーヌ)
・ヴァン・ジョーヌのみに認められたA.O.C.
✅L’Etoile/レトワール(白、ヴァン・ジョーヌ、ヴァン・ド・パイユ)
✅Côtes du Jura/コート・デュ・ジュラ(赤、ロゼ、白、ヴァン・ジョーヌ、ヴァン・ド・パイユ)
・A.O.C.アルボワとの違いは、2022年9月2日の政令で認められた品種が1つ多い(白用のグランジェ)
✅Crémant du Jura/クレマン・デュ・ジュラ(発泡ロゼ、発泡白)
・瓶内二次発酵(瓶内熟成期間:最低9ヶ月)
✅Macvin du Jura/マクヴァン・デュ・ジュラ(V.D.L.の赤、ロゼ、白)
・A.O.C. Côtes du Juraと同一のエリアで収穫されたブドウを用いて造られるV.D.L.
・発酵の初期段階でアルコール度数52%以上のオー・ド・ヴィを添加する
✅Marc du Jura/マール・デュ・ジュラ(オー・ド・ヴィ)
・2015年に承認されたA.O.C.
・ジュラ地方のA.O.C.ワインの絞り滓から造られた蒸留酒
・最大600リットルの木樽で少なくとも24ヶ月熟成
・最低アルコール度数は40%
Vin Jaune/ヴァン・ジョーヌ(黄ワイン)
①サヴァニャンを白ワインとして醸造
※2022年9月2日の政令により、A.O.C.アルボワではアンファリネが、A.O.C.コート・ド・ジュラではアンファリネとグランジェの使用が一部認められた
②オークの小樽に詰め、ウィヤージュ(補酒)をせず、収穫から少なくとも6年目の12月15日まで熟成(最低60ヶ月間は産膜酵母下で熟成)
③Clavelin/クラブラン(620ml)と呼ばれるボトルに詰める
④収穫から7年目の1月1日以降に出荷
・ソトロンと呼ばれる芳香成分(アーモンド、ヘーゼルナッツ、キャラメル、シナモンなど)
Vin de Paille/ヴァン・ド・パイユ(藁ワイン)
①認められている品種(サヴァニャン、シャルドネ、プールサール、トゥルソー)
②ブドウを藁、スノコの上に並べるか、吊り下げ最低6週間乾燥
③圧搾時の糖度は320g/lを超え、420g/l未満
④少なくとも収穫から3年目の11月15日まで熟成、うち18ヶ月は木樽による熟成
ヴァン・ジョーヌとヴァン・ド・パイユの特徴はよく問われますので押さえましょう!
ヴァン・ジョーヌは”6”がキーワード(6年目、60ヶ月、620ml)なので暗記に役立ててください!
また、ヴァン・ジョーヌでは一部A.O.C.にサヴァニャン以外の品種が認められるようになったので、必ず覚えましょう!
サヴォワ地方
サヴォワ地方概要
✅スイスとイタリアと国境を接する
✅レマン湖、ローヌ川、ブルジェ湖
✅1942年にセイセルがサヴォワとして最初のA.O.C.取得
✅海洋性気候
主要ブドウ品種
✅白ブドウ
・ジャケール(サヴォワ地方で最も栽培面積が広い)
・アルテス(=ルーセット)
✅黒ブドウ
・モンドゥーズ(サヴォワを代表する黒ブドウ品種)
地方料理と食材
✅Beaufort/ボーフォール(A.O.P.チーズ、牛乳、加熱圧搾)
✅Abondance/アボンダンス(A.O.P.チーズ、牛乳、半加熱圧搾)
✅Reblochon/ルブロション(A.O.P.チーズ、牛乳、非加熱圧搾)
主要なA.O.C.ワイン
✅Vin de Savoie/ヴァン・ド・サヴォワまたはSavoie/サヴォワ(赤、ロゼ、白、発泡ロゼ)
・発泡ロゼは瓶内二次発酵(熟成期間9ヶ月以上)
・16の地理的名称を付記できる
・気候温暖化への対策として、2021年8月25日の政令で新たに数品種の使用が認められた
✅Crémant/クレマン(発泡白)
・単独のA.O.C.ではなく、ヴァン・ド・サヴォワ/サヴォワの付則条項
・瓶内二次発酵(熟成期間9ヶ月以上)
✅Roussette de Savoie/ルーセット・ド・サヴォワ(白)
・アルテス(ルーセット)のみから造られる白に対して認められたA.O.C.
・4つの地理的名称を付記できる
✅Seyssel/セイセル(白、発泡白)
✅Bugey/ビュジェイ(赤、ロゼ、白、発泡ロゼ、発泡白)
・発泡性(MousseuxまたはPétillant):瓶内二次発酵、熟成期間9ヶ月以上
・Bugey Manicle/ビュジェイ・マニクル(白、赤):白はシャルドネ100%、赤はピノ・ノワール100%
・Bugey Montagnieu/ビュジェイ・モンタニュー(赤、発泡白):赤はモンドゥーズ100%、発泡白は瓶内二次発酵、熟成期間12ヶ月以上
サヴォワはブドウ品種のジャケールとモンドゥーズが特徴なので、これに絡んだA.O.C.を中心に覚えましょう!
ローヌ渓谷地方
ローヌ渓谷地方概要
✅北はヴィエンヌから南はニームまで南北250km
✅フランス第2位のワイン生産量(1位はボルドー)
✅北部ローヌ(半大陸性気候)、南部ローヌ(地中海性気候)
✅ミストラル:北から南に吹き抜ける風
✅南部の土壌:ガレ・ルレと呼ばれる玉石
✅1309年アヴィニョン捕囚→ヨハネス22世が夏の居城としてシャトーヌフ・デュ・パプ建設
✅1933年ル・ロワ男爵がA.O.C.の原型を作り、2年後のI.N.A.O.設立に発展
✅1936年、シャトー・グリエ、サン・ペレイ、タヴェルが最初のA.O.C.取得
✅近年はラストー(2010年)、ケランヌ(2016年)がA.O.C.取得
主要ブドウ品種
✅白ブドウ
・ヴィオニエ(北部ローヌ)
・マルサンヌ(北部ローヌ)
・ルーサンヌ(北部ローヌ)
・クレレット(南部ローヌ)
・グルナッシュ・ブラン(南部ローヌ)
✅黒ブドウ
・シラー(北部ローヌを代表する品種、南部ローヌではブレンド)
・グルナッシュ(南部ローヌ)
・ムールヴェードル(南部ローヌ)
・サンソー(南部ローヌ)
地方料理と食材
・Daube Avignonnaise/ドーブ・アヴィニョネーズ(アヴィニョン名物の煮込み料理)
・Picodon/ピコドン(A.O.P.チーズ、山羊乳、シェーブル、メダル形)
ローヌ渓谷全域
主なA.O.C.
✅Côtes du Rhône/コート・デュ・ローヌ(赤、ロゼ、白)
・2018年の生産量はローヌ渓谷における全A.O.C.ワインの47%を占める
✅Côtes du Rhône Villages/コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(赤、ロゼ、白)
✅Côtes du Rhône Villages/コート・デュ・ローヌ+地理的名称
・2018年の政令でSaint-Andéol/サン・タンデオルが加わり、22の地理的名称あり
北部ローヌ
主なA.O.C.
✅Côte-Rôtie/コート・ロティ(赤)右岸
・シラー80%以上、ヴィオニエ20%まで
・ローヌ渓谷のA.O.C.として最北端
・「焼け焦げた丘」の意味
✅Condrieu/コンドリュー(白)右岸
・ヴィオニエ100%で醸造された白ワインのA.O.C.
✅Château-Grillet/シャトー・グリエ(白)右岸
・ヴィオニエ100%
・ローヌ渓谷で最初に認定されたA.O.C.のひとつ
・北部ローヌ最小(円形劇場の形)
・ピノー家の単独所有
✅Saint-Joseph/サン・ジョセフ(赤、白)右岸
・シラー90%以上、ルーサンヌ、マルサンヌ10%まで
✅Hermitage/エルミタージュ(赤、白、ヴァン・ド・パイユ)左岸
・シラー85%以上、ルーサンヌ/マルサンヌ15%まで
・「隠者」の意味
・ヴァン・ド・パイユを造ることができる
✅Crozes-Hermitage/クローズ・エルミタージュ(赤、白)左岸
・シラー85%、ルーサンヌ/マルサンヌ15%まで
・北部ローヌ最大
✅Cornas/コルナス(赤)右岸
・シラー100%
✅Saint-Péray/サン・ペレイ(白、発泡白)右岸
・ルーサンヌ/マルサンヌ
・ムスーは瓶内二次発酵(最低12ヶ月熟成)
✅Clairette de Die/クレレット・ド・ディー(発泡白、アンセストラル方式による微発泡白、ロゼ)
・微発泡の白・ロゼはアンセストラル方式。主要品種はクレレットでなく、ミュスカ・ア・プティ・グラン(75%以上)
・発泡白は瓶内二次発酵(9ヶ月以上熟成)、クレレット100%
✅Crémant de Die/クレマン・ド・ディー(発泡白)
・クレレット主体
・瓶内二次発酵(12ヶ月以上熟成)
✅Coteaux de Die/コトー・ド・ディー(白)
・クレレット100%
✅Châtillon-en-Diois/シャティヨン・アン・ディオワ(赤、ロゼ、白)
・赤はガメイ主体
北部ローヌは地図問やブドウ品種の割合は頻出です!
教本の地図上でA.O.C.の位置がわかるようにしましょう!
南部ローヌ
主要なA.O.C.
✅Châteauneuf-du-Pape/シャトーヌフ・デュ・パプ(赤、白)
・13品種が許可
・使用が認められていない主な品種(黒:カリニャン、白:ヴィオニエ、マルサンヌ)
認可13品種を覚えるより、使用が認められていない3品種を覚えておくことで、問題には対応できます
✅Gigondas/ジゴンダス(赤、ロゼ)
・1971年にコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュから最初に独立したA.O.C.
・グルナッシュ50%以上
・シラーまたはムールヴェードルのうち、少なくともどちらか一方をブレンド
✅Vacqueyras/ヴァケイラス(赤、ロゼ、白)
・赤はグルナッシュ50%以上
✅Lirac/リラック(赤、ロゼ、白)
・ローヌ川を挟んでシャトー・ヌフ・デュ・パプの対岸に位置する
・赤、ロゼはグルナッシュ主体
✅Tavel/タヴェル(ロゼ)
・コート・デュ・ローヌの17クリュで最南に位置する
・グルナッシュを主体としたロゼのみのA.O.C.
✅Vinsobres/ヴァンソーブル(赤)
・グルナッシュ50%以上
・2006年にコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュから独立
✅Rasteau/ラストー(赤、V.D.N.)
・グルナッシュ主体
・スティル赤は2010年に認定
✅Beaumes de Venise/ボーム・ド・ヴニーズ(赤)
・グルナッシュ50%以上
✅Muscat de Beaumes de Venise/ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ(V.D.N.)
・天然甘口ワインのA.O.C.
・ミュスカ・ア・プティグラン・ブランとミュスカ・ア・プティ・グラン・ルージュの2品種
✅Cairanne/ケランヌ(赤、白)
・2016年にコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュから独立したローヌ渓谷で最新のA.O.C.
・グルナッシュ主体
南部ローヌは主要ブドウ品種、生産可能色、A.O.C.認定の新旧などが問われます
主要なA.O.C.については教本の地図上の位置も確認しましょう!

フランス①(シャンパーニュ~ローヌ渓谷地方) 予想問題
理解度の確認のため、10問全問正解するまで帰れま10にチャレンジしてみましょう!
10問全問正解するまで何度もチャレンジしてみてください。問題には教本の該当ページを記載してありますので、間違った問題や解答に迷った問題は、都度教本に戻って復習してみてください。
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